レイジング・ケイン | 【映画とアイドル】

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🎬『レイジング・ケイン』

  RAISING CAIN (1992)

 

【テーマ:ブライアン・デ・パルマ監督⑱】

 

 

『虚栄のかがり火』で映画史に残ってしまう?失敗作(と言っても今観ると悪くない)を撮ってしまったブライアン・デ・パルマ監督が、その鬱憤を晴らすために?!撮ったと思うほど

極めてデ・パルマらしいサスペンス作品!

 

 

『虚栄の~』でベストセラー小説を映画化して失敗したデ・パルマが

自分で脚本も書いて、まさにデ・パルマが好きに撮った作品と想像できます。

 

オープニングタイトルで『エイリアン2』のプロデューサーのゲイル・アン・ハードの名前を見てビックリしたんですが、この頃デ・パルマと結婚してたんですね^^

  

音楽はピノ・ドナジオなので間違いないです♪

 

 

 

 

【ネタバレ】

 

 

 

 

 

 

 

 

もう このポスターデザイン見ただけで

いかにもデ・パルマらしい多重人格者が出てくる作品と予想できますが

モロにそうですw

 

 

一見子供好きで良い父親の主人公カーターを演じるのはジョン・リスゴー。

この前『愛のメモリー』に映画初出演のリスゴーが出てるのを観て本作をスグ観たくなったっていうのもあります^⁠^

 

クセのある役が似合うリスゴーの強烈なキャラクターがあってこその本作とも言えます。

リスゴーならではの顔演技(笑)

 

 

ただ、あまりにもデ・パルマらしい作品やから

カーターの双子の弟が登場しても

カーターの別人格って一瞬で分かる(笑)

 

 

次に登場するカーターの父親もどうせ‥と思ったらw

ここは捻りを効かせてたのはさすが。

ただ、それがハッキリ分かるのはラストやったから(ボクが観たところでは)

観てて混乱するところはあります(^.^;

 

 

林の中のシーンの横移動のカメラが今回印象に残りました。

得意の360度カメラを使いそうなシチュエーションやったから(^^ゞ

 

夢オチに見えるシーンも多いから

現実か夢かもよく分からなくなってくるシークエンスが複数あって、

ここもまさにデ・パルマ作品らしいところで、 

これを分かりにくくてつまらないと思うのではなく、

このよく分からない感じも楽しめるのがデ・パルマファンなんやと思います^⁠^

デ・パルマ映画ってその映像テクニックは目で楽しんで♪

イマイチ分からないところは感覚で楽しめばいいんやと今さら思いました^⁠^

 

ただし、本作においてボクが印象深かったポイントは、

不倫のラブストーリーになっているところでした。

不倫するカーターの妻を演じるロリータ・ダヴィドヴィッチが美人でなかなか魅力的やし、 

その不倫相手を演じるのがスティーヴン・バウアーってのがいいんよな〜!

 

 

バウアーは『スカーフェイス』の好演が記憶に残る俳優さんですが、

その、色男やけどなんとも優しそうな風貌がいいんですよね。

だから不倫も純愛にちゃんと見える。

 

 

しかし本作で一番恐ろしいシーンはまだ前半のここでいきなり出てきます(^^;

 

本作で一番恐ろしいだけではなく、ボクが今まで観てきた数多くの作品の中でも

初めて映画館で観た時、これほど鳥肌が立ちそうになるほどビビったシーンはそうはないです。

 

しかもこれが原因で心臓発作で奥さんが亡くなるという残酷さ‥。

実は今回久しぶりに観るまで、この奥さんはもともと余命いくばくもない状態やったから

その病状の悪化で亡くなったと思ってたんですが

心臓発作やったとは二重に恐ろしい‥。

 

もう ここがボクにとっての本作のハイライトみたいなものなんですが(^^ゞ

そこはデ・パルマ!

 

 

 

クライマックスにまさにデ・パルマならではの見事な見せ場が待ってます!

 

 

本作はシリアルキラーものみたいなところもあるんですが、

本作が恐ろしいのは精神異常者がただ殺人を繰り返すだけではなく、

その殺人には明確な目的があるところです。

しかも、子供をさらうために母親を殺すという残忍なもの。

 

その子供は研究の材料にするという恐ろしさも加わる。

その研究の結果生まれたのが多重人格者のカーターというのも怖い。

 

 

 

 

 

自分が良かれと思ったことを突き詰めようとする人間は

それを成すためなら善悪の基準がその本人の思考に委ねられてしまうのが恐ろしい。

その酷い犯罪行為も当人にとっては世の中のための行為になってしまうわけです。

 

 

 

今回はフツーの役やけどw

『ボディ・ダブル』のグレッグ・ヘンリーもいい味出してます。

 

もう答えは分かってるから

終盤のここらへんのシークエンスは今回の鑑賞ではやや退屈に感じてしまいましたが、

92分と極めてコンパクトにまとまってるから問題なし。

デ・パルマ作品は無駄に長くないのも魅力のひとつですね。

 

 

ここなんか『殺しのドレス』やん!^^

 

 

 

ボクがエレベーターが苦手になったのはデ・パルマのせいな気がする(笑)

 

 

 

クライマックスにも死んだはずのカーターの父親が出てきて、

フツーならここで(父親は生きてたのか)と分かるところですが、

デ・パルマの場合(ここも夢なのか?)とも考えてしまうところがボクにはあります^^;

 

バッドエンドを連想させる伏線があったから

ここは最後の最後までハラハラさせられて、  

サスペンス映画のクライマックスとしてさすがの最上級の出来!!!

 

三階建てのモーテルの縦の構図を巧みに使ったこのシークエンスは

ある意味、あの『アンタッチャブル』の映画史に残るクライマックスシーンより高度なテクニックを駆使してるとも言える素晴らしさ!

 

もうここは(さすがデ・パルマ!!)と唸りましたね!

 

 

 

ラストの何気ない会話でボクの疑問点も(他の方は早くに理解してそうですが^^ゞ)解決されるスマートなエンディング。

冒頭と同じ公園のシーンなのも上手い。

平和にしか見えない公園にも日常の恐怖は潜むんです。

ボクはこういう映画を観てたから、我が子が小さい頃は警戒していました(^^ゞ

ショッピングモールなんかも危険やと思ってます。

 

『ボディ・ダブル』ではサスペンスでも意外に平和なラストでしたが、 

そこから『アンタッチャブル』『カジュアリティーズ』『虚栄のかがり火』とドラマが続いて、

大成功からの転落を味わったデ・パルマ監督。

 

本領発揮の本作ではラストまで完璧にデ・パルマらしい恐ろしさがあります!

 

リスゴーの真っ赤な服を着た女装のビジュの気持ち悪さと

女性の人格も有してる恐ろしさ。

 

せっかく幸せを取り戻した母娘やから

最後にしゃがませて後ろにはやっぱり誰もいなかった、とするのが普通の監督な気もしますが、

実際にケインがいる可能性を残して終わる気持ち悪さ。

 

 

 

 

 

この世の中には常に身近に悪意を持った人間がいる。

デ・パルマ監督が放ってきたテーマは、 

人々が至る所で分断している現代にこそ響くテーマやと

今回ふと思いました。