ホラー映画史に残る名作『オーメン』は、演出・音楽・撮影・編集すべてが最高峰の正に大傑作!!!!! | 【映画とアイドル】

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🎬『オーメン』 (1976)

THE OMEN

 

 

 

 

『オーメン』の前日譚『オーメン・ザ・ファースト』が本日から公開されるので、

久しぶりに第一作である本作を観ました!

 

 

前日譚が製作されるというニュースを見たのはもう八年前。

その時にはリメイク版の方のブログを書いてました✑⤵

 

正直もう前日譚のことは忘れていましたが、

YOUTUBEで予告編を見つけた時は上がりましたね!

『オーメン』は最も好きなホラー映画のひとつで、

明らかに本作に影響を受けている『ファイナル・デスティネーション』は

一番好きなホラー映画です。

 

 

 

 

公開からもう五十年近く経つ、

誰もが知るもはや名作中の名作ですから、

最初から最後までガッツリ振り返りたいと思います。

先にスクショしましたが、好きなシーンが多すぎて疲れました(笑)

 

 

本作でアカデミー賞を受賞したジェリー・ゴールドスミスのスコアがかかる

オープニングタイトルから心掴まれますが、

スタッフの充実ぶりに今さらながら驚きます。

 

本作で出世したリチャード・ドナー監督はもちろんですが、

個人的に思い入れが強いのは脚本を書いたデヴィッド・セルツァー。

この人が後に監督した『ルーカスの初恋メモリー』は

ボクが一時期 一番好きな映画だったほどなので、

その映画を撮った人が脚本を書いてたら そりゃあ素晴らしいはずです。

 

 

 

“6月6日6時に生まれた悪魔の子”という設定が極めてキャッチーで、

ヨハネの黙示録というものを子供ながらに初めて知りましたね。

 

 

 

自分も親になって観ると、

嫁さんに内緒で養子をとるっていかがなものか?と初めて思いました。

もちろん愛する妻のことを思っての決断だし、

大名優であるグレゴリー・ペックが主役のロバート・ソーンを演じたことで

この冒頭の展開に説得力が増したと今さら思いました。

 

 

こちらも名のあるリー・レミックをソーンの奥さんキャサリン役で起用したことで、

オカルトホラー映画らしからぬ‘格’が出たと思いますね。

 

 

ソーンが駐英大使に任命されて、いわゆるセレブ一家が主役とも言えるので、

他のホラー映画にはないような品格を感じるのかもしれません。

そこが本作・本シリーズの大きな魅力でもあります。

 

 

車のウィンカーが美しく見える、

ロンドンの街の切り取り方もいいです。

 

ドラマパートのゴールドスミスのスコアの美しさも♪

本作の格をグッと上げたと思います。

 

 

リチャード・ドナー監督がドラマ部分をしっかり描いたことで

物語の軸がしっかりしたホラー映画に仕上がりましたね。

この後のドナー監督の素晴らしいフィルモグラフィを見ると納得。

まだ確たる実績はなかったドナー監督を起用したプロデューサーのセンスも素晴らしいです。

ドナー監督が『スーパーマン』で大成功を収めた後だったら

ホラー映画の監督にオファーする発想にはならなかった気がします。

 

 

 

美しいドラマパートの後だからなおさらショッキングさを増した

第一の犠牲者の首つりシーン。

ここは名シーンですよねー!

レミックの表情が素晴らしい!

 

レミックじゃなければ、ここまで象徴的なシーンにはならなかったと思います。

55歳という若さでお亡くなりになってたとは‥。

 

 

 

 

 

カメラマンを演じたデビッド・ワーナーも強い印象を残しましたね。

彼も去年亡くなったので寂しいです。

 

 

 

ブレナン神父を演じたパトリック・トラウトンも強烈でした。

パトリックの鬼気迫る演技で一気にサスペンス度が増しました!

 

普通なら異常にしか聞こえないようなブレナン神父の指摘が

ここから徐々に信憑性を帯びてくる展開に引き込まれます。

 

 

 

 

ダミアンを演じた子役ハーヴェイ・スペンサー・スティーブンス君の名演技が本作を怖くしてくれましたね。

一番肝になるダミアンのキャスティングがバッチリだったのも

本作の大成功の大きな理由の一つなのは間違いありません。

 

 

ダミアンが悪魔の子でることを動物の反応で見せるのが上手い。

 

 

公開のタイミング的に、『ジョーズ』以降ブームになった動物パニックものを意識していたと思います。

当時はもちろん本物の動物を使ってるから、今見たほうが怖いというか凄いシーンです。

 

 

 

 

ロバートがキャサリンに秘密でダミアンを養子にした設定がじわじわ効いてくるのも上手いところです。

キャサリンはワケが分からない苦悩に襲われ、

ロバートは異変に心当たりがある秘密を打ち明けられない苦悩にさいなまれることになる。

 

ボクも結婚生活二十年を越えましたが、

そんな自分が観ると本作は、どの夫婦でもありえる問題を

物語に内包しているように見えました。

デヴィッド・セルツァーがそこまで意識していたかは分かりませんが、

観るタイミングによって色んな観方ができるのが映画の面白さでもあります。

 

 

 

 

 

ここのロケーションと映像の構図も素晴らしいです。

撮影のギルバート・テイラーは本作の後『スター・ウォーズ』でも見事な絵を見せてくれました。

 

 

 

ここからのシーンは巨大扇風機を使ったとしか思えない

リアルな迫力のある見せ場になっていて、

これも今観た方がより凄味を感じるシーンです。

ここは正に、当時の技術では限界があった部分を

見事な編集で恐ろしい場面に仕立て上げた名シーンです!

 

編集のスチュアート・ベアードは、アカデミー賞を受賞していないのが(勿論ノミネートはあり)不思議というか、アカデミー協会の会員バカか(?!!)と言いたくなるほど最高の編集マンです。

監督にまで出世して撮り上げた『エクゼクティブ・デシジョン』は

ボクのアクション映画ベストに入る大傑作でした!

『007 カジノ・ロワイヤル』の編集も素晴らしかった。

 

 

 

 

昔は今ほど問題視されていなかったと思う

育児ノイローゼや幼児虐待の問題をも、今観ると感じさせられます。

本作は悪魔の子なので それは当てはまりませんが、

悪魔の子と気づいて対峙しようとしたら、

ハタから見たら幼児虐待に見えてしまう、ある種の恐ろしさもあります。

虐待じゃないのに虐待と思われてしまうケースが現実にもあるからです。

このジレンマ要素はラストで効きましたね。

 

 

 

 

ここの金魚鉢のシーンが凄く効果的で、

キャサリンの恐怖が伝わってきます。

 

レミックを落とすことはできないので、

ここは床を壁にして撮影したそうで

非常に上手く撮れてて強く印象に残るシーンです。

 

 

 

カメラマンのジェニングスの現像室のシーンも今観たら懐かしい雰囲気。

心霊写真的なホラー要素があるのも面白いです。

 

ここでサスペンス度がまた高まりました。

 

 

 

精神を病んだ者の部屋の造形として、

後の『セブン』にも影響を与えたかもしれません。

 

 

これから訪れるであろうショッキングなシーンを示唆し

クライマックスに向けてさらに観客を引き込みます。

 

とにかく本作、いいテンポで見せ場やサスペンス的展開があるから

何回観ても本当に飽きません。

 

 

ソーン自らがことの真相を探っていく展開に

ますます目が離せなくなります。

 

 

ロケ地とロケ映像も素晴らしい!

 

 

こういうカットに『オーメン』らしさを感じます。

 

ここらへんの編集もいいです。

 

ここはしっかりセットを作ってますね。

 

ここから ソーンとしては

悪魔側に対しての復讐の意味が帯びてくる。

 

 

こういう絵の構図も見事。

 

 

 

 

 

やはりレミックの目の演技は素晴らしくホラー的!

 

 

乳母のベイロックを演じたビリー・ホワイトローも悪魔側としての存在感がありました。

 

 

ここらへんのライブ感ある描写・スタントも見事。

 

 

キャリアのある女優さんがこういうシーンを演じてくれると

作品に箔が付きます。

 

 

 

 

ここからのロケ映像もいいです。

この短剣は、三作目の『最後の闘争』で一番効果的に使われていた印象があります。

 

 

このブーゲンハーゲンも出番は短いもののキャラが立ってる。

名前からインパクトあるし。

 

この短剣って、完全創作なのか?今さら気になります。

 

 

 

 

 

ここからのショッキングシーンは

本作の悪魔を死神に置き換えたと言っていい『ファイナル・デスティネーション』シリーズに多大な影響を与えたと思われます。

正にホラー映画史上に残る首チョンパシーンです。

何回撮ったのか知りませんが、

人形の首がベストな感じで転がるんですよね。

 

本作は音声解説で観てみるのもいいかもです。

(ボクは音声解説というものをほとんど観たことないですが)

 

 

 

ジェニングス自身にまだ見えてるように感じる。

こうなる恐れがあると自分で分かっていただけに

この死に方を一瞬でも自覚してしまってたら

どんなに無念だったか‥、とまで思わされます。

 

ソーンも悪魔の存在を受け入れるしかないクライマックス。

 

ペックは本作の撮影二ヶ月前に息子さんを拳銃自殺で亡くしていたそうで、

そのリアルな苦悩が本作のソーン像とリンクしていたのかもしれません。

 

 

 

 

わかっちゃいるけどゾクゾクするシーン。

悪魔と人間を識別できる設定にしたのも上手かったと思います。

でないと、五年間育てた子供を主人公が始末しようとするクライマックスに持っていけない。

セルツァーはヨハネの黙示録を本当に上手く活用したと思います。

 

 

 

後にアクション映画の『リーサル・ウェポン』シリーズが代表作になったドナー監督だけに、

ここの格闘シーンも迫力あります。

 

 

 

 

まさに神にもすがる気持ちだったのが伝わります。

 

 

ここはソーンが撃たれる残酷な描写を入れなくて正解。

かえって余韻が残りました。

 

 

 

 

大統領の懐に入って、

世界を滅亡させる絶好のポジションを得た悪魔の子ダミアン。

 

 

この子の笑顔のラストシーンは偶然のものだったそうですが、

それで伝説的な名ラストシーンが生まれたのも

映画史に残る本作ならではのエピソード。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オーメン・ザ・ファースト』を始まりに

現代のスクリーンで 

またダミアンの世界滅亡計画を観たいです。

もう、今の世界は本当に悪魔が存在しているとしか思えないような状況ですから…。