SCREAM3 (2000)
本作を公開当時映画館で観た時は、
1・2作目があまりにもよく出来ていたこともあって
正直ガッカリ感の方が強かったんですが、
今回久しぶりに3作を連続で観たら
意外に?!この『3』も楽しめましたね^^
本作は評価的にも興行的にも失敗したイメージがありますが、
世界興行収入は全二作とほぼ同等の成績を上げているので
決して失敗作ではありません。
そもそも本当に本作が失敗していたら『4』はできなかったハズです。
【ネタバレ含みます】
そもそも脚本が前作までのケヴィン・ウィリアムソンではなくなったことで
観る前から不安はあったものの、
代わりに脚本を書いたアーレン・クルーガーの『隣人は静かに笑う』は傑作だったので、不安と期待が半々な感じではありました。
まず、最初に観た時のガッカリポイントを書いておくと、
コットン(リーヴ・シュライバー)がいきなり死んでしまうことですね。
ボクはシリーズの主要人物を殺すことで物語を進めるやり方が嫌いなので、
いきなりガッカリしたことを覚えています。
あと、肝心の真犯人のオチが後付け感があるというか、後出しジャンケンみたいに感じられてガッカリしたかな~。
ただ、今回久しぶりに観て、
全体的にはシリーズの3作目に相応しいバージョンアップが成されていて、
しかも本来のウェス・クレイヴン監督らしさも楽しめる♪
実はなかなかよくできた三部作の締めなんじゃないか、と思いましたね^^
冒頭のコットンが殺されるところも、ホラー映画では普通見れない車の激走シーンがあったり、
中盤ではこれまたホラー映画にしては規模が大きい爆破シーンがあったりして、
さながらアクション映画ばりの見せ場を盛り込むことで、
製作費が大きくなったぶんをしっかりビジュアルとして楽しませてくれているのがいいです。
それは舞台設定やキャスティングにも表れていて、
前作までの事件を模した映画『スタブ3』の舞台裏で事件が起こる設定なので、
そのスタジオやセットの映像が出てくることによって
劇中劇が楽しめるような作りになっているのがミソ。
そのセットで繰り広げられるサスペンスは
クレイヴン監督の代表作『エルム街の悪夢』を彷彿とさせるところがあって、
前作までは『エルム街~』とは違うリアルな肌触りが魅力だったのに、
今回は『エルム街』的な匂いを感じさせるところが面白かったですね。
クレイヴン監督は『エルム街~』の最終作では逆に現実世界に舞台を設定して見事に完結させていたので、やはり演出力に長けた監督さんやと思います。
脚本のクルーガーはもともとシリーズのファンだったということで、
上手くツボをおさえたところもあるのはいいです。
シドニーが人里離れた山の上に住んでいて
人と接しない、今どきの言い方をすれば在宅ワークをやっている設定は説得力あり。
ジェイミー・ケネディを再登場させたのもよかったです。
カメオ出演でキャリー・フィッシャーを登場させたり、
映画プロデューサー役にランス・ヘンリクセンを配するなど
もはや低予算ホラーではないキャスティング。
このプロデューサーのセクハラ行為が今となっては社会問題として表面化しているのも興味深いところです。
前作ではシドニーが演劇をやっていたので、
シドニー自身が女優になるんじゃないかと予想していましたが
それはなかったですね(^^ゞ
ネーヴ・キャンベルの演技力の確かさも
このシリーズの大成功に大きく貢献していたと思います。
実はパトリック・デンプシーが出演してたことすっかり忘れてたんですが^_^;
ボクが一番好きな映画『魔法にかけられて』でデンプシーを観て以来
贔屓の俳優さんなので嬉しかったですね(じゃあ忘れるなよw)。
刑事を演じる彼はすこぶる良い人に見えるのが個性でもありますが、
本作では怪しく見えるところもさすがです。
デューイが相変わらず役に立た‥(笑)
いやw 肝心なところでキメてくれました^^
本作の頃はデヴィッド・アークウェットとコートニー・コックスは夫婦でしたね(^.^)
自分の母親が殺された事件をはじめ
3つもの連続殺人事件に巻き込まれたシドニーに真のハッピーエンドは無いんじゃないかと思ってましたが、
シドニーが恐怖から解放されたことをさりげなく演出して見せたクレイヴン監督はさすがです。
刑事と仲良くなったらそりゃ安心やわ(笑)
見事なトリロジーの完結になりました!!!
「あんたが叫ぶ番よ!!!」