予告をたまたま見かけてずっと気になってた映画。
主題歌を歌ってるthe peggiesが好きやったから、ってのもありました^^
徹底して‘観客席’から描かれる物語は
まさに自分の物語。
つまり、マウンドやステージに立つことができなかった、
または、はなから立つことを諦めたボクみたいな人間が素直に感情移入できる映画でした。
どう見ても甲子園には見えないという点はこの際目をつぶりましょうw
本作は物語というより会話劇。
タイトル通り『アルプススタンドのはしの方』で交わされる他愛のない会話を眺めているうちに引き込まれ、いつしか熱い気持ちにもなれます。
ただ、本作のいいところは必要以上に熱くなり過ぎないところです。
だから素直に感動できる♡
76分という短さもGOOD👍
学校内のシーンがほぼないのに【学園モノ】になり得ているのも上手いし、
だからといって上手さをひけらかしたような演出じゃないのがいい。
そう、あくまでも普通のボクらがスッと作品に入っていけるようになってる。
キャストの面々も特別美男美女というワケでもないのがいいし、
そこがまた本作の‘普通である’魅力。
特別美男美女でもないとか言ってしまったけど(^^;
平井亜門クンはじゅうぶんイケメンやし、
黒木ひかりちゃんや中村守里ちゃんは朝ドラの主演もいけそうな感じ^^
熱血教師をわざと暑苦しく演じるw目次立樹さんもイイ感じで、
この作品からスターが生まれそうな予感がするのも
こういう作品ならではの魅力
個人的には一瞬映る、名前もわからないこのコが一番好みやけど(笑)
でも こういうコが有名になったりするパターンもけっこうあるからね^^
結果的に今このタイミングで観てよかった(!)と思えたのは、
ボクみたいに30年以上サラリーマンやってたら会社の歯車になってしまって
本作のキーワードでもある「しょうがない」の連続‥。
特に今年の夏以降は今まで何回となく経験した「しょうがない」の中でも
最悪の「しょうがない」状態になっていて、
だからこそ本作は胸にくるものがありました
ボクが12年前から地元のアイドルさんの応援にハマっているのは、
早々に自分の本当の夢は諦めたというか、大きな夢を追いかけることはなかったから
夢に向かって頑張っているコたちが眩しくて、
応援したい気持ちになるんです。
そこには自分が持てなかった夢への憧れもあるような気がします。
この作品は、長年「しょうがない」を積み重ねてきたボクみたいなオッサンだけが感情移入できる作品ではもちろんありません。
小学生だって中学生だって、本作の主人公である高校生たちだって
すでに「しょうがない」をいくつか経験してるハズなんです。
ただ、ボクみたいな五十代半ばのオッサンと違うのは、
若い人たちはその「しょうがない」を打破できる可能性があるんです。
なにもプロ野球選手になれとか、売れっ子アーティストになれとかそういう大そうなことじゃなくても、
「しょうがない」から程よく脱却するチャンスは若い人ほどあると思うんです。
だからって本作はそれを声高には主張しないから、
はしの方にいる人間が心地よく観れるんです。
そこがこの映画の優しさ。
そして本作が真に素晴らしいのは
大きな夢は諦めたけど自分なりに生きてる人たちへの賛歌でありながら
大きな夢を追い続けることの大切さもしっかりと描いているところ。
応援する側もされる側も愛おしく思える、
みんなの心がどこかあたたかくなる映画やと思います🎦
2020年夏に劇場公開された作品なので、コロナ禍の影響を受ける前に製作されたと思われますが、
図らずもコロナ禍以降だからこそ説得力を増している部分もあって、
これはこの映画が‘持ってる’作品やということやと思います。
ラストシーンは予想とは違いましたが、
だからこそ良かった!
口だけで「人に寄り添う」と言う人間はいっぱいいますが、
『アルプススタンドのはしの方』は
本当にボクらの心に寄り添ってくれる映画でした🎬
この青すぎる空が
僕には似合わない なんて思っていた
でも逆転すんだ 空ぶったっていい
さぁ変わるんだ今 恥かいたっていいから
諦めるのは楽だけど苦しいな
ちょっとずつ前を向いて
今からでも間に合うかな
二死満塁で握る汗 息を飲み込む
何かが変わる音がした
まだ何もない 僕らの為の歌🎶