터널 (2016)
トンネルの崩落事故は日本でもあって、あの事故以来、トンネルを通るのが少し怖くなるくらいでしたが、
本作で描かれる崩落事故は、日本で実際に起きた天井板の崩落より更に恐ろしい、山自体が崩れるというもので、手抜き工事が原因という設定がなんともリアル。
この事故に巻き込まれた男イ・ジョンスが主人公になりますが、演じるハ・ジョンウは『チェイサー』で強烈な印象を残した人。
その妻セヒョンを演じるのがペ・ドゥナちゃんというのが 本作を観たいと思った大きな理由ですが^^
今回、キャストの中で一番イイ味を出していたのは、救助隊長デギョンを演じていたオ・ダルス。
一度見たら忘れられない、いかにもお人好しみたいな風貌の俳優さんですが、
彼が救助隊長を演じたことで、(この隊長なら主人公を絶対救助してくれるハズ!)という希望を持って観れたのがよかったです。
韓国映画には絶望的な作品がありますから。
本作は先に書いたように正にギリギリの状況設定で物語が始まりますが、
ジリジリするような緊張感がずっと張り詰めるのかと思ったら、ユーモアのあるシーンも意外にちょくちょく出てきて、それが笑えるところがなかなか技アリでしたw^^
こういうシビアな設定の作品なら直球で勝負した方が無難にサスペンスを盛り上げられそうなものですが、中盤の意外な展開といい、脚本も書いたキム・ソンフン監督は まだキャリアは浅いみたいですが
すでに確かな実力を感じさせる演出でした。
そう言いながら、ボクはその中盤の展開にはいまひとつノレなかったんですが、冷静に振り返ると、主人公のジョンスの人間性を描くエピソードとして必要やったんかな(?)と思いました。
事故のシーンは迫力タップリで、
セヒョンが事故を知る場面の描写も秀逸。
救助活動中のサスペンスも定番ながら その見せ方が上手いのでめちゃハラハラしました(^^;)
トンネルの出入り口からだけではなく、上から採掘する救助方法が意外で目を引きました。
ペ・ドゥナちゃんはさすがに上手くて、そして相変わらず可愛いので^^
絶望的なストーリーの中でも彼女が出てると何か救われる気持ちになれます。
観るまでは 感動のヒューマン・ドラマを想像していましたが、なかなか強烈な社会風刺を効かせていたところが韓国映画らしかったかも。
これがハリウッドなら王道の救出劇で感動とともに終りそうな題材ですが、
最後まで何が起こるか分からない韓国映画ですから、エンドタイトルが流れるまで油断はできませんでした;^^
期待したほどのサスペンスはありませんでしたが、逆に想像してなかった要素が楽しめて
あらためて韓国映画の面白さを感じることができました。
災害大国の日本では自宅に防災キットを常備してる家庭も多いでしょうが、
本作を観たら、車にも少なくとも水は常備しようと思うこと必至です。
今年でペ・ドゥナちゃんが40歳になってたと知ってビックリしました(^^ゞ
まだせいぜい30歳くらいのイメージでしたが、本作でもその可愛さは健在なのでファンの方は是非!
もう‘ちゃん’付けもできないですね(^^ゞ