恐怖と哀しさが混在する韓国ホラー『箪笥』が描く人の業と後悔の念。 | 【映画とアイドル】

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장화, 홍련 (2003)

 

 

 

暑くなったので;^^無性にホラー映画が観たくなって

十年振りくらいに観ました。

 

 

特典ディスクが付いてたことすら忘れてましたw

 

 

 

 

 

 

 

初めて観た時はいまひとつ釈然としない部分が残ったんですが、

ある程度記憶が残った状態での二回目の鑑賞では

前回合点がいかなかったところもクリアーになったというか、

初めてキム・ジウン監督のインタビューも見てみたんですが、

監督は確信犯的に脚本を混乱させてるようなところがあるので、

観ていて多少混乱したとしても、それも本作の魅力の一つであると今回は思いました。

 

ホラー映画って不条理なものが多いというか、

不条理やからこそホラーになりえるところもあると思います。

 

 

 

 

 

仲の良い姉妹と継母の確執が物語の軸になりますが、

人里離れた一軒家の何ともいえない雰囲気からすでに

【ホラー映画】としての恐ろしいムードを醸し出します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大してストーリーが動くわけでもないのに、

その美しくも怪しい映像と音楽に冒頭から引き込まれます。

 

 

 

 

Jホラーの影響を受けたと思われる直接的なショックシーンもあるにはありますが、

その何とも言えない雰囲気でじわじわと恐怖心を煽るジウン監督の演出がお見事。

 

 

 

 

本作の後にジウン監督が撮った『悪魔を見た』は復讐劇の傑作でしたが、

本作でも彼が描く人間は生々しく、しかし、今回観て、

父親の存在があまりにも希薄なのが、同じ父親として妙に恐ろしく感じました。

「恐ろしく」と言っては大袈裟ですが、本作を覆う様々な違和感こそが【ホラー】なのかもしれません。

 

 

 

継母を演じるヨム・ジョンアはとてもキレイな女優さんですが、

神経質なところもあるキャラクターをホラー映画らしいギリギリの表現で演じていて迫力あります。

 

 

 

 

そんな継母と儚げな雰囲気のある姉妹との対比が本作のポイントやと思うんですが、

大人しい印象の妹に対して、継母に敵対心を隠さない姉という

姉妹間の対比もひとつの肝でしょう。

 

 

 

妹役のヨム・ジョンアはTV『メリは外泊中』などでアイドル的な活躍をしてましたが、

本作ではショートカットのせいか少年のようなイメージもあります。

対するお姉さん役のイム・スジョンが可愛くて気に入ったんですが^^

一見妹と同じく大人しそうで、でも、妹を守りたい気持ちもあってか

時に継母に敵対心を露にする姿とのメリハリの利いた演技が素晴らしかったです。

他の出演作も大々的に公開してほしい女優さんです。

 

 

 

 

 

 

ボクみたいに一回目でいまいちピンとこなくても映像は楽しめた人には

二回目の鑑賞をオススメします。

ジウン監督が実は周到に伏線を張っていたことに気付くでしょう。

まぁボクが鈍感やっただけかもしれませんが;^^

 

 

 

 

本作は女同士の対立が軸なので、男としてどう見てどう解釈したらいいか?

考えたら我が家も女三人に男はボク一人なので、

本作における父親(キム・ガプス)の存在感の希薄さは解かるところではあります(^^ゞ

しかし、女同士の対立やからと本作を傍観することはできませんでした。

 

 

存在感が希薄とは言いましたが、父親が実はポイントポイントで

重要な言葉を娘に投げていたことが分かりました。

 

 

 

 

 

ある意味‘意地の張り合い’が引き起こしたともいえる本作での悲劇は

ボクらの日常にも起こりうる悲劇なんじゃないかと今回思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大切な人を守るためには、そうではない人間との距離感もはからなくてはならない、

今回はリアルにそう感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また十年くらい経ったら観てみようかな^^