SUPERMAN Ⅳ THE QUEST FOR PEACE (1987)
原題を直訳すると【平和のための追求】
本作は前3作からスタジオが変わって安っぽい作りになってしまい、興行的にも大コケしてしまいましたが、極めてマンガっぽい作風で個人的には好きな作品です ^^
久しぶりに観たくなったのは DCコミックスの『ジャスティス・リーグ』の公開がいよいよ来週に迫ってきたからというのも勿論ありますが、
本作が掲げる“核廃絶”のテーマが今の世界情勢に 悲しきかな当てはまる気がしたからです。
本作が公開された1987年は東西冷戦が続いていて、核戦争の恐怖を世界が感じていた時代でした。
1991年のソ連崩壊によって冷戦も終結し、世界規模での核戦争の危機は無くなったような印象を受けましたが、近年は北朝鮮の暴走によって、冷戦時代以上に、特に日本人としては危機感を抱かずにはいられないのが現状です。
本作、基本的には〈おバカなコミック映画〉でありながら(^^ゞ “核廃絶”という極めて政治的なテーマを前面に押し出している、アメコミ映画としては珍しい作品やと思うんですが、
このストーリーを考えたのがスーパーマンを演じるクリストファー・リーヴ本人というのがミソ!
リーヴは残念ながら52歳という若さで亡くなってしまいましたが、1995年の落馬事故で首から下が麻痺してしまってからも積極的な行動を起こしていた姿が印象的で、人として真面目な努力家やと思っていました。そんな彼の真面目さが作品にしっかり反映されている点も、ボクが本作を好きな理由なんです。
低予算ゆえ 全編に渡ってチープな映像も散見されるとはいえw ジョン・ウィリアムズの音楽はそのままやし 主要キャストも続投しているので、前シリーズの雰囲気をしっかり継承してくれているのが嬉しいところ。
懐かしい農場が出てきたり、
ロイス・レインとの空中デートもお約束ですね(*^.^*)
新キャラにマリエル・ヘミングウェイを配して、美人度に欠けたシリーズにw花を添えてるのもマル
ジーン・ハックマンのノリが相変わらず楽しいレックス・ルーサーの復活もファンには嬉しくて、
甥っ子(ジョン・クライヤー)とのコンビぶりも楽しいんですが♬
今回は ルーサーが作り出す‘最強の敵’ニュークリアマンこそが最大のポイント
核ミサイルによって作られるという設定が本作のテーマとリンクしていて面白いんですが、太陽の光がないと途端に無力になってしまうという弱点がいきなり露呈されてしまうのでww 登場してほどなくして だいたい決着が見えてしまうのが難点(笑)
低予算とはいっても、万里の長城を破壊するシーンのミニチュアワークなどはよくできてて観てて楽しいです
太陽光がないと何もできないとはいえ(爆) 陽の光の下ではスーパーマン以上の強さを誇るニュークリアマンが相手ですから
同じ能力を持ったクリプトン星人と戦った『冒険編』に次ぐ面白いバトルが観れます👍
つまり、いかにもコミック的な面白さが味わえるのが本作の魅力🎬✨
だから多少チープな映像も逆に楽しんじゃえばいいんですよ🎶
色香に走ってw自滅した?!ニュークリアマン(爆)
スーパーマンには原子力発電もなんとかしてほしい。
クリストファー・リーブが伝えたかった〈核廃絶〉への思いを受け取ることで、本作は今だからこそ胸に迫るものがあります。
ちなみにボクは長崎に住んでいたことがあるので、原爆の恐ろしさは多少なりとも分かっているつもりです。
スーパーマンが核ミサイルの排除をするきっかけが子供の願いというのもいい。
軍事バランスがどうのこうの言う方は本作を見なくていいです。
スーパーヒーローの映画ですら理想を見れなくなったら終わりです。
残念ながら、スーパーマン=クリストファー・リーヴが予想した通り、
地球上では21世紀の今でも争いが続いています。
しかも この頃は国同士はおろか、市民が市民を大量に殺してしまうテロも頻発しているのが現実です。
夢も希望もますます儚げになってしまった現代社会やからこそ、スーパーマンに世界を救ってほしい!
彼が戻って来てこそ、『ジャスティス・リーグ』は真の正義を貫けると思います