映画館はおろか、DVDでも一ヶ月近く映画を観てなかったので、さすがに‘映画切れ’状態。
ポップンさんとシギーの書きかけブログはいくつかありますが、
気分転換の意味も兼ねて(ナニ観ようかな?)とDVDを並べてる本棚を眺めていましたが、
今一番観たいと思った映画はコレでした。
STREETS OF FIRE (1984)
【ロックンロールの寓話】という前置きで始まるこの映画は正にその通り、
ある意味 男にとっての御伽話。
映画館で観てから三十年以上経っても心底熱くなる、
男にとっては永遠の憧れの映画です。
その憧れの対象はもちろんマイケル・パレ演じる主人公のトム・コーディ。
惚れた女のためなら命懸けの危険もいとわない男。
その女は二年前に別れた元恋人エレン・エイム(ダイアン・レイン)。
歌手として成功したエレンから身を引く形で別れたコーディだったが、
エレンがならず者どもにさらわれたことを知って故郷に帰ってくる。
ビジネスと割り切ってやっているふりをしても、心の底の熱い想いは隠せない。
相棒になる行きずりの女兵士マッコイ(エイミー・マディガン)も男前なんよな。
悪玉レイヴェン(ウィレム・デフォー)の、燃え盛る炎も気にとめない鋭い眼光。
道中でたまたま巡り合うグループ‘ソラレス’も最高なヤツら♪
トムがエレンのことを考えて身を引いただけやから、
エレンのトムに対する気持は無くなってない。
コーディは警察相手でも全くひるまないところがまたシビれる。
いい意味でセットみたいに見える街の表情までカッコイイ。
お互い愛し合っていても一緒になれない関係はある。
お互いが進む道の違い、プライドもある。それは強がりじゃない。
自分にとって必要な人間が、一番愛する人だとは限らない。
この映画には、トムだけじゃなく、悪党にも警官にも‘男の美学’がちゃんとある。
一匹狼のトムの行動がきっかけで、街がひとつになるところもいい。
黒人グループであることを揶揄されてた気のいいヤツらが夢の切符を手にするのもニクイ。
今回は敢えて〈ラブストーリー〉にカテゴリー分けしたけど、
これは音楽映画であり、アクション映画でもある。
そして、まぎれもなく‘ウォルター・ヒル監督の’映画です!!!
全てのカットに無駄がなく、流れるようにあっという間の94分間はまさに彼の最高傑作!!!!
彼が撮りたかった【本当のロックン・ロール映画】がここにはあります。
その ロックのBEATは 三十年以上経っても熱さを増すばかりなのです。
寓話やから時代は設定されていなくても、ムーンウォークが流行っていたのは
間違いなくオレらが青春時代を過ごした80年代―。
本来なら憎まれ役のエレンのマネージャー・現恋人のビリー・フィッシュ(リック・モラニス)まで
自分なりの美学を持っているから、見ていて意外に嫌味な感じはない。
「俺は君の付き人になる男じゃない。
だが必要な時は―
俺がいる」
自分から去っても、愛する人が自分を必要とした時は必ず駆けつける―。
そして、命懸けで守る。
トム・コーディは永遠の憧れです。