ARLINGTON ROAD (1998)
これは 内容が衝撃的過ぎて問題になったのか?
本国のアメリカより日本で先に公開された珍しい作品。
たまに 話題作りのための世界最速公開とかはあるけど、そういうのとは意味合いが全く違う。
‘怪しげな隣人もの’はサスペンス映画の定番のひとつですが、
本作はそういうありがちなジャンルで括れるような作品じゃない。
そもそも序盤はそのジャンルすら分からないのが不気味。
まるでホラーのような雰囲気で始まりながら、やがて王道のサスペンス的な展開になりますが、
終盤はありがちなサスペンスの枠を超えた展開に突入していく!!
隣人を探ることにハマっていく主人公を名優ジェフ・ブリッジスがさすがの演技力で見せ切ります!
その怪しげな隣人を演じたティム・ロビンスは、パッと見愛嬌のある顔でもあるからなおさら恐ろしい!
このアカデミー賞俳優が がっぷり四つに組むのも大きな見どころ!!
テロリズムについて教鞭をとる主人公の隣人がテロリストかもしれないという恐怖。
キャラ設定やストーリーの組み立てに悪魔的ともいえる冴えをみせた脚本を書いた
アーレン・クルーガーは
最近は『トランスフォーマー』シリーズの脚本で金稼いでるみたいやけど、
まだ43歳という若さなんやから、このテの強烈なサスペンスをまた書いてもらいたいもの。
MTV出身のマーク・ペリントン監督のハッタリがかった演出も素晴らしいけど、
もう長いこと名前を聞かないのが淋しい。
最初映画館で観た時のラストの衝撃は15年以上経った今も鮮明に覚えてるし、
分かった上でDVDで観てもいまだに震えがくるような恐ろしさ。
本作はおそらく、同時多発テロ以降では製作は不可能だったと思われるような衝撃的な内容。
そういう意味では本作は二度と作ることができないような作品かもしれません。
「恐怖が消えない」というのは本当です。