【Leonessa Report 23-24】 皇后杯決勝 vs 浦和 (2024.01.27) | Football is coming home

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2024.01.27 @ヨドコウ桜スタジアム(観衆:2,625人)

 

【Photo】

 

【Result】

Urawa Reds 1-1(PK:5-6) INAC Kobe Leonessa

[R]OwnGoal('19)

[I]M. Takase('90+5=PK)

 

【Line Up】

1 A. Yamashita

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3 M. Doko

5 S. Miyake

4 A. Takeshige

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2 M. Moriya

6 Y. Matsubara('46 15 H. Ide)

13 H. Kitagawa

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10 Y. Narumiya

16 S. Amano('65 20 A. Kuwahara)

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24 H. Aikawa('46 11 M. Takase)

9 M. Tanaka

 

Sub : 21 M. Funada 、 30 A. Matsuki 、 7 M. Yamamoto 、 8 R. Masuya

 

Manager : J. Ferron

 

【Comment】

equipo!

120分間に及ぶ「激闘」となったちふれASエルフェン埼玉との準決勝を制し、決勝戦へと駒を進めたINAC。対する三菱重工浦和レッズレディースも、PK戦までもつれたサンフレッチェ広島レジーナとのシーソーゲームに勝利し、決勝まで勝ち上がってきた。
隣県の大阪で開催された試合だったが、雰囲気は完全にレッズのホーム。サポーターの人数が極端に多いわけではなかったが、それでも圧倒的な声量によって創り出される独特の空気感は、まさに「浦和ならでは」といったところ。
対するINACのサポーターも、普段よりは数が多かったように見て取れたが、それでもJクラブのレディースチームと同じように動員をかけるのは、やはり限界があるなと感じた次第である。ただ、数で劣る中でも、いつも応援席を盛り上げてくれるサポーターグループ「雷音」の皆さんの活動には、頭が下がる思いでいっぱいであることも、この機会に触れておくことにしたい。

実に、7年ぶりとなる皇后杯のタイトルを目指した決勝戦。その戦いは非常に厳しいタイトなもので、ボールを保持できない、前進できない、拾えないの「三重苦」に終始苛まれ続けることに。頼みのエース・田中美南は、レッズの高橋はなと石川璃音の両センターバックに封殺され、攻撃の生命線とも言える両翼も思うように持ち味を発揮できず。とりわけレッズのストロングポイントである遠藤優と清家貴子の縦ラインと対峙した北川ひかるは、サイドの主導権争いで後手を踏み、なかなか高い位置で仕事をすることができなかった。

失点シーンは、清家のクロスがディフレクトしたボールがそのままゴールに吸い込まれた不運なものであったが、それを差し引いてもまったく何もできなかった、というのが90分を通しての印象。そんな中、必殺仕事人・髙瀬愛実と、桑原藍というスパイシーなカードを切り、スクランブル体制を敷いたプロセスが実ったのは試合終了間際のこと。
まったく勝てる要素が見当たらなかった試合のラストプレーで巡ってきたPKのチャンスを髙瀬が冷静に沈め、土壇場で振り出しに。もはや運命の悪戯としか思えないような展開であったわけだが、あのプレッシャーのかかる場面でPKを任され、クールにサラリと決めてしまう髙瀬の強心臓ぶりには、ただただ感服したばかりである。

延長戦に入ると、両者にチャンスが訪れるスリリングな展開に。最大のハイライトは、延長後半のラストプレーで守屋都弥の高速クロスに北川が飛び込んだ場面だったわけだが、惜しくもネットを揺らすには至らず。
そこで劇的な形でストーリーを完結できればベストだったが、それはさておき。PK戦に突入した時点でなんとなく勝てそうな気がしていた。勝手な先入観ではあるが、PK戦は試合で劣勢だったほうが勝つケースが多い印象があるのと、何よりINACには絶対的な守護神・山下杏也加がいるから。
実際のところ、山下は相手の3人目・塩越柚歩のキックを見事にストップ。最終的に7人目までもつれたPK戦は、かつてINACのダイナモとして誰からも愛された伊藤美紀の失敗によって、勝敗が決することに。これもまた、サッカーの神様が仕向けた運命の悪戯だったのかもしれない。

チームとしての総合力は、安藤梢と猶本光の主力2選手を欠いた中でも、普段と変わらないクオリティを発揮したレッズのほうが遥かに上だったが、それでも試合はINACが勝った。
これぞカップ戦。これぞフットボール。サッカーは本当に面白いスポーツである。
筆者は2011年の「なでしこフィーバー」をきっかけに、長らくこのチームの動向を追ってきたが、タイトル獲得の瞬間に立ち会えたのは、今回が初めてのことだった。金色のテープが舞う中、喜びの表情を見せる選手たちの姿を目にして、こちらも悦ばしい気持ちになったのは言うまでもない。
昨年末のヴィッセルに続き(【Vissel Report 2023】 第33節 名古屋 (2023.11.25) | Football is coming home (ameblo.jp))、再び神戸が優勝。非常に誇らしく、そして清々しい。
次なるターゲットは、WEリーグのタイトルを手にすること。この先、男子も女子も神戸が勝ち続ける時代が長く続くことを期待したい。