2019年のラグビーワールドカップ日本大会では、娘と2試合、妻と2試合を観戦し、いずれも勝利を味わえました。

 その時に、すっかり妻は次のフランス大会も見たいという気持ちになっていたようで、銀婚式の記念にフランスに行かないかと提案したところ、二つ返事でOKしてくれました。

 新婚旅行は、私がその頃にあこがれていた東北旅行だったので、初めての二人での海外旅行です。

 妻は腰の状態があまり良くないので、飛行機の座席はビジネスクラスにグレードアップし、あれこれ事前に準備をしましたが、ハンディタイプのシャワートイレとポケトークが結果的にもっとも役に立ちました。

 羽田から14時間近くも飛行機に乗っているのはとても苦痛でしたが、ビジネスクラスだと足を延ばせて横になれるので、64歳の私も往復ともになんとか辛抱できた次第です。


  パリについた9月7日のお昼からは、ガイドさんとともにベルサイユ宮殿へ。

太陽王と呼ばれたブルボン王朝の3代目ルイ14世

が築いた輝くお城と広大な庭園に圧倒されます。

 

 ガイドの方は、当地で数十年暮らしている私より少し先輩の日本男性で、お顔が似ているわけではないのですが、身のこなしが俳優の長谷川博己のような雰囲気の方でした。

 ベルサイユ宮殿に魅されてパリに住んだそうで、質問を投げると嬉しそうに詳細を語っていただけました。パリで永年暮らすと、イカした爺さんになれそうです。

 

 夕方は、近くの新凱旋門まで妻と散歩しました。私たちのホテルはメトロ1号線のEsplanade dela Défense(ラ・デファンス=グランダルシュ)駅の近くにあり、新凱旋門は、大阪の空中庭園のビルを白く大きくした感じのものですが、ロケーションが良く、隣の駅で西の端La Défense(ラ・デファンス)に位置しています。

 

 

 ここフランスでも、今夏は記録的な暑さで、通勤帰りの時間帯だったのですが、皆さんとてもラフなスタイルで、そこがまたカッコよかったです。

 特に、女性の方たちは全く人の目を気にしないようで、日本ではありえないような超薄着でした。すれ違った時に思わず妻と顔を見合わせてしまうほどでした。

 また、日本でも今夏の7月から公道で乗れるようになった電動キックボードが当たり前のように乗られていて、なかにはハンドルなしのセグウェイに乗っているサラリーマン風の人も見かけました。

 翌8日は、ラグビーの試合開始が夜の9時15分なので、昼間はメトロに乗ってパリの観光名所を巡りました。

 ルーブル美術館は、事前予約しないと相当並ぶとのうわさがあったので、オルセー美術館へ会館前に向かうと、意外と短い列だったので、すぐに入れました。

 名だたる名画や彫刻が手の届く距離にあり、写真撮影もほとんど制約がありませんでした。日本国内の美術館の、あの厳重な警備システムは、国の成り立ちや人間の在り方、美術や文化との関係だけでなく、古代中国の孟子と荀子の性善説・性悪説の哲学を思い起こさせるほどの違いを感じました。

フランス人はアバウトなのか大人なのか・・・。私には芸術との関わりが、日本に住む人々、特に大阪の為政者があまりに子供っぽく感じました。

 その後は、カフェで休憩し、凱旋門を観にシャルル・ド・ゴール・エトワール駅へ、

エッフェル塔はトロカデロで降りてトロカデロ広場へ向かったのでした。

 

 夕方ホテルに戻り、バスでスタッド・ド・フランスへ、道は大渋滞で高速道路の降り口をバスの運転手が一つ飛ばすというトラブルもあり、スタジアムへ到着しました。

 現地では、夜の8時ころまで明るいので、少し時間感覚が狂うのですが、グラウンドにエッフェル塔が出現する開幕セレモニーの後、いよいよ開幕戦の「フランス vs NZ」が21:15 にはじまりました。

 開催地国の名誉にかけて負けられないフランスと、ラグビー王国の名誉にかけてプール戦不敗のNZの戦い、スタジアムを嵐のように駆け巡る声援がフランス勝利の力になったことは現地にいる人にしかわからない、その場の空気であり、真実だと思います。

 スタジアム周辺のマシンガンを持ったポリスの警備が、当初異様に感じましたが、フランスが27対13で勝利となったおかげか、トラブルもなく陽気なフランス人達が嬉しそうに歌う開幕戦でした。逆に、NZが1次リーグプール戦で敗れるのは、大会史上、初めてです。

 これで火が付き、NZが優勝するのではと思うのは、私だけでしょうか?