昨年、日本酒ピンバッジ倶楽部で応援させていただいた、「御前酒」辻本店の辻総一郎さんから5月にメールをいただき、鳥取県の千代むすびの岡空 聡さんがピンバッチの作成にご興味をお持ちですのでご紹介しますとの事でした。

 

 千代むすび酒造さんのある鳥取県境港には、2020年11月に訪れています。

 

コロナウィルスと農業、お米・ピンバッジ (その2) | pins-kのブログ (ameblo.jp)

 

 秋風の中、夜の境港駅は人気もなく、水木先生像を見ていると鬼太郎列車が入ってきたりと、ひとりで散歩するのが怖いくらいでした。

 

 その後、千代むすび酒造さんのS課長に紹介頂いた居酒屋さんを訪ね紅ズワイガニ、泥エビ、オニエビを肴に純米強力60を呑みました。

美味い肴に旨い酒、幸せな時間です。

 

 翌日、千代むすび酒造さんに伺い、お酒を買って帰ったのですが、当時のブログには「社長さん!日本酒ラベルのピンバッジ、作ってください!」と、私の願いを当時のブログの中で叫んでいました。

 

 あれから3年が過ぎ、そんな叫びが届いたのか、今回は岡空 聡さんのご要望で「純米吟醸 強力50」、「SORAH」のボトルタイプピンバッジができました。

「純米吟醸 強力50」

戦前に鳥取県の奨励品種であった幻の酒造好適米「強力」を復活し、50%まで磨いた純米吟醸酒です。

 お米の旨味と酸味が特徴的なお酒。根強いファンも多い人気商品で、華やかな香りに、なめらかなお米の旨味と酸味が心地良い余韻となり、ふくよかな味わいが広がる千代むすびさんの代表作といえるお酒です。

 酒造好適米「強力(ごうりき)」は、1891年(明治24年)鳥取県大山町の渡邊信平さんが他府県より稲種21種を購入し試作を始め、選抜培養を重ねました。

 そのなかで優良品種が選ばれ、「強力」の名前を付けたことが始まりとされています。

 

 鎌倉時代末に討幕を企て元弘の変で敗れた後醍醐天皇は、1332年(正慶元年)に隠岐に流されましたが、その頃の逸話で、鳥取県東伯郡琴浦町高岡周辺の高力氏は、先祖が岩を持ち上げて湧水を発見したとして後醍醐天皇に「強力」を創賜され、それが現在では「高力」となったそうです。おそらく、天皇が隠岐からの脱出の際の逸話と推察しますが、後醍醐天皇所縁の名前「強力」を由来とする酒造好適米、とても興味深いですね。

 

 しかしながら、強力米は1955年(昭和30年)に背丈が高く育てにくい事などから栽培が途絶えます。

 その後、幻となった「強力」を復活させ鳥取にしかない地酒を造ろうとの思いから、1986年(昭和61年)鳥取大学農学部で原種保存されていた一握りの「強力」にたどり着き、酒が仕込めるまでの収穫量に増やす努力を経て、1989年(平成元年)その醸造が復活しました。

 1998年(平成10年)には、「強力」の種苗やブランドを保護するための会「強力をはぐくむ会」が設立され、酒蔵会社、農家、大学、酒販店等が一緒に強力の栽培から酒造りまでを行い、鳥取の地酒ブランドとして、現在では9蔵が「強力」を使った酒造りを行っています。

 

「SORAH」

 SORAHには「美しいオーロラ」「朝焼けの星」という意味があり、JAPAN’S PREMIUM SPARKLING SAKE「CHIYOMUSUBI SORAH」はそんな澄み切った幻想的で美しいイメージを思わせるお酒を目指してつくらた新しいタイプの発泡性のスパークリング清酒です。

 

 和製シャンパンにふさわしい味わい、発酵途中のもろみを瓶詰めして、再度瓶の中で発酵させる「瓶内2次発酵」を採用し、従来の一般的な瓶内2次発酵の清酒と違い、特殊な製法により、濁った部分がない、透明なお酒、和製シャンパンにふさわしい味わいです。

 

 また、日本で、そして世界で通用するスパークリング清酒の普及を目的として設立された「一般社団法人awa酒協会」の公式認定商品です。

 

 今回、私たち倶楽部が、お作りした日本酒ピンバッジの評判が良かったようで、現在では自社ブランドのジンのピンバッジを海外向けにお作りになっているようです。

 

出典、参考文献・HP

千代むすび酒造HP

鳥取県商工労働部兼 農林水産部市場開拓局 HP

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