関西人になじみのない都道府県といへば、北関東の三県、群馬・栃木・茨城ではないでしょうか。人によっては位置関係も曖昧だとおもいますし、関東の方から南東北だと言われるのを聞いたことがあります。

 多くの関西人からすると、関東のイメージは東京が中心にあり、北に埼玉、東に千葉、西に神奈川があり、東京は全て23区内のイメージで、埼玉は新都心や大宮、千葉はディズニーランドと成田空港か船橋あたり、神奈川は横浜でしょうか。

 しかし私は、転勤し関東に住んでみて働いてみると、西東京や大宮の北、千葉の房総や神奈川の西の丹沢山系など関東平野は広大で、東京に隣接する三つの県でさえ、県庁所在地を離れると緑の林や田畑があり、青空を望めるいい所でした。

 そのさらに北にある北関東三県は、広々とした処で私のお気に入りの地でした。埼玉県の北に位置する、西から群馬・栃木・茨城と続く三県は、浅間山・榛名山・赤城山・日光・筑波山があり、家族で、草津温泉・那須高原・霞ケ浦と訪れたものです。

 

 なかでも、茨城県は大好きな所でした。

 関東では、埼玉県所沢市に住んでいたのですが、仕事で満員電車に乗り、都内の本社や取引先へ行くときよりも、車で直行し関越道や外環道、常磐道を通り、守谷PAか友部PAで一服してから北茨城へ行く日は、とても楽しいものでした。

 現場で地元の職人の親父さんたちと話すと、皆さん早口で「ごじゃっぺ」という言葉がたくさん出てきて「???」となり、大いに笑われたのが今でも思い出されます。

 特に、厳つい風貌なのですが、どこか人懐っこい中に相手の心に突き刺さるような話し方をされる方がいて、茨城人のこの感じが「いいなぁ。」と思っていました。

 

 また、食べ物も美味しい物がたくさんありました。

 秋になると「常陸秋そば」の幟が出ている美味しいお蕎麦屋さんを探したものです。中でも県庁近くのけんちん蕎麦は具だくさんで旨かったですね。干し芋も大好物で、農家さんへ直接買いに行っていました。私は、平干しよりも丸干しが食べ応えがあり、大好物の一つです。

 焼き物にも良い物が多く、お隣りの栃木の益子焼が全国的に有名ですが、茨城の笠間焼も素敵で、「陶炎祭」は、焼き物好きな妻と何度か訪れ、毎年の楽しみの一つでした。私の日本酒用のぐい呑みいくつかは、ここで購入したもです。

 

 前置きが長くなりましたが、今回は、私の好きな茨城県は結城市にある酒蔵、400年の歴史をもつ結城酒造さんの浦里美智子さんからご依頼をいただき、ピンバッジが出来ました。

 

 

 蔵に嫁いだ浦里美智子さんは酒造りに魅せられ、茨城県工業技術センターで酒造研修をした後、醸造責任者となり、2019年には、常盤杜氏の認定を受けられています。

 結城酒造さんは1855年(安政元年)創業、主要銘柄は富久福(ふくふく)、結ゆい(むすびゆい)で、ピンバッジになった「結ゆい」のラベルは、結城紬の「糸」の輪の中に、おめでたい「吉」が入るという文字デザインで、結城市の書家、 三木翠耿氏によるものだそうです。美味しいお酒で、人と人、人と酒、人と町(結城)を結ぶ「町おこし」をしたいという願いが込められているとの事です。

 

 

 結城酒造さんの酒造りのこだわりは、仕込み水には、清らかでやわらかな鬼怒川水系の伏流水を使用し、種麹と酵母を茨城産に限っていること、朝寒く、乾燥しやすい気候を生かした「寒仕込み」で酒造り、米は造る酒の種類によって各地の良い品種から厳選していますが、綺麗で味の雰囲気も良くて、とにかく美味しい、自分が造りたかったお酒と寸分違わない味を造れた酒造好適米「雄町」にこだわっているそうです。

 浦里美智子さんが初めて仕込みを担当した翌年の平成25BY(醸造年度:平成25年7月1日~平成26年6月30日)の「結ゆい」が雄町サミットで優秀賞を獲得し、以降の連続受賞がそれをあらわしているようですね。

 

出典、参考文献・HP

結城酒造HP

SAKE Street HP

酒蔵プレス HP

BEST T!MES HP

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