ワインバーPINCOPALLINOは、
この度無期限で東日本大震災の被災地への義援金づくりの対象として
『L'INSIEME』8種を今週木曜から順次皆様に紹介することに決めました。
これらの収益全額を無期限で東日本大震災の被災地へ送金することにしました。
『L'INSIEME』
なぜ、私がこのワインを選んだかお話をしましょう。
『リンシエーメ』この名前は、ワインの名前であり、エリオ・アルターレ氏が率いる仲間たち、勇士の参加でできたアソシエーションの名前です。
このワインの成り立ちは、彼らがその土地に根ざした土着葡萄を醸造する傍らで、ピノノワールやカベルネなどを実験的に育ててきました。
それは、どの造り手でも挑戦するよくある話です。
ただその葡萄でワインを造ってみたいけれど、それほど量もない、また自分の今目指している道から結局少しずれてしまったりする事になるので、遊び感覚で自由に表現をしたい。そういった感じで、ボトリングをしようと考えていた時、仲間に相談をしたそうです。
すると、同じように仲間もそのように考えている少量の葡萄があると。
では、遊び感覚で造るかわりに何か人の為になることをしたいじゃないか。
仲間の考えることは、また同じ答えでした。
それぞれが好きなワインを造り販売をする。そしてそれぞれの収益をあわせて、その年にお互いが相談して決めた目的地へ寄付をする。
そのような活動が1997年のワインのリリースされる2000年からスタートしました。
自分達が仕事上で挑戦するだけでなく、社会的に非力な人達にも自分達と同じように彼らの世界で挑戦するチャンスを持って欲しい。もし経済的な援助で少し世界が変わるなら、それは自分のやるべきことなのだと思ったそうです。
すでに過去10年の活動が彼らのホームページに記録されています。
それぞれ1ボトルあたり平均5ユーロの寄付を続けた結果をみてください。
その企画の今年分が、なんと日本の東日本大震災宛に送金されることを計画してくれたのです。
私はその喜ばしい報告を今回イタリアに行った際、聞かされました。
別れ際、涙がとまらなくなったことは言うまでもありません。
エリオ・アルターレ氏は、ピンパリではお馴染みですね!
2度来店してくれているのでお会いになった方も多いと思います。私の大好きなイタリアの父です。
今、彼のところに従業員でテス君という韓国籍の日本人が働いています。彼とその奥さんが第一声をかけてくれたそうです。
現在L'INSIEMEのメンバーは、8名=8銘柄のL'INSIEMEラベルの違うワインが同年にリリースされています。
人数は増えたり減ったりしていますが、2011年4月の時点で8名です。
・ELIO ALTARE
・MAURO VEGLIO
・GIANFRANCO ALESSANDRIA
・GIUSEPPE CAVIOLA
・FEDERICO GRASSO
・CARLO&LORENZO REVELLO
・GIULIO&PAOLO MORANDO
・GIULIANO CORINO
すでに彼らが、チャリティーワインとして蔵出しの時点で寄付金を貯めてくれていますが、あえてこの世にこのような意志込めて生み出されたワインを更にここでもっと力を発揮してもらいたいと思いました。
実は、いまだ全てのワインが日本に輸入されているわけではありません。
なので取り寄せて販売する事になるので、私の財力の加減でゆっくりしか買えないとおもいますが、空輸してもらいながら皆さんに紹介したいと思っています。
ロングランな企画です。焦る必要はないと思っています。
地震が起きてもうすぐ二ヵ月、私にできることを考えていました。
途中イタリアに行ったりしたので、店に募金箱を放置するならば最初からやらないほうがよいと思いました。
町中が募金箱だらけで、せめてでもここでは見たくないだろうと思いました。
いつも事あるたびに設置していただけに、お客様を困惑させてしまったことも反省しています。
私とL'INSIEMEとの出会いは彼らの7本のワインの初リリース時に遡ります。
チャリティー目的で造られたこのワインの存在を知り、感動と共に一時帰国の際、全7種バックパックに入れて持って帰って来ました。
当初、全く面識もないポンテベッキオの山根さんと植田さんに、奈良の実家近くの酒屋のツテでこのワインの考え方が偉大だから紹介してくださいと無理を言ったことを覚えています。
集まってくれたのは、ポンテベッキオのお2人とソムリエスタッフとクロド・ミヤンの宮永さん、ジュンジーノの八島さん、今の苦楽園の浅井卓司さんがいてくれたことを覚えています。
あれから、10年経った現在、未だ全てのL'NSIEMEは輸入に至らないけれど、(それは造り手によって輸入会社が違うので仕方のないことだと思いますので、特に何も悪い風には思っていません。)
こんな素晴らしい意志により生まれたワインをいつまでもバラバラにしておきたくありません。
そう考えていたのは、ずっと前からですが、本当に今回はバラバラなL'INSIEMEを見ておきたくありませんでした。
誰かがいつか集めてくれるだろうと、思ってきたけれど、他人まかせではやはり物事は動かないものですね。
今日本を応援してくれているあの人達の意志を繋ぐのは、やはり私の役目なのだと思いました。
10年前の若い感覚が自然によみがえります。
今、ワインバーを開いて、ワインを売っていますが、私の仕事は本来、この世に造り手が生んだものをいかにありのままの姿で紹介できるかどうかなのです。
このワインの収益全額を寄付ということに決めたのは、イタリアの彼らに対する感謝の気持ちと共に自分を新たに奮い立たせることであり、東日本でやむをえず閉店を余儀なくされてしまった各飲食店の方々の無念を背負って仕事をさせていただきたいという私なりの挑戦でもあります。
『L'INSIEME』は、『皆で一緒に』や『ひとつにあわせて』という意味を持っています。
今、ここで全てをひとつにしたい。あなたとともに。
追記)L'NSIEMEとのつながりに運命感じちゃってます(笑)よろしく!