元・BORC DODONの造り手、DENIS MONTANARさんが大阪に来られた。
パシフィックの土生さんから、前日電話があったので「知ってますよ~。」ちゃんと手帳に書いて予定に入れてると伝えたら、話の最後に「造り手も東京に日帰りするので、早めにきてくださいね~。」と、おおっとそれを言いたかったのか。偉いなこの人(笑)
3時過ぎに現地である堺筋クラブに向かった。
いつ来ても素敵な建物である。
一度、ここの2階にある金庫室でお忍びデートでもしてみたいものだ。(ここは、元銀行なのです!)
この造り手さんのファンはお客様の中でも数人いらっしゃるので、今回の試飲会は外せなかった。
多少、写真やビデオを拝見させていただいたが、先日のFRANK CORNELISSENと違いステンレスタンクなどで発酵を行っているのもわかった。ただ、ものによって開放発酵槽を使っていたりするようで、造り方がそれぞれのワインで全然違っているのも面白かった。
今回、白はTOCAI06'もUis Blancis06'が出ていた。
明らかにスタイルが違う二つだが、どちらも他にない彼の独特の味で、目隠しされてもすぐ見つけ出せそうなものだ。彼のワインにはなぜかいつも、松脂のような香ばしくかつ、涼しげな香りがあるのはどうしてだろう?ゆっくりワイナリー見学でもさせてもらえば何か答えが出るかもしれない。
私は彼の白が好きだ。赤より完成度が高いと思う。
涼しげなインパクトと芳醇な果実のまとまりのある香がカッコイイ。単一TOCAIの方が素直で好きだ。
Uis Blancisは、4種の葡萄を同時に混ぜた状態で醸すらしい。そのせいかどこか少し出っ張りを感じてしまう。
ただ、ここは試飲会場なのでワインも落ち着いていないし、若いからまだまだわからない。
赤については、Uis NERIS03'とREFOSCO dal PEDUNCOLO ROSSO03'を試飲した。
Uis NERIS03'については、目を閉じると上品なイチゴジャムかと思うほど愛らしい香をしていてびっくりした。
味覚的にはそれを裏切る感じでよいのだが、なんとなくそのボリュームのある香から少し地味でこのギャップにすこし考えさせられた。
状態はよいのだがやはりもう少し日にちを置かなくては判りえないのかもしれない。
REFOSCOについては、皆飲み進んでいってるようだったけれどブショネだった。地味なブショネで香りより余韻にしか出ていなかったけれど、丁度ボトルが私のところで終わり(みんな、気付かへんのはあかんで!)二本目を頂いたら、香りも落ち着きのある土臭さがでていて出始めから生き生きしていた。
ただ、どちらにしてもセメダイン臭があり、それがアルコールが高いワインにありがちなセメダイン臭ではない。これはラディコンワインに私が苦しめられる香と同じだ。私としては、これがあると店で接客に使う自信が一気に喪失する。
誰がこれがそういうものだと教えてくれても、私の中で食す時に感じるには不適切な香と思ってしまって、その造り手の薀蓄を語れても、それを売る自信をなくしてしまう。それは、私が経験不足なのかも知れないけれど、その一杯を求めておられるお客様のグラスに入れて、あとは蓋をしめて自分からは売ったりできない。悲しいけれど。売るのが怖くなって、カウンターの内側にしまいこんでしまう。
その香の強さにボトル差があるということは、恐らくボトルの中でそれぞれで進んでいることなのだろう。
そのワインの造りについて説明できても、香りについて説明しきれないし、飲み手を納得させる自信がない。それは自分が納得していないからなのだろう。
ただ、ファンは多い。
そこは、大切なところだ。
私がどう感じようと、地球は回ってるといったところだ。
そんな感じで、彼のワインはまだまだこの先機会があれば様子を伺っていきたい物のひとつだ。
ワインのことについて少しだけ話して、彼とはなぜかずっとフリウリ地方のパンの話をしていた。
熱い人は聞いていたがほんまやね。。。話、とまらへん。
店で流す用に彼のワインの完成までのビデオを送ってあげるよと名刺をくれたので、メールをしてみよう。
到着したら、お客さんたちと一緒に観たいな。