3日程前に、ふとタイガース優勝の時に川に飛び込み前科一犯になってしまった友人のことを天満橋からあまりキレイでない堂島川を覗きながら思い出していた。
思い出すと人は目の前に現れたりするもので、不思議な事に、いや案の定、彼も1年以上間をあけていたのにもかかわらず、今日私の前に現れた。
フリーのカメラマンをしている彼の左の薬指には指輪が光っていた。
「どーなん?最近は?」とにやにや指輪を指差しながら私は尋ねた。
アーティスト系の友達にはこちらから仕事の近況を聞くのをためらわれる。けれども、やっぱりセンスのある人なのだろう。どんどん活躍している様子だった。心斎橋のあちこちで彼の撮った写真は大きな看板になっているらしい。すごいじゃん。そして先月婚約もしたと聞かされた。
i-phoneに入れられた彼の作品を見せてもらうと、そこにはカップルの結婚の盛装の写真があり、私の近況を聞いて「結婚する時には撮ってあげるよ」と言ってくれた。
そう言われましてもね~(^_^;)
結婚、結婚と話をする人が多いけれど、私の店でも出逢いを求めてくる人もいて、上手くいく人やら色々いるけれど、実際私はいざ一緒に暮らしてもいいな~と思うまともな彼氏に巡り合っても、現実を目の前にすると結婚をしたいとはそんなに思っていないことに気づく。だってうちの家族と向き合うだけでも疲れるのに、よその家族の前で粘り強くいれるかというと、どうでしょう?それに私水商売だし。この仕事を肉親にも理解してもらうのに3年かかってるのに、どうやってよその家族口説けるだろう?そんなことを強いられる日がきたら、人生のクジ運だけ良い事を祈ろう。価値観の相違で争いながら生きていくのは嫌だからね。
そんなわけで、3年かかってようやく両親が揃って私の仕事を理解してくれた。
先週の土曜、ご飯を食べに来てくれた。お祝儀袋を持って。
「それは、いらんやろ~(笑)」
「あんた、がんばってるし。受け取ってよ。」
「え~(笑)ほんだら、遠慮なくもらうで~。」
ということで、親からお祝儀を頂いた。非常におかしい話であるが、これで実際の冷戦は終了したというわけである。と理解する。
「で、結婚はいつしてくれるの?」
きたか、その話題・・・。
「さぁ。」
不機嫌になった私。
「そんなに何事も上手くはいかんで。そっとしといて。」
そんな私になぜかイタリアのオートクチュールウエディングドレスの輸入業をしている社長さんのお友達ができた。夏にドレスを見せてもらったあと、素敵なウエディングドレスの専門誌まで頂いた。
「このデザイナーさんのドレスを美加ちゃんになら安くつくってあげるわよ。」
きれいな雑誌なので一ヶ月ほど時間があれば見ていたが、それも飽きてしまった。
次の日曜日、またまたちょっと知り合いの人の結婚式に出かける。
それを見たら結婚したくなるだろうか?
多分私は、少女のようにいつも恋をしている方がいいと思う。
可愛いドレスを着てみんなにおめでとうと言われてみたいが、死ぬまで彼氏のことを尊敬する王子様と思っていつも目をキラキラさせていたいと正直本気で思う。
一緒に毎日旦那さんと暮らしているのに白髪も染めないで、口ひげ生やして旦那さんの愚痴を言っていたり、外で女と遊びほうけている旦那の生活にも気づかずお金の計算ばかりしている枯渇した先輩方を見ると結婚は私にとっては恐怖なのだ。
どんなに手に豆ができても「独身」という空中ブランコから手が離せない私。