こんにちは!ぴのです。

 

作日は、若いご夫婦が小さいお子さんを連れて遊びにいらっしゃいました。

 

皆で箱庭を作って遊びました。

 

箱庭、本当に面白い!

 

 

箱庭療法は心理療法の一種です。

セラピストが見守る中でクライエントが、砂の入った箱の中に自由におもちゃを入れていきます。

 

箱庭療法は、カウンセリングルームという守られた空間で、

セラピストに見守られながら、

箱の中に1つの物語を作ります。

 

箱庭の枠も一つの守りとなります。

 

何重にも守られた空間の中でこそ、

安心して自由に自己表現ができるようになります。

 

自己表現することに、

治療効果があるとされます。

 

砂には退行効果があり

触れると子供の頃の砂遊びを思い出し、童心に戻った感覚が蘇ります。

 

砂に触れるだけでリラックス効果があり、

安心して気持ちが軽くなることがあるといわれます。

 

セラピストに見守られる関係は、母子関係の母親に包まれる体験と似て、安心感が得られます。

 

不思議なことに、おもちゃを置き始めると、勝手に手が動きだします。

 

砂をよけると青く塗られた面が現れ、水のある川や池になります。

 

ここには橋をかけよう

 

川には小さい魚がいるな・・・

 

棚にある「私はここよ」と主張している人形に手が伸びます。

 

なぜかわからないけど、自分の意識を超えた動きや感覚が生まれてきます。

 

どんどんメージが広がっていきます。

 

無意識にあるものが意識化され、思いもかけない作品が出来上がります。

 

言葉にならない、もやもやした気持ちや自分でも気づいていなかったものが目の前に現れます。

 

無意識に押しやってものが、イメージとして箱庭に表れます。

 

無意識にあるものは言語化するのが難しく、イメージを通して扱った方が表現しやすいともいわれます。

 

そして自分の内面に向き合うことで自己理解が進み、人格的成長を促す効果が箱庭療法にはあるといわれます。

 

1回でも効果があるといわれますが、連続して作っていくことでより効果があるといわれています。

 

箱庭療法の歴史は古く、

1,929年にイギリスの小児科医により世界技法が作られました。

 

その後、スイス人の心理学者がユング心理学を基盤として「砂遊び療法」として確立しました。

 

日本では、1965年から京都大学の河合隼雄先生が紹介し、

現在では、病院・学校等の心理相談室、少年鑑別所など色々な機関で使用されています。

 

 

私は、河合隼雄氏に師事を受けたユング派の臨床心理士のもとで初めて箱庭を体験し、その魅力にはまってしまいました。

 

いつか自分のセラピールームで箱庭療法をやりたいと、長い間おもちゃを集め続けました。

 

箱庭療法は、欧米と比較して非言語的表現の多い日本の文化に適しているといわれます。

 

日本には、伝統的にお盆の上に石を置き、風景を作る盆石や、盆山・盆景などがあり、古くから箱庭で遊ぶ文化があったので、箱庭療法はピッタリはまったのでしょうね。

 

世界的に日本ほど、箱庭療法が急速かつ、広範に普及した例はないといわれています。

 

日本から中国・韓国などに広まっていったようです。

 

箱庭療法はもともと、主に子ども用のセラピーとして使用されていました。

 

それは、子供や思春期の人は複雑な自分の気持ちを言葉で表すのが苦手で、

遊びや象徴的な表現の中で、自己表現をする方がしっくりする人も多く、

言葉に頼らない、非言語的な手法による治療が効果的であると考えられていました。

 

今では幅広い年齢層、精神障害を持つ人たちにも有効であるとされています。

ただ、統合失調症やうつ症状が重いときは、イメージが活性化されやすいので負担が大きいといわれています。

 

対話を通してのカウンセリングがしっくりいかない方は、試してみてください。

 

最期までお読みくださり、ありがとうございます。

 

雪の降る寒い朝ですが、良い一日をお過ごしください。