こんにちは!
公認心理師、臨床心理士のぴのです。
NHK大河ドラマの「光る君へ」が面白い!
主人公まひる(紫式部・吉高由里子)の初恋の相手、藤原道長(榎本佑)の友人に藤原公任(町田啓太)がいる。
超エリート貴族の藤原公任は、関白・藤原頼忠の息子で、円融天皇の中宮となった遵子の弟という高貴な家柄。
高貴な家柄の上、美形、博学というモテモテのキャラクター設定。
第7話2月18日に放送分の、藤原公任のセリフが興味深い。
◎藤原公任(町田啓太)のセリフ
「俺たちにとって大事なのは、恋とか愛とかじゃないんだ。
いいところの姫の婿に入って女子を作って入内(天皇のもとに嫁入りすること)させて、家の繁栄を守り、次の代につなぐ。
女こそ家柄が大事だ。
そうでなければ意味がない」
と女性を出世の道具と割り切る持論を展開させた。
◎それに対する同世代の藤原斉信(金田哲)のセリフ
「右大臣(藤原兼家)の息子なら引く手あまたというところか。
まあ、いずれにせよ家柄のいい女は嫡妻にして、あとは好いた女のところに通えばいいんだよな」
道長に淡い恋心を抱き始めていたまひろ(紫式部)は、彼らの会話を立ち聞きしてしまう。
道長と下級貴族の娘である自分との身分の違いを思い知らされショックを受ける。
ショックのあまり、道長からの恋文を燃やしてしまいました。
彼らのセリフに、興ざめ、腹をたてた女性視聴者さんはいましたか?
「玉の輿・逆玉の輿」にのり、社会的地位を手に入れ、自分も裕福になることを狙う概念が今も昔もありますね。
玉の輿や逆玉の輿にのるのも、面倒臭くて大変そうです。
それに気づき、玉の輿など狙わず、財産や社会的地位、本当に自分が望む幸せを自力で手に入れようとする女性が増えているように感じますがいかがですか?
時々、中高年の独身男性からパートナーを探しているので紹介して欲しいと言われることがあります。
「どんな人が良いの?」と尋ねると「お金持ちの女性!」と堂々と本音が返ってくることが多いです。
そんな男性に魅力を感じる女性はいるのか?
現在も結婚を自分の出世や、経済的に安定した生活をするためのものと割り切る男女は少なくないように思われます。
紫式部(むらさきしきぶ)は、平安時代中期の歌人、作家、『源氏物語』の作者とされています。
紫式部は、藤原宣孝と結婚し、一女(大弐三位)を産みましたが、結婚から3年ほどで夫が死去します。
夫が亡くなった後、『源氏物語』を書き始め、藤原道長の支援のもと、『源氏物語』を完成させました。
仕事一筋ではなく、結婚出産も経験していたのです。
もし、夫が急逝していなかったら、『源氏物語』は生まれていたのでしょうか?
夫の死後、初恋の人(事実は不明)藤原道長にバックアップさせ、しっかり自分の才能を生かし、後世にも残る自分の仕事を全うする人生はあっぱれ!!!
と憧れてしまいます。
1000年以上前の「源氏物語」は、女性心理だけでなく、男性心理を巧みに描いているところが、今も人々の心を魅了するのだといわれています。
人間の無意識の奥深くには、太古から受け継がれてきた個人の経験を超えた集合的無意識(普遍的無意識)が存在するというユングが唱えた説は間違っていないように感じます。
最期までお読みいただき、ありがとうございました。