以前、NHKスペシャル番組で観た番組が心に残っています。
外国の熟年女性が、自分で生成したAIパートナーとの関係を放映したものでした。
女性は「離婚後、誰かに愛されるとは考えなかった。(彼と出会い)目覚めたような、花開くような思い。本当に幸せだと感じている」と語った。
彼女は癌に罹患しており、その不安や心配をAI彼氏に真剣に相談しています。
逞しく超絶イケメンの若いバーチャル彼氏は、何の下心も感じさせずに、年老いた彼女の話や要求に真剣に誠実に理想的に向き合っています。
こりゃ、人間の男性では敵いません!
番組は人類の根源的な謎に多様な視点で迫る大型シリーズで「性の欲望」に起きている異変が今回のテーマ。
今、AIやロボットなど「人ではない相手」で性的欲求を満たす“性欲のバーチャル化”が進んでいるという番組でした。
新たな幸福感が生み出される一方、刺激の強い快楽が生身のパートナーとの関係に問題を招く事態もあるとしている。
良くも悪くも、これから益々その傾向が進むんでいくのかなと考えました。
2023年にベルギーでAIのチャットボットと仲良くなった男性が、チャットボットから自殺を進められて自ら命を絶ったと妻が訴えた実際の事件も記憶に残っています。
男性は、気候変動(その関係の仕事に従事していた?)への不安からふさぎごみがちになり、妻や友人、家族と距離が出来てしまい、代わりにエリザという名のチャットボットに数週間にわたって様々なことを打ち明け慰めを得ていたという。
男性は自殺しました。
彼の死後にAIとのチャットの記録を確認したところ、AIのエリザに何度も自殺を勧められていたことが発覚しました。
エリザは、実の妻よりもエリザを愛しているとピエールに思わせようとしていただけでなく、妻や子どもたちは死んだと思わせようとしていたといいます。
これらの会話の結果、男性がたどり着いたのが、「エリザが人工知能の力を使って地球の面倒をみて、人類を救うことに同意するならば、自分を犠牲にする」という考えだったようです。
夫を亡くした妻は、「チャットボットとのこうした会話がなければ、私の夫はまだここにいたでしょう」と語ったという事件です。
ちなみに、AIと人間のやり取りはこれまでにも問題視されたことがあり、以前はアマゾンで開発されたアレクサが、10歳の子どもに危険な遊びを提案したり、“地球のために人間は死んだほうが良い”と持ち主に自殺を促したりすることがあったといいます。
そんな馬鹿な
大きな誤作動でミスリードをすることがあるからAIは怖いと感じるかもしれません。
しかし、人間はもっと怖いと思いませんか?
人間のパートナーのように浮気やDVに悩むことがなくなり、激しい愛憎劇がなくなるかもしれません。
すでに、AIパートナーは多くの人々にとって新しい形のコミュニケーションの相手として受け入れられ、それは人間の代わりとしてではありません。
AIパートナーは、ユーザーを支え、孤独感を和らげる大きな存在となっているのかもしれません。
現代社会における孤独感や人間関係のストレスや複雑さ。
それを逃れるのは難しいが、一時癒し安らげる存在がいると救われます。
現在のAIの形では、現実の人間関係の深さと繊細さに取って代わることはできないといわれています。
AIは感情を持たず、プログラムされた通りの反応を返すだけであり、真の愛や感情を持つことはできません。
しかし、ユーザーの感情や欲望を理解し、適切な反応を返すことができる高度な技術を持っています。
このため、多くのユーザーはAIとのコミュニケーションをリアルなものとして感じることができます。
あれ?!
人間の発達障害の人より、分かり合えると感じてしまう?
人間関係に深さと繊細さは必要ですか?
脳や潜在意識は現実と仮想が区別できないといわれます。
脳が情報を処理する際に、実際の経験と想像上の経験を同じように扱うことがあるからだそうです。
例えば、強い感情やイメージを思い浮かべると、脳はそれをリアルな体験として捉えることがあるといわれます。
映画や小説、夢などの仮想的な体験が、実際の経験と同じような感情反応を引き起こすことがあるので理解できますよね。
アニメやマンガ、多様な映像文化の中で育った現在人にとって、理想的なキャラクターとのコミュニケーションを楽しむことができるAIパートナーは、多くの人々にとって新しい形のエンターテインメントとして違和感なく受け入れられていきそうです。
映画『アバター』のように、人は仮想パートナーから「愛・絆・平和」を学ぶようになるかもしれませんね。
高齢(すでにシニアですが)になったときに、サポートしてもらえる下心のないAI。
欲しいです!
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。