小6のH君は

年長さんからピアノを始めて

今年で7年目になります。

 

ついこの間まで

「中学生になってもピアノを続ける!」

と言っていたのですが

 

先月、お母様が

「3月いっぱいで退会します」

とおっしゃったので、びっくり!

 

「中学生になったらピアノをやめて塾へ行きなさい!」

と、お父様が、そう言い続けていて

ピアノを続けることを許してくれないそうです。

 

お母様曰く

「主人の意思が強固で全くダメなんです…」

と、あきらめ顔です。

 

 

H君は今日のレッスンでも、

「今度の水曜日に塾の体験に行くんだ。

あ~あ… 行きたくないなぁ~
塾なんかよりもピアノの方がずっと楽しいのになぁ~。

ピアノを続けた方が絶対いいのになぁ~」

と言って嘆いていました。

 

「お父さんに、ピアノを続けたい!と、自分の気持ちを、ちゃんと話したの?」

 

「うん、話した… でもダメなんだ…」
 

うなだれるH君。

 

 

何度訴えても

お父様は頑として聞き入れてくれないのだそうです。

 

 

 

できることなら

これからもH君にピアノを続けさせてあげたい!

 

私もそんな想いで、いっぱいです。

 

でも

ご家庭にはそれぞれの考え方があります。

 

お母様とも何度かお話をしました。

 

とっても残念ですが

私はこれ以上は口出しできません。

 

 

 

これは私の考えですが

幼い時から今までピアノを習って来て

収穫の時期は、これからだと思うのです。

 

今やめてしまったら

大人になった時に

おそらく、ピアノが弾けなくなっているでしょう。

音符の読み方も忘れてしまうことでしょう。

 

中学生まで、

いえ、高校生まで

あと6年間ピアノを続けることが出来たら

大人になっても

十分にピアノを楽しめて

ピアノは一生の宝になります。

 

弾く力も、これから一番伸びる時なのです。

 

ここまで続けて来て

今やめてしまうのは本当にもったいないです。

 

 

 

もう1つ大事なことがあります。

 

H君はとても内気なお子さんで

レッスンに来て私と色々話をすることで

心の中のモヤモヤを吐き出していました。

 

幼い時から

1対1で付き合って来ているピアノの先生は

本音で話せるご両親以外の唯一の大人でもあるのです。

 

これから思春期を迎え

ますます様々な悩みが出て来ると思いますが

 

そんな時

年長さんの時から慣れ親しんで来ているピアノ教室は

心の置き場所であり、居場所にもなると思うのです。

 

やめてしまうと

そういう大切な場所が消えてしまうことになります。

 

あと1ヶ月でH君とお別れすると思うと、本当に残念です。

H君の成長をもっと見届けたかったです。