。受け入れ先の病院へ到着した後も
救急隊の方がしばらくの間、付き添ってくれていましたが

病院のスタッフにバトンタッチすると
「では我々はこれで… 
お大事に。」

そう言って
軽く会釈をして戻って行きました。


その後ずいぶん待たされましたが
やっと医師らしき人が来て
私の足を診て
「これは骨折していますね」と言いました。

両腕から一本ずつ血液を採取され
その後はレントゲン写真撮影。
CTも撮りました。


ベッドに寝かせられたまま診察室へ戻ると
今撮ったレントゲン写真を医師がじーっと見ていました。

私の方を振り向くと
「写真、見えますか?もっと近寄った方が良いかな」
そう言って
ベッドを見えやすい位置に移動してくれ
ケガの状態を説明してくれました。

「足首の粉砕骨折ですね。足の骨2本と踵側の骨も折れています。
さらに脱臼もしていますね。ここを見るとわかるでしょう?」

足首の関節が横に飛び出ているのが見えます。
大福餅のような形に飛び出ていたのがそうだったのです。


一通り説明が終わると
その場で直ぐに
脱臼している骨を元に戻す処置を施されました。

看護師さんが私の足をギュウっと押さえ込みました。
次に
医師が力づくで関節をはめ込み始めた途端に
あまりの痛さに
何度も大きな叫び声を出してしまいました。



数日経って
足を押さえていた看護師さんが
私の部屋担当になりました。

私を一目見るなり、
「あっ、日曜日に救急車で運ばれてきた方よね!
あの叫び声は凄かったよー!病院中響いたよ!」
と言われて恥ずかしかったです。

あの時は本当に痛い思いをしましたが
今にして思えば
ケガした当日に直ぐ処置してもらえたのはラッキーでした。



今日の担当の看護師さんも
入院時に私を病室まで連れて行ってくれた方でした。

「マラソンでケガしたんですか?」
と聞かれて
「いえ、違います」

「あ、違うんですか。
足のケガと聞いたから、てっきりそうかと思ってしまいました。」

そんな会話をしたので
その看護師さんも私を覚えていてくれたようです。


私が病院に搬入された日は
水戸黄門漫遊マラソン大会が行われていて、
マラソンで足をケガしたり、脱水症になった人が
朝から次々と搬送されていたそうです。

日曜日に整形外科の医師がいたのは
もしかしたら、マラソンでの足のケガを見越して
当直になっていたのかもしれません。

その看護師さんと
搬送された日のことを色々話していたら
こんなことを言いました。

「麻酔科の先生が、
骨がグチャグチャになっていて、
まるで交通事故に遭ったような折れ方をしている
と、びっくりしていましたよ。」

ちょっとショックを受けましたが
これまで生きて来た中で一番痛い思いをしたので
そうだったのか、と、妙に納得してしまいました。