仕事の幅を広げるために金型を試作しました。
お題は「1/20フィギュアの頭部」です。
前回でも述べたように、そんなデータをウチのCAD/CAMで製作するのは余りにも困難です。
そこでデータ製作は外部に委託しました。
お願いしたのは3DCGモデラーの深川克人様。
以前、fgやTINAMIで3Dデータから出力されたフィギュアを拝見して非常に印象に残っておりました。
http://www.fg-site.net/archives/2653380
http://www.tinami.com/view/489438
恐る恐るメールでお願いしてみたところ、取りあえず興味を持っていただけたようでご快諾くださいました。
こちらからの要望を伝えて出来上がってきたのがこちらです。
対象が1/20スケールのフィギュアという事でポリゴン数はなるべく低く抑えていただきました。確かこれで2万ポリゴンぐらいだったかと。ただこれでもウチのマシンには重くて重くて……もうそろそろ載せ替えも視野に入れなければならない古いハードの所為もあるのかもしれません。
髪型はなるべく抜けの妨げにならなさそうなショートボブで。
スライドを入れるスペースも無い上下割りの型なので側面のディティール(耳等)はオミット。
髪の毛のモールドは無し。
こちらの要望も聞き入れて下さった良い仕事をして頂きました。
深川様には改めて感謝致します。
で、頂いたデータをもとに金型を彫ってみました。
成形してみました。
想像していたよりは悪くないです。もっとダルい感じになっちゃうかと心配していたのですが。
ただ、CGのレンダリング画像ではそれほど気にはならなかったのですが、どうも顔がのっぺりしているような気がします。よく言えばアジア人っぽい感じ?
これは1/20という実物の小ささと、型を彫るのに使用した刃物が太い所為で掘り込みが甘くなってしまったのも一因かもしれません。
さすがにWAVE様の製品と比べてしまうと随分見劣りがしてしまいます。
この辺りは3Dモデリングの段階で目鼻立ちの彫りを深くして頂いたり、使用する刃物をもう少し細い物を使えばある程度は対応出来るかもしれません。
髪の毛の表現に関してはかねがね、1/20ぐらいのスケールであればモールドは要らないのでは? と考えていたので今回はその辺りも踏まえての試作だったのですが……ちょっと失敗したかもしれません。髪型ともあいまってどことなくバッフ・クランの異星人っぽい雰囲気に。ここに関しては抜けの問題も絡んでくるので悩みどころです。ただ前髪のモールドなんかは思っていたよりも出来ているのでもう少し冒険してみても良いかも知れません。
あと、画像では判らないのですが、抜き方向の加減で頤の辺りに不自然な感じが出来てしまいました。ここに関してはスライドを使えば解決できると思います(コストは棚上げ)。
もう一点、テストしてみたかったところがあります。今回の金型は磨いていません。普通の仕事では当然砥石やペーパーなどで製品部を磨くのですが、今回は刃物で削ったままの表面です。こんな型をウチで磨いたらモールドを潰してしまってもっとダルい感じになってしまうことが予想されたので磨きレスで見られる製品が取れるかどうかというのもテストの一環だったのですが、これに関しては概ね良好かと。
最後のテストは市場調査。
ウチでこれぐらいの製品を作るとなると3Dデータ製作を委託していることもあって、1個あたり400~500円ぐらいの価格になってしまいます。これぐらいの価格だと他所のディーラー様で出されている同様の商品と比べると割高になってしまうかもしれません。
それでも需要があれば前向きに考えていきたいのですが……
そこで皆様のご意見を頂ければと思う次第です。
こちらの製品、あまり数は成形していませんが、通販で他の製品をご購入下さった方の中でご希望される方には同梱させていただいております。製品そのものの出来や価格面なども踏まえまして何かしらご意見をくだされば幸いです。
来る5月25日・26日に開催される「Ma.k. tamagawa meeting #4」にも知り合いのサントイス様に幾つかサンプルを預けてありますのでご希望される方はお気軽に声をかけてください(自分は行けないのです。行きたいなあ…orz)。
それでは何卒宜しくお願い致します。