アニメ版 「ピアノの森」
 
#23:「ヒーロー」
最終演奏者のレフの演奏が始まった。地元ポーランドの新星を、オーケストラも客席も、皆が後押ししている。レフは5年前、事故に遭って以来寝たきりになってしまった姉のエミリアを想いピアノを弾いた。だが、ステージのレフに異変が……。
#24:「世界一のピアニスト」
いよいよ最終審査結果の発表だ。審査委員長のヤシンスキがマイクを持つと、会場のボルテージも最高潮に。コンテスタントの名前が発表されるたび、あちこちから喝采がわき起こる。はたして、一ノ瀬海はピアニストとしての未来をつかみ取れるのか。カイとピアノの奇跡の物語、ここに完結。
ピアノ楽曲
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 第1楽章
ジョセフ・ウィナー:茶色の小瓶 ~オーケストラver.~(編曲:ウィリアム・フィネガン)
ショパン:ノクターン 変ニ長調 作品27-2
モーツァルト:きらきら星変奏曲 K.265
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22
ラフマニノフ:2台ピアノのための組曲 第2番 作品17 第3曲 ロマンス
公式ホームページより:

http://piano-anime.jp/story.html

 

いよいよアニメ版「ピアノの森」も最終回。

 

その放送の前に、阿字野先生のピアノ演奏担当の反田恭平さんのショパン・マズルカ演奏(「アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ」がっつり!)や

カイと修平の小学生の頃のお話を再放送してくれたりと、細かやなNHKの演出にも感謝音符

 

歓楽街「森の端」で娼婦の息子(私生児)として生まれ

森に捨てられたピアノと、そして不運な事故でピアニスト人生を絶たれて

死んだように生きてきた恩師、阿字野先生と出会ったことから

ピアニストの道を歩むことになった少年、カイの成長物語もいよいよ結末を迎えました。

 

カイは自分の育ってきた環境、愛してくれた人たちみんなに感謝しながら

素直にまっすぐに、ピアノを世界中に届けました。

 

そして姉を自分の身代わりに事故に遭わせて植物人間にしてしまったと

自らを責め続けてきたレフもまた、自分の演奏の中で姉と向き合い一歩踏み出すことが出来ました。

 

コンクール審査の裏側では政治的事情、掛け合いがありましたが、

最終的には、公平で、偏りのない審査結果に。

一番よかったピアノを一位にする(当たり前だけどねー)という、当然の結末に。

 

カイ、優勝なうえにマズルカ賞とコンチェルト賞とソナタ賞。(歴代、こんな風に重ねて受賞している人もいますよね‥)

自分のことのように泣きながら大喜びしている修平がほほえましかったです。

素直に「脱帽するよ」と手を差し出したパン・ウェイも、一皮むけました。

不公平なジャッジメントで1次予選落ちしてしまったアダムスキも、特別賞「聴衆賞」!(おめでとう!)

 

みんな、それぞれに、何かを得て、成長して、新しい一歩を踏み出したコンクールだったのでしょうね。

 

それから、もう一つのハッピーエンドは、カイから阿字野先生への贈り物。

実は音楽家の手を治す第一人者、ミュージシャン・ハンド・ドクター、Dr.仲尾と、

カイがコンクールに優勝できたら

阿字野先生の手術をしようという約束をしていたのでした。

 

真実を知って、カイを奔走させていた自分に、カイに重荷を背負わせていたことに、「とてつもなく」怒ってしまった阿字野先生。

自分の手が治ることなど、全力であきらめていたのだから・・・。

でも、

阿字野はもう自由だよ

だから決めたんだ

阿字野には先生じゃなくて俺の生涯のライバルになってもらうって

俺のピアノの原点は阿字野なんだよ

誰の、どんな素晴らしいピアノを聴いても 俺があこがれ

その存在を超えたいと思うのは 阿字野だけなんだ

 

そんなカイの言葉と、入賞者のコンサートでカイがアンコールで弾いた

「茶色の小瓶」@裸足(笑)

 

小学生のカイと出会った時の思い出の曲。

聴きながら涙を流し座り込む阿字野先生。

 

手術が成功し、ツアーからとんぼ返りしてきたカイとの二人三脚(今度はカイが先生)の練習を重ねて

最後は阿字野先生のピアニストとしての復活コンサート、その中での

阿字野先生とカイとの2台ピアノの共演でお話は終わります。

 

阿字野・・・この日を俺は ずっと夢見ていたんだ

私は夢にも思わなかったよ

 

そんな二人を見守る、これまで出会ってきた多くの人たち。

素敵な大団円でした。

 

 

原作を読み終えた時にも思ったのですが

これは貧しいけれど才能のある少年がピアニストに成長するサクセスストーリーであると同時に

挫折したピアニストの男の再生の物語でもあったのだなあって。

 

それにしてもあと1話あれば、もっと周りの人の後日談も描写してもらえたのになー、もったいないなー。森の端がどうなったか、とかカイのお母さんのレイちゃんや仲間の新しい旅立ちだとか、カイがパリに留学したこととか。

カイの優勝後、カイを取り巻く世界と、人達がどんなふうに変わったのか気になる原作未読の方は、ぜひ26巻をお読みくださいねピンクハート

 

(今回のツボ)

・一ノ瀬海(イチノセカイ)という名前は逆に読むと

「世界一のピアニスト」になると誉子ちゃんに言われてびっくりしている修平と、

こっそり近くでびっくりしている佐賀先生の顔(笑)

・入賞できなかった双子のアン兄弟をよしよししながら力強くほほえむアレグラ姉さん(カッコイイ!)

・なんだかすっかり仲良しカップル的雰囲気の修平君と誉子ちゃん音符