東京公演で行きそびれていた劇団四季のミュージカル「パリのアメリカ人」の横浜公演を観てきました。
大好きなガーシュウィンの楽曲と、バレエがメインのダンスシーンの評判を聞いて
ずっと観に行きたかったのです。
劇団四季のサイトのストーリー紹介はこちら↓
https://www.shiki.jp/applause/aaip/story/
舞台は第2次大戦終戦から数年後のパリ。
アメリカ退役軍人の若者ジェリーは
帰国するよりパリに残ることを選び、画家としての生活を始めます。
そんな彼が意気投合し友情を結んだのは
ユダヤ系アメリカ人の退役軍人(足を負傷している)で、パリのバーでピアノ弾きをしながら作曲家を目指すアダムと、
資産家の息子で、親に内緒でショーマンになりたいと思っているアンリ。
ジェリーは街角で出会いその後偶然再会した
どこか暗い影をやどした美しいバレリーナ、リズに恋をします。
陽気にストレートに恋心を打ち明けるジェリーに、最初かたくなだったリズも心を開き始めます。
ところが親友のアンリが長年愛してきた人がリズであることを知ったジェリー。
リズは大戦中パリ占領下で自分をかくまってくれたアンリとアンリの両親への恩義から、アンリからのプロポーズを断るわけにはいかないと苦しみます。
しかもジェリーも、アメリカ人の富豪の女性マイロから好意を寄せられるようになり・・・。
実は以前に何度か映画版の「巴里のアメリカ人」(ジーン・ケリー主演)を見たことがあるのですが、
それよりもずっとストーリー構成が骨太になった印象があります。
映画版はラブストーリー中心でしたが
ミュージカル版では、パリがナチス占領下にあった過去や第二次大戦での苦しみをきちんと反映させたお話に膨らませてありました。
たとえば、アダムがピアノを弾いている酒場でみんなで歌い踊って騒いでいる時に
突然真っ暗になって(停電で)、中にいる人たちが一瞬パニックになっちゃうシーンがあるんだけど
あれは、パリが占領されていたころ爆撃に怯えていたトラウマを、市民のみんなが抱えていたという表現なんですね。
主要な登場人物4人もそれぞれに、戦場で辛酸をなめたり、レジスタンス運動に参加したり、ユダヤ人として迫害されていたりという
辛い過去を背負っています。いつも陽気なジェリーも、戦地で仲間たちが死にゆく姿を見てきたのです。リズは・・・ユダヤ人で、まさにアンネ・フランクと同じような目に遭っていた女の子だったのですね。
でもミュージカル全体は、とにかくお洒落で、粋です。
ガーシュウィンの音楽ってミュージカルやバレエに本当に似合いますね。
ジョージ・バランシン振付の洒脱なバレエ「フーケアーズ?(Who cares?)」もガーシュウィンの音楽が使われていますが、それが重なるような
レベルの高いバレエ・ダンスが楽しめました(ヒロイン役はヨーロッパで研鑽を積まれたバレリーナさん。でなきゃあんな踊りはポワント(トウシューズ)ではできませんねー)←ワタシも一応小学生~大学までバレエを経験してますのでポワントワークの大変さはわかります・・。
振付がロイヤルバレエなどで活躍されているバレエの振付家さんと知って、納得~。
後半、ジェリーとリズのパドドゥ、二人の踊りがとても美しかったです。
他にもダンスは見所ばかり。
元気の良いワンコのようなジェリーが踊るバレエがベースのジャンプ・ピルエット満載のダンスも
アンリの踊るフレッド・アステアのような華麗なステップも
それから群舞のすべて(配置転換でさえ、ダンサーさんたちが小道具と一緒に踊りながら変えるから、どこも目を離せません!)も
とにかく素敵でした
もちろん、ガーシュウィンの曲は最高でした
早速、今日の舞台でも印象的に使われていた「3つのプレリュード」の楽譜を久しぶりに引っ張り出して、最初のフレーズを弾いてみようかと思ってます
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