田宮の1/35MMシリーズ初期のIII号突撃砲は、今の目からはオモチャに見えますが(ゴメンナサイ)、付属のファルシルムイェーガー(降下猟兵、日本では落下傘兵)は、当時としては中々よく出来ていたと思います。その後長い時を経て再び降下猟兵のフィギュアが登場したのはアハトアハトがアフリカの砂漠で活躍した時の情景を再現するために砲兵のフィギュアを改めて登場させた時でした。その間に海外のメーカーからレジン製の降下猟兵のフィギュアが出たりしましたが、オーバースケールのフィギュアと呼ぶには大雑把な造形でした。のちにドラゴンからも降下猟兵のフィギュアが幾つか出ましたが残念ながら矢張りオーバースケールで、田宮製の1/35スケールのフィギュアとは並べることができませんでした。近年の田宮はその金型技術などの進化に伴い、初期のMMシリーズのリメイク版を少しずつ出してきましたが、降下猟兵だけのフィギュアのリニューアルは未だに出ていません。降下猟兵の奮戦はモンテ・カッシーノの戦いで知られているだけに、田宮からのリニューアルを待ち望んでいる人もいるのではないでしょうか(もしかして私だけ?)。さて、同様にMM初期に発売された車両の搭乗兵としてなぜかSSの兵士4人が選ばれてフィギュアになっていましたが、その後は田宮からはSS兵士のフィギュアは今日に至るまで登場していません。私は洋書(また出た!英語版)を通して多分日本国内ではあまり知られていないであろうその残虐さ(というよりも戦争の実態)を多少なりとも知っているので、田宮がSS兵士のフィギュアをいまだに出さないのは良識ある姿勢であると評価しますが、一模型ファンとしては田宮製のSS兵士や将校のフィギュアを見てみたい気もします。特に迷彩スモックを着用した兵士の姿は非常に印象的であり、その後の各国軍隊に与えた影響力大きさからも興味を惹かれるし魅力的でもあります。1/35スケールのSS兵のフィギュアはレジン製も含めていくつかのメーカーからも発売されていますが、迷彩スモックのパターンもいくつもあり、塗装も私には結構難しく、思うように仕上がりません。以前、塗装の参考にSSの迷彩に関する信頼できる本(洋書!)を入手したことがあり、その後に出版されたカラー写真集なども幾冊か購入しましたが、最初に購入した本には本物を使用してきちんとした解説がなされており、その後に入手した国内外の出版物はまがい物(偽物)が多く信頼度にかけるので、SS迷彩スモックに興味のある人は要注意です。残念ながら私はその貴重な本を誤って手放してしまい、現在ではその本の入手は極めて困難なので後悔しています。いずれにしても現在のヨーロッパの人々の間ではSSに対する憎悪は消えず、模型でもハーケンクロイツは禁止状態なので田宮からSS兵士のフィギュアが出されるのにはあと50年はかかるでしょう!?(もう私は死んでいる!)