「私は北軽井沢の別荘に戻り、死ぬ準備をした。
首でも景気よく掻っ切って死んでやろうと思ってね。
それでね、ヤッパ(刃物)なら業務用の鎌がいいかなって準備して
。。ほらあの死神がよくもってるやつ。」
「中二病みたいよね。私、形からはいる人間なんだって
死のうとしたとき初めて気づいたの」
と清巳はくすりと笑った。まるで旅行にでも行った思い出話を
するように楽しそうにかたる清巳が痛々しい。
「そして死ぬ部屋は和室にきめて、雪女みたく白いドレスを着て
。。そう、ちょうど今着てるような。それからね、吹雪いている戸を全て開けて
ヤッパで死に損ねても凍死できるようにして、それから、喉を裂いて死んだわ」
「。。死んだ?」
「ええ。」
「死んだの。完全に。」
真琴は信じられない思いだった。最初は「未遂」の話だと当然思っていたし
清巳が嘘をついてるとも、頭がおかしいとも思えなかった。
こんな話をされて真剣に聞いている自分は狂っているのか。
清巳は自殺したい真琴がみている幻覚なのだろうか。
何もいえないでいる真琴に
清巳はさらに続けた。
「それにね、貴方も本当はもうこの世の人ではないのよ。」