昨年9月に神戸でUAゼンセン様の研修をさせて頂いた御縁から引き続き、

福岡県博多での介護職スタッフ向け研修を担当させて頂きました。

 

 

宮崎・鹿児島など朝から特急に乗って、

九州全土からご自身の休日返上でお越しになったという

40名超の参加者の皆様。

 

そのような貴重な3時間をお預かりすることになるので

半月ほど時間をかけて研修内容を練り上げました。

 

前半90分は講義、後半はめったに会う事の無いメンバーが集っているので

他の職場の工夫や考え方を吸収できるチャンスを活かし、

対話ワークショップをすることに。

 

UAゼンセン 日本介護クラフトユニオン 九州・沖縄総支部

ステップアップ研修

 

【2019年版 介護業界での働き方改革】

~「働く人が幸せな、職場作りと働き方」を実践しよう~

 

 

安倍内閣の「働き方改革法案」がこの4月より施行される事により、

介護職スタッフの皆様が特に不安を感じておられるのが

「労働時間法制の見直し」の中の

③1人1年あたり5日間の年次有給の取得義務

②「勤務間インターバル制度」の導入

です。

 

↓特に従業員の肩にかかってくるのが黄色く表示した2つ。

 

年次有給休暇は今までは周りに遠慮して

ほとんど取らずに捨てている人が多かった介護業界も

この春からの義務化により、

雇い主と面談で決めて、最低でも年に5日は取得する事になります。

 

 

ただでさえ

1.人手不足でとりにくい

2.仕事量が多くてとりにくい

3.周囲の人に迷惑をかけるからとりにくい 

4.他の人が取得しないからとりにくい

という理由で、

有給休暇を取らないことが標準化してしまっている介護業界。

 

チームでの回し方や、

安心感のあるコミュニケーションが要となりますね。

 

 

 

そして勤務間インターバル。

例えば職場によって

11時間のインターバルを空ける、と決めた場合、

遅くまで残業をした人は翌朝の出社時間を遅くしないといけない、

という制度です。

つまり、朝きちんと揃って出社するためには、

残業はしない、という明確な基準になる訳です。

 

このインターバル制度はヨーロッパではかなり以前からあり、

私のワーク・ライフ・バランスに指導者である

株式会社ワーク・ライフバランス代表の小室淑恵さんは

10年前から「日本でもインターバル制度を!」と言っていましたので

ようやく、まさにようやく10年越しで

政府に聞き入れて貰えたことになります。

ある意味、感慨深くもあります。

 

 

このような法改正を理解したのちに、

介護業界でも取り入れられる働き方改革の手法を

15種類ほどご紹介しました。

 

各職場で採用できる物、不可能な物があるかと思いますが

「そんな考え方、した事が無かったアイディアもあり、すごく勉強になりました」

というご感想も頂けました。

 

 

後半は各テーブルごとに対話ワークをして貰う時間。

 

スライドで4つの質問を順番に投げかけ、

各職場での工夫や

今後自分達で出来そうなアイディア出しをして頂きました。

 

 

 

議事録的に、対話で出たアイディアや気付きを

模造紙にメモを取って貰っています。

 

 

かなり大量にメモされていますね。

 

 

まとめとして、各グループで出た意見を

リーダー役の方に全体共有して頂きました。

 

 

中には「うちの事業所はみんな有休取れてます」という所も!

その工夫をお聞きすると、仕事のやり方は全部従業員の裁量に任せており

「仕事は楽しく!」がモットーなんだとか。

3~4年で全スタッフが入れ替えになることが多い介護業界において

「うちは誰も辞めませんねぇ。皆10年くらいは在籍してます」というレアさで

他の参加者も興味を持って聴いておられました。

 

介護業界に限らず言えることとして

「自己裁量権があること」「自己有用感があること」が

従業員の在籍期間に関わってくる、と、私もよく言ってはいましたが

まさにそれを体現している介護事業所がここにありました。

今、取材に行きたい思いに駆られています!

 

 

最後に、各自の職場に持ち帰るため、ふせんに清書タイム。

 

 

 

最後に、全員で自分以外の他のテーブルのふせんを見て回り、

共感マークを書きこんでいきました。

 

 

 

一部の模造紙の成果物をご紹介。

活発な意見交換が行われた様子が見てとれます。

 

 

今回は福祉関係のスタッフであり

さらに自分の休暇を使ってでも職場の改善を考えたい、という

「心優しく、何よりも他人思い」のメンバーが揃っていたので

日頃の我慢強さ・自己犠牲度合は人一倍だったようにも感じられました。

 

そのような方々が「心から幸せに働ける職場」に変えて行けたら

日本の未来の不安も解消するきっかけになるのではないでしょうか。

 

そして今後、使命感を持って介護職に従事したいと思う方たちにとっても

長く安心して働きつづけられる職場を創ることが可能になるはずです。

 

 

ご参加の皆様、そして介護職で真摯に頑張る皆様にとって

2019年の働き方改革が良いターニングポイントとなりますように。

 

そう願って、私も各地でアドバイスを続けて行きますね!

 

 

後日、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)様の

研修開催報告レポートも上がっていました。

合わせてご覧下さい。

九州・沖縄総支部ステップアップ研修会

「働き方改革で変えよう!仕事・生活・考え方」を開催しました

http://www.nccu.gr.jp/area/area_detail.php?SELECT_ID=201902130001

 

 

以上、オフィスhint linkの槙本千里でした。

槙本千里総合WEBサイト:
http://makimotochisato.wixsite.com/hintlink