こういって、カイは、ゲルダに、ひしととりつきました。
ゲルダは、うれしまぎれに、泣いたり、わらったりしました。
それがあまりたのしそうなので、氷の板きれまでが、はしゃいでおどりだしました。
そして、おどりつかれてたおれてしまいました。そのたおれた形が、ひとりでに、ことばをつづっていました。
それは、もしカイに、そのことばがつづれたら、カイは自由になれるし、そしてあたらしいそりぐつと、のこらずの世界をやろうと、雪の女王がいった、そのことばでした。
「そのことば」とは、カイがどれだけ作ろうしても、作る事ができなかった、「永遠」という言葉でした。
氷の板切れは、女王が「理性の鏡」と呼ぶ、美しく完璧な形の雪の結晶から出来ているのです。
雪の結晶をどう並べたら、永遠という形が作れるのか、想像もつきませんが、きっと素晴らしい形になることでしょう。
美しい童話は数あれど、その中でもトップレベルの、幻想性を誇る、非常に美しいクライマックスシーンの描写かと思います。