・憂いある人に寄り添う人あれば、「優し」に変わる雨の一日

 

上の短歌の意味はわかるでしょうか。

〈憂〉いという文字のことなんです。これに寄り添う人。つまり人偏(にんべん)亻を付けると「優」(やさ)しいに変化する。そんなとこです。だれでも人間は支え合っています。憂いを持ってる人も話を聞いて励ましがあれば乗り越えられる。そんな感じかな。人という文字も支え合ってるって小学校のころ教わりませんでしたよね。

 

今度市原で始める活動の名前はエピキュリアンといいますが、エピクロス派は、師の教えを守り、「隠れて生きよ」を実践していました。世の中のわずらわしさから逃れ、心の快楽というよりむしろ安寧(アタラクシア)を求める生活を送ったのです。そして仲間意識がとっても強い。それはお互いの強い絆が無ければもたないからです。

 

僕は昨晩その会のロゴを考えて眠れなくなりました。そしてついにそのロゴのイメージが出来ました。これだ!と起き上がって鉛筆を真夜中に取り出します。とはいえ、ロゴとかイラストとかって全然ダメな自分。娘の友人がそういうお仕事をしているので、依頼することにしました。それを言葉で言うのはちょっと照れちゃうんだけど、ロボットがロボットの背中のネジを巻いてる図なのです。単純な太い線だけで作ってもらいます。椅子に腰かけてダラっとしてる首のもたげて動かないロボット。そのの背中のネジを巻いているロボットがいます。そのロボットにも背中に大きなネジがついているのです。ネジを巻くだけで、ロボットはまる1日動くことができる。そしてネジを巻いてあげていたロボットが今度は別のロボットに自分のネジを巻いてもらいます。そうやって実は【永久機関】の循環運動をしているという発想なんです。題して【愛の永久機関】。

実はこれ、ロボットではなく、人間自身のことなんですね。

 

今日、義母が亡くなりました。享年九十六(歳を付けないのが正しいそうです)。多くの人を救い、信望の厚かった義母でした。彼女は書も達者で、今遺体で横たわっている自宅のお部屋には僕の作った短歌の書も飾ってもらっています。20年ほど前、月刊文藝春秋さんより依頼されて巻頭8首に用いられた歌の表題となった歌「夜のハモニカ」です。

 

・絶望の一人芝居もまことめき哀しみ拾う夜のハモニカ     村田マチネ

 

 

今夜の曲はしめやかに拓郎の