占い師としてトート・タロットを全面に出しているので、ごくたまに「トート・タロットは当たるんですよね?」と質問されることがあります。
いつも「違います」と答えています(あくまで個人的な意見です)。
「特別なタロットではありません」と言う意味です。
占術・使うツールによって得意分野や出方(白黒ハッキリとか)はあると思います。
それは個性。
でも「当たる」は占術やツールのせいではなく、扱う人(占い師)との相性で決まったりするものではないでしょうか。
ついでに言えば、占い師の性質×ツール×表現力がお客様にマッチするかどうか。
もし本当に当たるのであれば殆どの占い師が同じカードを使うはずだし。
自分が大好きで使っているから尚更「違います」と言いたくなる。
だって他のカードを使っている人も、そのカードが好きで相性が良くて使っているんでしょ?
だから失礼な気がします。
占い師の仕事として「当てる」は当然であること。
だから敢えて当たりますと言う必要がないし、アピールする必要もない。
それよりもお客様のリクエストに応えることが大切。
占い師自身が100%当たる占いはないことを知っている。
でも当たることを求められることも分かっている。
だから占い師は勉強し続けるし、ツールをもっともっと我が物にしようと頑張る訳です。
皆さんアピールはしないけど必死で「どうしたらもっと当てられるか」を研究されています。
多分。
占いのツールは100%当たるように作られているのでしょう。
使う側(私)がまだ使いこなしていないんだと思います。
なので日々精進です。
桃田選手のラケットを使えばオリンピックに出られる訳でもなく。
ツールのせいではない。
昔、私の安いギターをプロに弾いてもらったことがあります。
その人のギター(プロ仕様)と同じ音色でした。
使い手次第。
ただ、昔はかなりトート・タロットには都市伝説はありました。
トート・タロットを占いに使うとエネルギーを吸い取られるから占いに使っちゃダメとか。
作者が違えば訴え方が変わるのも事実です。
何を強調し、何を肯定するのか。
タロットの訴え方とお客様の欲しいもの(示されたいもの)の相性が良い=当たる感覚になるのかな、とも思います。
今回は多くの占い師が使っているライダー版とトート版の訴え方の違いを比べてみました。
現在、タロット占いで使われているのはライダー版とトート版の2種に分類されるほどの2トップ。
ライダー版「#Ⅷ・STREMGTH.(力)」
トート版「#ⅩⅠ・Lust(欲望)」
マルセイユ版「#ⅩⅠ・LA FORCE(力)」
現在のタロットの基本形はマルセイユ版。
そこに占星術とかカバラとか錬金術とか魔術的思想を取り入れ、それを確立させたのが「黄金の夜明け団」という秘密結社。
メンバーであったウエイト博士が作ったのがライダー版(ライダー社から出たから)。
同じくメンバーであったクロウリーさんが作ったのがトート版。
ライダー版とトート版は兄弟です。
トート版は一番新しく、マルセイユ版からライダー版まで全部乗せ、盛り盛り、マシマシで作っています。
なので基本的な意味は変わらないと考えてもいいでしょう。
てことでライダー版とトート版を比べてみます。
「力」のカード。
ライダー版もトート版もモチーフ(象徴)は同じ。
獅子と女性。
タロットでは動物は本能や野生、獣性を象徴します。
獅子は百獣の王ですから、その力が一番強い。
ライダー版
白い服を着た見るからに乙女が猛獣を手懐けています。
白は清らかさ、高潔さ。
背景の黄色は太陽の色で幸福や天の恵みを表します。
高い精神性で自らの獣性をコントロールしている姿です。
概ね獣性はネガティブな情動や我の強さを表します。
決して獣性を否定はしていません。
乙女は獅子の口に手を当て、繋がっているからです。
絵の雰囲気からは精神性の高さを強調しています。
きっと猛獣を手懐けるには強い意志と精神力、勇気、根気が必要でしょう。
欲求や本能に振り回されず、「意志」という精神力で問題を解決し、掴んでいく力です。
トート版
ロデオのように猛獣に乗っかっちゃっていますね(笑)
獅子も女性も真っ赤で、それは生命力を表します。
こちらの女性は裸で肉感的でセクシーです。
絵は性魔術をしている様子ですから騎乗位。
獣性と自分自身が一体化しています。
女性が獣性を抑えていると言うより、獅子が女性に精気を吸い取られるような勢いです。
盃を掲げている姿は「欲しいものを勝ち得た」恍惚感です。
クロウリーさんは「自分の意志のまま生きろ!」と説いていた人です。
獣性をコントロールせず、それを生きる活力にせよ!となります。
タイトルも「力」から「欲望」に変わりました。
順番も変わっています。
本能や野生は生物にとって生存本能。
生き残る力です。
素っ裸(素の自分)で生きたいように生き、欲しいものを勝ち取るのだ!
それが色仕掛けであっても(笑)
獣性の肯定を全面的に出しています。
今回は一番わかりやすい比較をしてみました。
言いたいことは似たり寄ったりだけど、作者が違えば絵も違う。
絵が違えば伝わり方も変わります。
だからタロットは絵が命で、それが面白い。
「どのタロットを使ったらいいですか?」の質問には「絵が好きなヤツを選んで下さい」とお答えしています。
トート版のほうが俗っぽいし生々しいです。
何だかんだ言って人の悩みは欲を源にしていることが多い。
タブー視されるセックスも恋愛や生物には大切なことです。
お金が欲しい、彼氏が欲しい。
欲しいと思う気持ちも普通のことです。
欲望=本能の意志と解釈したのかもしれません。
だから「俗っぽい悩み」や「どうしても抑えきれない気持ち」などを観る時にトート・タロットは向いているかもしれません。
悩みとタロットの伝え方がハマった時、「分かってくれた」となり、それが当たると感じられるのかも。
お悩みによってタロットを使い分けている占い師も多いです。
トート・タロットに逆位置がないのも「ひっくり返ったから悪い」という発想がなかったのかも。
(意味の強弱には四大元素を取り入れています)
だって作者が個々の人間を全肯定しているのだから。
クロウリーさんの説いた有名な言葉です。
汝の意志することを行え。それが全ての法となろう。
愛は法なり、意志の下の愛こそが。
全ての男女は星である。
トート・タロットは作者の意図が明確。
非常に難解ですが、それも特徴の一つです。
性的表現が多いですし、人によってはグロく感じて苦手だと思います。
人間臭さを全肯定するトート・タロットは優しい反面、自分の俗っぽさを見せられるので痛い。
肯定=これが現実、受け入れろ、ってことなので。
つらつらと書きましたが私は単純に絵に惹かれて勉強を始めました。
そして現在に至ります。
私はトート・タロットが好きなので、こうして書いていても贔屓しちゃいます(笑)
ご自分にピッタリのカードや占術と出会えるといいですね。
ご興味のある方は是非お勉強してみて下さい。
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