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競馬の雑誌社から自己アピールの作文を書くよう伝えられた時に話を戻す。
思いのたけを文字にする。
好きな馬を頭に描いて。

作文を作り上げ、出版社に送った。
それから、その出版社の雑誌を眺める。
競馬の雑誌にはサラブレッドの様々な写真が載り、美しい。
たまに見せる、動物の愛らしさがたまらない。
どの写真も目を奪うもので、テキストが写真を飾る。

見れば、見るほど。
これに書くかもしれないのか……という膨らませていたワクワクとした気持ちがしぼむ。
そんなこと、自分にできるのかな?
ドン! と恐怖のようなものを腹の底に落とされた感じがしたのを覚えている。

自分が楽しませてもらったように、競馬を愛する人を楽しませることができるのかな?

絵空事が現実になろうとしていた。
どうせ、掴むことができないだろうと手を伸ばしていた雲の中に、何かの手ごたえがあって。
未知の世界のもので、とても不気味なものに感じた。

自分にはできなくて、ダメなヤツという烙印を押されることがリアルに感じられた。
逃げ出したい衝動に襲われる。

今回のBGMはですね……長渕さんの「ろくなもんじゃねぇ」でいきましょう。

アルバムは「ライセンス」です。

 

 

 



結局、競馬の雑誌社は落ちるのだが、受かっていたとして。
今になって思えば、当時の自分で全然いけてた。
憧れが強すぎて、待ってるかもしれない未来が強大に見えすぎていた。
苦労するだろうけど、耐えれた。
同じ人間が作ってるものなんだもん。

突然、生真面目な自分が顔をだした。
昔から、こいつが顔を出すと、弱気が胸を苦しくさせる。
プレッシャーに震えてくる。

真面目すぎて失敗するから、不真面目にやろう。
不真面目過ぎても失敗するから、真面目にやろう。
極端なのだ。

でも、そういう極端なところは誰でも持っていて。
案ずるより産むがやすし、の「産む」が問題。
実践の場にいくばかりのことじゃないと思っている。
準備をはじめること、だよ。
心配してるよりも、できることを探して動き出せばいいんだよね。


知ってる人に「教えて」って言える自分を探して。
「教えて」って言うと、バカにされるんじゃないかって、そんな先入観が地団太を踏んでいる。
そういう人もいるけど、まずは聞いてみることなんだよね。
きっと、そういうことが「産む」なんだよね。
自分だったら、そうやって聞いてくれる人に手を差し伸べるのに、他の人は自分に冷たいような幻想。
 

マウントをとっていたかったという本性もあったと思う。
ずっと、自分の成長をとめていたものに、まだ気づいていなかった。
友だちは多かったけど、どこか一部が孤独だったのだ。
腹を割り切れない。

天狗のような鼻を折られたら、別の、何か得意なことで鼻を折り返すような。
折られたわけでもないのに、折り返す必要もないのに。
無駄なこだわりだったけど、きっと必死になって自己主張をしていた。

 



なんてバランスの悪い人間だったんだろうと思う。

競馬の雑誌社に書いた自己アピール文。
自分が作ろうとするものに対して、もうちょっと距離感がとれていれば。
読み手のことなんて、何も考えてない。
自分の情熱のようなものを伝えることに必死なだけ。

絶対に、ものを作る人は対象との距離感を図るべきで。
適度な距離感というのは、人によって違うだろうけど、自分は意識的に距離を置いたほうがよいことが多いようだ。
感性のようなものが先走ってしまう。
他にも理由はあると思うが、自分が落ちた理由の一つにそれがあり。
それは自分にとって、大きな問題だった。

競馬の雑誌社のほかに書類を送った経済的な雑誌社。

経済的な雑誌な出版社は、当時行われていたサミットについてがお題だった。
納豆を話題に出し、日本を知ってもらう努力をするべきだ、ということを書いたと思う。

と、その5に書いた。

幸いだったのは、あまり興味がない話題だったので、自然と距離感がとれていたのだ。
俯瞰が……少しだけでもできていたのだと思う。
そして、東京での試験の案内が届いた。

あちらはどうして落ちたのか、こちらはどうして通ったのだ。
答えについては人事の人は教えてくれない。

競馬のことを書くと……、刺激を求めてギャンブルをしていた自分が見えてしまったのかも。
到底、社会には受け入れがたい自分の一面だった。
憧れていたのは、この世界ですから。
目黒孝二さんの「戒厳令下のチンチロリン」。
を載せようとしたら、Pickできないので、こちらを。

 

 


(「戒厳令下のチンチロリン」は初めて読んだ目黒孝二さんの本で。
好きなのですが、倉庫にしまったようです。)
 
話しを戻す。
なんか、作文を送った時から、この結論にはうっすら分かっていた気がするんだけどね。
当時は正体がわからない。

ガムシャラなだけで、そんな過去の自分は嫌いじゃなくて。
笑えてくる。

 



どんな服装だったのだろうと思う。
リクルートスーツは持っていなかった。
入学した時に、春に合いそうな薄いグリーンのスーツを購入して。
それ以外にスーツは持っていなかったはずだ。

ひょっとして――。
俺は、あのスーツで行ったのかっ!!!

経済的な雑誌社からいただいた東京での試験の案内は、自分を救ってくれるものだった。
認めてくれる人がいる。
それは、その後の人生でも、大きな宝物になる。
支えになっている。

自分のことを認めてくれて、待っててくれる人がいる。
行こうか! 東京へ!!

 


 

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