おっちゃんの背中。 | 喫茶ロマン~君もオレ流だろ~
席に着いたら勝手に瓶ビールが出て来て

大将オススメの小鉢が出てくる。

そんな行きつけの小料理屋が地元にある。

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トイレに行くと
営業時間変更の貼り紙が。

『珍しいですね、営業時間が変わるなんて。』

『娘の結婚式なんですわ。』

ぶっきらぼうに言いながら、僕らの席に座り
煙を体内に流し込む。

『昨日引っ越しでね、運転したから身体疲れましたわ。』

全然僕らと目を合わせない大将。

『バージンロード歩くんちゃいますか?』

『さぁ、どやろなぁ。言われたら歩くやろけど、
何も言ってきてないし。』

『それよりも花嫁の手紙ちゃうかな。
まぁ、その時は我慢せんと泣くわ。』

男ってホンマ不器用。

『なんか、もう泣きそうになってきた。』

そのくせ、夜は自分の店でどんちゃん騒ぎが出来るように翌日休業してやがる。

うちは3人(娘が)おるから、みたいなこと言ってたくせに。

大将大丈夫かいなー、なんて笑ってたけど

心の底じゃカッコイイなって思ってたよ。

僕は娘もおらんし、
嫁に出す心境もわからん。

だけどもだけど、

毎回花嫁の手紙の時にお父さんの顔を見ると
たまらなく胸が締め付けられるんだ。

大将のオススメ小鉢がなかなか出てこなかったのは
きっとそのせいだな。

新年度になったら、
また盃を傾けに行こうかの。

本当は今日の釣りロケの話をしたかったけど、
船にやられてちぃと酔いが回ったみたいじゃ。

そんな夜もあらぁ。