高い塔の中へ入って行く
太陽は近づくかな
眩しい天窓に射す光に
包まれて鐘の音を聞いた時
澄んだ音は世界の答えをくれたと思った
階段は螺旋で駆け上っても行く先は見えないところにある
山に響け
私の胸の音
夜になれば星も近づく場所は
遠くから見たら灯台になるだろう
天使が月から降りてくる
流れ星と一緒に
天に近いはずの地上何メートルの迷いに立ちすくむ
来た道もいた場所ももう見えない
翼に力があるのか解らなくても飛び立つ勇者の後ろ姿を見送って
私たちは新しい白い光に心細く飲まれそうだ
世界の平等を願うけど自分の笑顔や泣き顔は本当は誰にも均一に漂白されたくないな
報われなくても地上でもがいていたいな
今ここはイカロスのいない天国にだけ近い場所