あっちのばば(実母93才)、こっちのばば(義母92才)とも(認知症による)被害妄想花盛り。
あっちのばばの症状は、かれこれ四半世紀も続いています。
夜中に隣のご主人が窓から殺虫剤を吹き込む、などその描写があまりにもリアルで、当初一晩中見張ったりケイサツに相談したり。
おまわりさんも警備してくれたのですが、結局母がボケてることが判明。
その後、なんとか病院に連れて行こうとしましたがかなわず25年経ちました。
多分、本人には見えている場面の数々。
物を盗られた、天井裏に潜んで見張っている・・・など、ドラマの脚本さながらの描写でしゃべりまくります。
日常生活に支障がなく、人に危害を加えたりもないのであきらめています。(最近はさすがに聞くのが苦痛ですが)
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一方、こっちのばばは記憶が怪しく怒りっぽいものの、妄想はそれほどでもない優等生でした。
ところが先日、新しい局面に。
現在要介護1の介護度を要介護2に申請しましょうとケアマネさんにすすめられ、審査を受けて10日ほど経った頃。
要介護2になったからといつもとは違うヘルパーさんが二人でやってきました。
そしてお風呂に入ってくださいと言われひとりでお風呂に入ってる間に、部屋に散乱してた衣服が畳まれ、片付けられていた、と。
週に1日ぐらいゆっくりしたい のにいきなり二人で来てびっくりなのもあり、なんだか気持ち悪くてその場で作業を停止してもらい帰ってもらった、と。
そしてケアマネさんに電話して要介護2を断り、もうこれ以上のサービスはいらないと申し出たというのです。
「事件」の可能性を連想した主人と義理の姉は、カード類・銀行口座を調べるなど犯罪路線で捜査・・・なんならケイサツ案件かと身構えました。
ところがケアマネさんに連絡をとると、「要介護2の認定はまだおりてません」「こっちのばばさんからの電話ももらってません」ときた。
被害妄想おつきあい歴25年のわたくしはピンときました。
こりゃレビー型(←被害妄想の認知症)だわ(←素人考えですが・・・笑)
そう言われて初めて気づいた主人。
来てもいないヘルパーさん二人に言われてほんとに風呂に入ったんかな?
と、お腹がよじれるほど笑い転げた秋の夕餉どきでした。
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この出来事が示唆する介護制度の矛盾。
介護保険制度で、施設に入っても入らなくても手厚い介護が約束される社会ですが、サービスを受ける側の老人が 少しゆっくりさせて と妄想を抱くほどの過剰介護。
料金が高いユニークなデイサービス(←最近の老人、ちぃちぃぱっぱはイヤ、とか注文が多いのです
)に行けばそれなりの費用がかかりますが、それも大部分は税金でまかなわれます。
ありがたいことですが財源が・・・
それにしても、生成AIなみの創造性を発揮する認知症の脳。
完敗です。
