このところ体調がイマイチで、ジムにもいかず家事も放棄して映画を観ておりました。
1)善き人のためのソナタ
2006年ドイツ映画。
監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
キャスト:ウルリッヒ・ミューエマルティナ・ゲデック他
アカデミー賞 外国語映画賞受賞。
あらすじ
1984年の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)の局員ヴィースラー大尉は国家に忠誠を誓っていた。ある日彼は、反体制の疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視するよう命じられる。さっそくドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかし、聴こえてくる彼らの世界にヴィースラーは次第に共鳴していく。そして、ドライマンが弾いたピアノソナタを耳にした時、ヴィースラーの心は激しく揺さぶられる。
感想
フォローしている ジャスミン眞理子さんのブログで
「こういう作品を観ないって もしかしたら 人生の半分くらい損してるのかもよ」
と紹介されていた通り、観てよかったです。
2)ペンタゴン・ペーパーズ
2017年アメリカ映画。
監督:スティーブン・スピルバーグ
キャスト:メリル・ストリープ、トム・ハンクス他
あらすじ
ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年。国防省がベトナム戦争に関する経過や客観的な分析を記録し、トップシークレットとなっていた文書、通称“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在をNYタイムズがスクープ。アメリカ初の女性新聞発行人として足固めをしようとしていたキャサリン・グラハム、そしてその部下である編集主幹ベン・ブラッドリーをはじめとするワシントン・ポスト紙の面々は、報道の自由を統制し記事を差し止めようとする政府と戦うため、ライバル紙であるNYタイムズと時に争いながら連携し、政府の圧力に屈することなく真実を世に出そうと決断する―。
感想
ややもすると歴史に埋もれてしまいそうな中途半端なネタが、スピルバーグの手によって壮大な社会派エンタテインメントに仕立てあがっています。メリル・ストリープの存在感が際立っています。
フィンランドのアキ・カウリスマキ監督による (敗者)3部作
①『浮き雲』1996年
キャスト:カティ・オウティネン、カリ・ヴァーナネン他
あらすじ
電車の運転手ラウリとその妻でレストランの給仕長イロナは、不況のあおりを受けて同時期に失業してしまう。2人は職探しを始めるが、なかなかうまくいかず……。
感想
紀伊国屋ホールとかそういうところで演劇を観ているような錯覚にとらわれます。余計なものをそぎ落としてもなお残る、人間の生の声が聞こえてくるようです。
②『過去のない男』2002年
キャスト:マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン他
あらすじ
夜行列車でヘルシンキに着いた男が、暴漢に襲われて重傷を負い、極貧の一家に拾われて命は取り留めるが、記憶喪失に。日雇い労働をして暮らすようになった彼は、救世軍で働く女性イルマと出会い、心を通わせていく。
感想
これも戯曲にありそうな筋立てですが、より映像的です。過去を失うってちょっとファンタジックだなと思ったりもしました。クレイジーケンバンドの「ハワイの夜」が挿入歌として登場して監督の日本好きが伺えます。
③『街のあかり』2006年
キャスト:ヤンネ・フーティアイネン、マリア・ヤルヴェンヘルミ、イルッカ・コイヴラ、カティ・オウティネン他
あらすじ
恋人も友人もいない夜警員コイスティネンは、カフェで声を掛けてきた美しい女ミルヤに恋をする。しかし彼女はマフィアが送り込んだ情婦だった。強盗の罪を擦りつけられたコイスティネンは逮捕され、1年間の服役を言い渡されてしまう。
感想
ありがちな筋書き。主人公は最後までアホでオチが弱いところがいい。全体に昭和歌謡のようなメロディーや空気を感じるのは私だけでしょうか。
画像はすべてお借りしました。
体調イマイチの時に観るとしたら、
2) 3) 1) そしてフィンランドの敗者3部作の順でしょうか。3部作も一本が1時間半以上ありますので相当暇じゃないと・・・
2)3)1)のように製作費がかかってる映画はエンタテインメントとして簡単に頭や気持ちを休めてくれます。
ただ、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督の映画、どれも半端ない余韻があります。
制作費はものすごく抑えられてるんですけれど。