20日に死去した エズラ・ボーゲル ハーバード大学名誉教授が、かつて日経新聞の記者に言った言葉である。(日経新聞より)
(日本経済新聞より)
エズラ・ボーゲル氏は1979年のベストセラー「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著者で、日本や中国など東アジアの専門家。
この方、社会学者として東アジアをとことん研究し、学者の視点でその研究成果を世界に紹介し続けた。
以下、日経新聞より
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ベストセラーになった「ジャパン・アズ・ナンバーワン」も執筆動機は同じだ。社会学者として見聞した日本の独自性を紹介したら、たまたまよいところが多かった。それを「ジャパン・イズ・ナンバーワン」と勘違いし、舞い上がった日本人にその後も日本を持ち上げる論評を期待され続けたのは不幸なことと言わざるを得ない。
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アズとイズを誤解した日本人はその後、85年のプラザ合意に始まる急激かつ常軌を逸した円高に翻弄される。そしてそれを克服すべく金融緩和を続けた結果、生まれたのがバブル。
こうして日本人は、勘違いの「ジャパン・イズ・ナンバーワン」教への帰依を深めてしまった。この辺りは悲劇というか、泣けます
でも、それを冷徹に見抜き、分析できる学者やセントラルバンカー、そして政治家がいなかったのも事実。
そして、バブルに踊り、「ジャパン・イズ・ナンバーワン」教に洗脳された日本人は、「アメリカに行って学ぶことはもうない」なんて言ってどんどん内向きに。
かと言って、国内の大学の教育レベルがあがったとは到底言えないんじゃないのかしら 。
今では子供を自費で学部留学させる財力を持つ親も少なくなり、企業の体力も弱り続けて企業派遣の留学も減る一方。
ボーゲル先生はかつて言いました。(2007年ごろ コラム「世界の街角から」より)
「あなたもハーバードを見ればわかるでしょう。中国人留学生が日本人より圧倒的に多い。10年前までは政府派遣が多かったが、今は、経済繁栄と一人っ子政策のせいで自費留学がほとんどです。この生徒たちは日本の学生と三つの点でまったく異なる。第一は、英語の下手さなど気にしないで、クラスで堂々と意見を言う。第二に、学位を取ると米国企業に就職する。アメリカの企業は彼らを喜んで受け入れ、いずれ北京や上海の支店で使う。第三に、彼らは喜んでアメリカ人となる。
同じ経済関係でも米中と日米は異なります。中国からアメリカへの製品輸出のほとんどは米国から中国に進出したナイキやIBMのように米国企業のもの。トヨタを輸出する日本と全然違う。こうした米中の経済関係の発展を考えると、否応なく米中の対話、交流が量、質とも日米を追い抜くことは避けられないと思います」
この結果が今の米中貿易戦争、なのかもしれないけど、完全に中国の勝利ですね。
そして、そのはるか後方に今の日本の風景があります。
プラグマティックなゴールを追求するのでは勝てない時代に、小さい頃から塾に通い、勉強して、いったいどこに向かっているのか。
タイトルの「君の英語より私の日本語のほうがうまいから、インタビューは日本語で・・・」には続きがあります。
「日本人は誤訳が多くてね」