ソニーのラジカセ CF-1700 ♬真珠貝の唄(ビリー・ヴォーン楽団) | ☆ Pingtung Archives ☆

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60代おばちゃんの徒然です。映画やドラマ、本、受験(過去)、犬、金融・経済、持病のIgGMGUSそして台湾とテーマは支離滅裂です。ブログのきっかけは戦前の台湾生まれ(湾生)の母の故郷、台湾・屏東(Pingtung)訪問記です。♬マークは音楽付き。

とあるオークションで手に入れたSONY CF-1700。

発売は昭和48年3月。

重くていい音。当時のSONYの勢いを感じる名作です。

 

当時のカタログ↓

 

このラジカセとの出会いは中学生になって間もない頃。九州の超絶田舎に引越してからしばらくたったある土曜日の夕方。

母がこのラジカセの大きな箱を抱えて帰ってきた。

 

「Pingtung、ラジカセ買ってきた」

「えっ!?」

頼んでもないのに・・・びっくり と戸惑う私。

「これで基礎英語録音して勉強するといいんだって!」

 

田舎の中学校でもNHK基礎英語を推奨するぐらいの英語教育は浸透していた。

けれども、らじるらじるもRADIKOもない当時、ラジカセのない家庭では放送時間に合わせてラジオの前に座るしかなかった。そのことに特に不自由を感じているわけではなかったけれど、ラジカセは別の目的のために欲しいと思ってはいたグラサン

 

ときおり外国人が訪れ、英語への意識が比較的高い職場で、母は職場の人から英語の勉強には”ラジカセ”が便利で、機種はこのSONYのCF-1700がいいときいて、そのまま仕事帰りにフェリーで町にわたり、ベスト電器でこれを買ってご帰還したのだった。

 

当時住んでいたのは通学にヘルメットとゴーグルが必要なくらいの危険と隣り合わせの「手つかずの自然」しかない場所。

「勉強用」に買ってくれたわけだけれど、久しぶりに文明に触れた気がして素直に嬉しかった。

その日から、このCF-1700 は「手つかずの自然」以外の世界に旅する私のバディとなった。

 

当時のNHKラジオ基礎英語の講師陣は、

 

東後勝明

マーシャ・クラッカワ

それからメアリ・サザランド(画像なし) など。

 

音声だけ、だからこそなのか、今でも当時のNHKラジオ基礎英語の放送が耳元によみがえる。

 

朝晩、この人たちの垢ぬけた英語をきいていて学校の英語の授業を受けると、学校の先生の話す英語がアラビア語かなんかにしか聞こえなかったのをおぼえているニヤリ

教科書はNew Princeでたしかこんな表紙。Ben and Lucyのお話で、This is a pen. で始まった・・・ このあたりが今日の日本がこんなに沈んでる理由でしょうか真顔

 

その東後勝明先生、ちょっとググってみたら、昨年亡くなったのですね。淋しい限りです。お世話になりました。

 

ただ、当時の私は基礎英語よりも音楽番組のエアーチェック(スンマセン。死語です滝汗)に忙しく、小遣いの相当部分を音のいいメタルのカセットテープにつぎ込んでいた。CF-1700の音質はそんな投資に応えてくれた。

 

例えば日曜夕方6時。
NHK-FMのリクエストコーナー。

石田豊というパーソナリティのおじさんが、直立不動のアナウンサーのようなしゃべりで淡々と洋楽のレコードをターンテーブルに乗せる番組。貴重なエアーチェック音源でした。

 

動画がないので番組のオープニング曲だけ↓

 

半世紀近くも前の出来事だけど、よく見るとラジカセの値段が32,800円。高かったのね。

当時のわが家の家計を思うと、こんな高いラジカセを買ってくれた母の太っ腹に感謝。

半世紀たって初めて親の心が身に沁みます。