(たぶん)リンデロンのおかげで「においのある生活」を満喫していて、前回から間があいてしまいました。このひと月、嗅覚のありがたさを実感しているのですが、リンデロンにも逓減効果?があるのか、次第に鈍ってきているような気もします。あす呼吸器内科にかかりますが、ヌーカラからファセンラに変えてもらおうか(それでリンデロンからおさらばできるのか?)相談してみようと思います。
さて先日、久しぶりに韓国ソウルに行きました。市庁前広場では大統領の弾劾(罷免)賛成・反対を叫ぶ人たちがテントを張って何やらやっておりましたが、そちらの観察はさておき、今回はごく一般的な食べ歩きの感想を。
驚いたのが物価の上昇です。昼食に好適なメニュー(各種찌개、各種국밥、칼국수などなど)が軒並み1万ウォンオーバーになっています。ざっくり1000円以上ですから、これはもう日本における韓国料理屋さんのランチとほぼ変わらないですね。物によってはむしろ高い。
そして夜の一杯では、韓国焼酎やマッコリが1本だいたい7000ウォンです。こちらはまだ格安感がありますが、私の感覚では3~4000ウォンほどでしたから、短期間でかなり値上がりしたと思います(それでもガンガンいってしまいますが…)。
かつて、現地で本場の料理をいただくのは味と価格の両面でかなりお得感がありました。でも今は、現地の物価上昇、そして日本でも韓国料理の一般化が進んでそれなりのものを楽しめるようになっているので、お得感はすっかり低下しましたね。
街なかに「1人で入れます」とうたう食堂が結構できていました。食事は複数で行くのが普通(正常!)で、もし1人で食事するとしたら友人がいないか人間関係に問題があるといった偏見が長らくありました(私も駐在中は結構気を遣いました)が、そんな窮屈な縛りが弱まってきたのは歓迎すべきでしょう。韓国でも人気の「孤独のグルメ」が影響したという話も聞きますが…いやはや文化の力は偉大です。
一方、別の意味で驚いたのが居酒屋です。日本語の看板を掲げた日本式居酒屋はもう珍しくも何ともありませんが、韓国人の先輩と一献やろうと入った店(複数の場所に同名の店舗があったので儲かっているのでしょう)が、がっかりというか、昔なつかし「なんちゃって系」だったのです。
「本場の味」をアピールしていたハイボールは、何を混ぜているのかサイダー割のような甘々で、ウイスキー感ゼロ。ア◯ヒ生ビール(ホンマか?)は発泡酒にも劣るレベル。これらが9000ウォン。店員に「オーダーはマストです」と強制(なんでやねん!)されてやむなく注文したシシャモ5匹は、生焼け状態で経験したことのない歯ざわり…これほんとにシシャモ?という代物が17000ウォン。赤霧島の5合瓶があって、ボトルで売っているというので値段を聞くと17万ウォン。ぼったくりバーですか?こりゃ、うまくやれば商売できるかもなと思ってしまいました。
留学時代を過ごした30年前ならともかく、これだけ日韓で往来が増えて、現地の味を知る人たちが劇的に増えているはずなのに、いまだにこのような「なんちゃって日本式居酒屋」が幅を利かせているとは…しかも現地のお客さんが結構入っているんですよね。店員の服装もいかにも日本式だったのですが、こういう店は行かないほうが無難ですね。
円安の影響もあるとはいえ、日本は1人当たりGDPが韓国に抜かれています。世界でも物価が高いとされていたTOKYOはどこへやら。東京ドームの生ビールが900円で「安すぎて美味すぎる」と外国人に大ウケだったというニュースを見ましたが、そりゃ訪日外国人も増えますわな。懐かしい久々のソウルでしたが、日本の経済力低下を感じさせる旅になりました。