今までマラソンなど全く興味なかったのであるが、なぜか挑戦してみたくなったのだ。
というのも、たぶんであるが、具体的に自分の限界レベルが上がっているのをあまり感じる機会が、最近あまりなかったので、客観的に自分の限界が上がっているということを見たかったからかもしれない。(というか自分の限界を上げる作業ということを怠っていた?)
ということで、昨年末ぐらいにエントリーし、まだまだ何ヶ月もあると思っていたが、もう当日になっていた。
一応、私のレベルなりにトレーニングはしてきたので、まあ大丈夫だろうとは思っていた。だがしかし、やっぱり21KM=13マイルって結構大変。久しぶりに、何かに対してがんばってみた。
人間たまには、こういうことすることも必要なのである。
せっかくなので、タイムは遅いが、運動音痴の私が今回実践してきたトレーニングと、当日の様子をなんとなく記録に残したいので書いてみる。
4ヶ月間のトレーニング
平日は、朝にジムに行くことぐらいしかできないし、ジムの営業時間も6時半からで、長距離通勤の私にはのんびりしている余裕はない。それなので、朝はマシーンで、3.5kmを私にとっては早めのスピード(1時間11.5kmのペース)で走ることに集中した。
一応、日本に一時帰国していた1週間を除き、会社に行く前には必ずジムに行っていた。たまに前日飲みすぎで、2kmぐらいしか走れなかった日もあったが、まあそれくらいなら許されるかな?
週末には、ジムでいつもの早め(注:私にとってといことです。)のスピードで、3.5km走り、それからジムの外で長距離を走ることにしていた。
晴れた日などは、外を走るほうが断然気持ちがいい。おまけに、私の行っているジムの周りは、新しく開発途中のエリアなので、非常に静かで、車の通りも少ないのである。
ということで、ジムの周りが私の練習場になっていた。おまけに、走った後はジムに戻ってシャワーも浴びることができるので、またまたとても都合がよい。
特にここ数週間は、ジムの周りの水仙たちがとてもきれいに咲いており、走るのも楽しかったのである。
そして、ハーフマラソンの距離(21km)は、2回試しに走ってみた。2月半ばには、2時間半、先週は2時間15分とタイムがあがっていたので、本番の目標は2時間と決めていた。
ハーフマラソン前日
今までの傾向から、10km以上の長距離を走ると足の筋肉が消耗するからか?10km以上を走った日の翌日のタイムはがっくーーんと落ちることに気がついていた。それなので、マラソン前日には、軽いトレーニングにしようと前々から決めていた。
前日は、いつもの早めペースの3.5kmを走り、それからプールでとろとろと20分泳いで、前日の調整ということにした。
そして、いろんなWEBサイトで書いてあった通り、前日は炭水化物を摂ってみた。私は、基本的に炭水化物大好きなので、いつもとそれほど変わらないメニューとなる。しかしながら、土曜日の夜にパスタを出されたあいつは、少々物足りなさそうで、かわいそうだったのである。
しかし、仕方ないのだ。あいつのことまで考える余裕は、皆無である。そして、明日のウエアーや持ち物を準備して、11時には、爆睡した。いつも、どこでも、どんなことがあろうとも、かなりの確率で爆睡できる私って、ほんと幸せだと思う。
ハーフマラソン当日
さて、当日は目覚まし時計の30分前に、勝手に目が覚めた。やはり緊張している証拠だろうか。そして、バナナとシリアル、昨日HBで焼いたパンをかじる。
全てが予定通りである。
あとは、私を送っていくあいつが、ちゃんと時間通り起きてくることを祈るのみである。
さすがに、あいつも昔はレースなどをしていたので、レース前のことはよくわかっており、うるさいが、いろいろ忠告される。
まあ、あいつのおかげでちゃんとストレッチする癖もついたし、今日の私の緊張感も理解はしてくれているので、よしとしよう。
それにしても、会場まで車ですぐなのである。自分の町でこういうイベントがあるのは、非常に便利である。おまけに、今日は自分の知っている場所ばかりを走るのである。これもある意味とっても楽しそうなのである。
今日の天気は曇り。気温は、10度もいかないぐらい。走るには、最高のコンディションなような気がする。
とうとう会場に到着
といっても、私たちは地元なので、会場への裏道を知っているのである。それなので、適当な場所に車を置いて、変な柵があるところから徒歩で、会場に向かっていく。
私は、正当に、オフィシャルな駐車場の予約をしようとしたのに、あいつが”そんなことしなくていい”と強硬に反対をしたために、こんな変な場所からのこのこ行くこととなる。まあ、これはあいつらしくていいのではあるが。
朝のきれいな空気の中、似た様な格好の人たちが集まってくる。
レース会場というか、いろんなテントやトイレがある場所に到着して、これまたびっくり。ものすごい人たちである。おまけに人口密集度も高い。ここでテロがあったら、すごいことになるなあとも思いながら、この町はそれほどメジャーな町ではなく知名度も高くないので、テロも狙わないだろうなあと思ってみる。
ここで受付があるのかなあと思ったが、受付はなく、荷物を預けたい人はここで預け、最後のトイレを済ますことができる。コーヒーやバーガーやビールを売るお店とくかバンとかも準備を始めている。着替えなどもできるらしいが、私は地元なので、家から走る格好で来た。
今日参加する人たちは、なんと2万人近いという。どこを見ても人だらけである。久しぶりにこんな人ごみに来たので、少々気分が悪くなる。それなので、近くでウォームアップをすることにした。少しだけだが、やっぱり走ると気持ちいいのである。
そして、あいつに水飲めとか、今最後の栄養補給をするんだとかいろいろ言われたので、持ってきた水を飲んだり、バナナを食べたり、チョコレートを食べたりしてみた。今回はスタミナ切れをすることがなかったのは、レース30分ぐらい前に栄養補給をしたからかもしれない。まあ、あいつに感謝である。
山でもそうであるが、エネルギーがなくなると、本来ならばできることも、できなくなるのである。
おまけに、運動するときは、甘いものを食べても罪悪感がないのである。
早く走りたい・・・
さて、ランナーは、スタート地点に行けというアナウンスが始まっているので、スタート地点に向かってみた。ところが、ものすごい人で、なかなか進まない。こんなことでは、時間内にスタート地点に着かないのではないかという不安にかられる。
ハーフマラソンからくるメールやパンフレットでは、スタートは10時きっかりである。みたいに書かれていたのである。しかしながら、まさかこんな大量の人がスタート地点に到着しない段階で始めることはないであろう。
とろとろ進んでいくと私の色グリーンの人たちのスタートラインに到着した。ランナーのゼッケンは、赤や青、黄色、グリーンと色わけされている。エントリーするときに、私は予定ゴール時間は2時間と自己申告したので、どうやらグリーンのゼッケンで、この位置のスタートらしい。
あいつは、こんな後ろからスタートすることが非常に信じられないらしく、自分だったらうそでも早い時間を申請して、前のスタートにすると賜る。
”いや、私は別に他の人と競争するために出てるんじゃない。”
と強硬に反発する。あいつは、自分のレース経験から、人に勝つこと至上主義みたいになってしまっているのだ。私は、自分との戦いをするだけである。他の人は一緒に走る仲間みたいなものである。競争相手では、絶対にない。
さて、私のスタート地点で、あいつとバイバイである。今回はあいつが来てくれたので、荷物を持ってもらい、おまけに寒くならないように羽織っていたフリースもスタート地点であいつに預けることができた。これは、あいつに感謝しなくてはならない。
先ほどから気になっていたのであるが、周りにごみ袋を体に巻きつけている人たちが結構多いのである。これは、寒くならないようにする知恵であるようである。観覧者がいない場合には、こうするしか方法がない。
しかしながら、スタート時間が近づいてくると、今度はフリースやパーカーまでもフェンスにひっかける人たちが増えてくる。
”おお、捨ててしまうのか。”
後で、取りにくるのかどうか分らないが、かなりの数のフリースやジャケットが、フェンスにひっかけられている。見た目ぼろぼろのが多いので、おそらくなくなってもいいと思っているのだろう。
しかし、これも理解できてしまうのである。今日ぐらいの気温に半そででいると、本当に凍えてしまうから。やはりごみ袋オプション+ごみ箱設置が、まだましな選択であろうか。
ストレッチなどをしながら、スタートを待ち、いつのまにか10時になっている。しかしながら、全くスタートする気配がない。それとも早い人たちから順番に出発し、私みたいに遅い人たち組みの出発は、もっと後になるのだろうか。
ストレッチをしたりしているが、いい加減に飽きてきた。早く出発したいのである。そうしたら、とろとろと列が動き出した。そしたら、いきなり、みんなランニングモードになってきた。
まだスマホのアプリも準備してないし、このいきなりスタートにあたふたしたが、なんとかスマホ準備完了し、私もまともに走り出した。
目標2時間=あっさり見えなくなる。
ラッキーなことに、私のすぐ近くに2時間のペースメーカーの人がいたのである。彼にくっついていけば、目標達成なのである。
ということで彼にしばらくくっついていくことにした。
案外ついていけるものである。目標タイムのペースメーカーと同じ集団で走っているのだ。道路にでて、大学ぐらいまでは、なんと2時間のペースメーカー集団に。おまけに、私のアプリもかなりいい感じのペースで走っていることを教えてくれている。
しかしながら、今までこんな早いペースで走ったことがない。しかし、まあ本番マジックってことで、いいかなってことで、このままいけるとこまで行くことにした。
初めのWater Pointは、そのまま通りすぎる。まだのど渇いてないし、ペットボトル1本なんて、飲みきれない。
たまに、きつい登り坂があり、非常に苦しい。山なら登り坂なんて、いつものことだが、走る状態で登り坂って、こんなにきついんだ。周りの人たちもみんな苦しそうである。
そうして、大学の方まできた。この大学を一回りして、今度は駅の方まで行くのである。
今までかろうじて、2時間のペースメーカーの人を見ながら走っていたが、とうとう大学あたりで時間のペースメーカーの人が見えなくなる。
ああ、これで目標達成は無理である。しかしながら、私のアプリでは私が今まで走ったことのないペースの記録がされている。
2時間は無理でも、2時間ちょっとってことを目標にがんばることにした。さすがあきらめの早い私である。
マラソンっていいかも!
大学では、オーケストラ?ブラスバンド?が集まり、応援してくれる。そして、ランナーもみんな手を叩きながら、ノリがいい。ほんと、音楽ってすごく励ましてくれるし、ランナーのノリのよさもいい。日本のマラソンもこんな感じなのかしら。このマラソン中に、ロックバンドが2組ぐらい、ブラスバンドみたいなのが、2,3組いたような気がする。そのたびに、隣で走っている知らない人たちと、一緒に喜びながら、拍手したりするのである。ぼろぼろに疲れているのに、ほっこりする瞬間が、結構あるのである。
沿道にもたくさんの人たちがいて、スイートを勧めてくれたり、ゼッケンに名前が書いてあるので、名前を呼んでくれたり、周りの人たちにとっても励まされるのである。私の名前は、簡単だからか、何人もの人に名前を呼んでもらった。それから沿道の人たちが、手を出してくれてるので、タッチしたり。へえ、マラソンって、なんだかいいって発見も多いのである。
今までこのマラソンの日は、なるべくこのエリアに近づかないように、家でおとなしくしていた。しかしながら、ここら辺の人たちにとっては、マラソンの日はお祭りみたいな感じである。住宅街もかなり走るので、たくさんの人たちがお家の前にでてきて、お茶とか飲みながら、応援してくれたり、とても和やかなのである。そして、小さい子が、タッパーみたいのに、スイーツをたくさん入れて、勧めてくれたりもする。これを毎年見て育った子供とかは、自分もそのうち走ってみようとか思うんだと思う。
それから、沿道の人がみんな言っていたのは、
”Keep Going”
であった。日本では、がんばれ!だろうなと思う。
意外な発見
山での傾斜に慣れているからであろうか?私は、登りの坂道も下りも坂道も他の人に比べると異様に早かったのである。もちろん登りは、つらくて速度はおちるのであるが、なぜか周りの人をぐんぐん抜いているのである。下りもそうである。せっかくの下りなので、少しでもスピードを稼がなくてはと、可能な限り重力を利用して駆け下りていると、周りの人たちをたくさん抜かしていたのである。
これは、山での経験のせいなのだろうか。私は、傾斜があるところは他の人と比べると得意らしいのである。
半分ぐらいが一番苦しい
このマラソンでは、Km表示ではなく、マイルで全てが表示されていた。21kmということはわかっているが、今までのトレーニングもKMベースでやってきたので、マイルで言われるといまいちピンとこない。21kmってたしか、13マイルぐらいだったかなあ?とかなり曖昧な記憶で、マイルでの案内板を見ていた。それとアプリのKmもたまにチェックしていた。
それにしても自分の町を走るってのも、かなりおもしろい。今まで車で通っていた道を走ったり、駅の方までも走るのである。
ちょうど駅周辺が半分ぐらいの地点である。これぐらいになると、もうただただ無心で前の人について走っているだけである。
6マイルぐらいで、まだ半分以上もあると精神的打撃を受けたりもする。
しかしながら、今私がしなくてはならないことは、とにかく走るのみ。ハーフマラソンに出ると言いふらしてきたので、会社の上司や同僚の顔も浮かんでくる。
この手は、キリマンジャロに行った時も使ったが、ちょっと無理かもと思うことに挑戦する時には、周りの人に言いふらすってことは、苦しいときの背中の後押しになる。自分を追い込むためにも、ちょっと大変な挑戦をするときには、周りの人たちに言いふらすのはとても有効である。
そんなこんなで思い出したくもない会社の上司の顔なども思い出しつつ、6,7マイル付近を乗り越える。
駅をでてからは、事前に地図の確認をほとんどしていなかったので、どこに行くのかさっぱりわからない。しかしながら、まだ半分の地点なので、さすがにスタジアムにすぐ戻るってことはないだろうと、更に走ることを覚悟してみんなの後に、くっついていく。
進んでいくと、自分のフラットに少々近いとこまでもきた。(私は郊外に住んでいるので、それでも車で20分ぐらいはかかるエリア。でも比較的フラットに近いとこ。)やっぱり普段よくくる場所になると、なんとなくうれしくなる。
途中で、水道管が破裂したのかと一瞬思ったが、水がプシューっとでている場所もあった。そこを通ると気持ちいいのだ。日本にもこんなエリアがあるのだろうか。
そうそう、水をくれる場所もかなりあったのであるが、私は結局2回だけお水をいただいた。走る直前に、水を飲んだからかわからないが、ほとんど喉の渇きを覚えることなく、快適な状態であった。
それにしても、非常に心苦しかったのが、ペットボトルや、コップなどが道に大量に捨てられることである。私はかろうじて、普通のごみ箱を発見したので、ごみ箱に捨てることができたのであるが、ごみ箱の設置がないので、みんな道路に投げ捨てである。
まあ、そのために、ごみと回収してくる人が大量に配置されているみたいなのではあるが、なんともあの光景は、日本人としては、なんだかと思ってしまう。日本のマラソン大会ではどうなのであろうか?
私がいただいた水は、ペットボトルに入っているタイプのものではなく、ビニールに入っている少量パックのものであった。どうやってあけるのだろうかと四苦八苦していると、隣の女の子も分らずに私にどうやってあけるか聞いてくる。私もわからないといい、二人で四苦八苦していると、その女の子が”これはもう開いてるよ!”と教えてくれた。この小さい水パックは、量もちょうどよいし、持ちながら走ると、冷たくて気持ちよいので、とても気に入ったのである。
最後の1000mもきつかった
さてさて、もう朦朧状態で、走っていくが、周り人たちのペースも私のペースも落ちていく。アプリもいつもの私のペースに戻っていることを私に告げてくれている。
たまに、道路のはしっこに倒れて苦しそうにしている人たちを見かけたりもする。
もし、何の準備もせずに、この距離に望んだら、私レベルであれば、そうなってしまう確率が非常に高い。大したことないが、一応トレーニングしていても、半分過ぎたぐらいから、足が痛くなってきている。やはり、まだ足の筋力が足りないらしい。
途中で、私がよく利用する道路でもあり、ゴールのスタジアムにつながっている大通りに出た。ここからの道は、本当に毎日通っている道路なので、車ではどれくらいかとてもよく分っている。
しかしながら、これは走るとそこそこの距離であるはずである。いつもの道路の片側が閉鎖され、私たちは閉鎖されている道路をひたすら走る。ここら辺になると、みんなゴールが近いことがわかっているから、ラストスパートをする人たちも増えてくる。私も最後の力を振り絞ろうと思うが、体が動かない。
ここら辺ぐらいであろうか。後ろからペースメーカーの人が来た。2時間半のペースメーカーか・・・・・と一瞬気を失いかけたが、そのペースメーカーの人が持っているフラッグを見るとなんと”2時間05分”と書いてある。
まさか、5分おきにペースメーカーがいるなんて、思いもしなかったのである。そして、2時間のペースメーカーからあんだけ遅れても、まだ2時間5分圏内にいたなんて、ちょっとうれしくなる。しかしながら、2時間5分のペースメーカーの人も私の視界からだんだん遠のいていく・・・。
そして、運営している人たちであろう。”あともう少しよ!あなたたちよくやったわ!”と応援してくれる。
あと少しと言う言葉を信じて、とにかく走るというか、私はかなり失速しながらも前に進むことに集中した。
しかしながら、こんなぼろぼろになっている私たちの横をメダルを掲げて、参加賞みたいな袋を持ちながら、徒歩で歩いて逆流している人がちらほらいる。
その人たちのゼッケンは、赤とかなので、彼らはどうやらもうゴールして、帰宅しようとしている人たちのようなのだ。私たちが、こんなとこで、苦しんでいるのに、もうゴールして、帰宅途中とは!
あの人たちは、走るのが速いから、早く帰ることができるのだ。私は、走るのが遅いので仕方がない。
そして、最後1000mという看板があった。1000mっていったって、既に失速を始めている私には、そこそこの距離である。”あと1k”と周りの人たちが励ましてくれるのだけが、救いである。
そうすると13マイルという看板も見えた。しかし、スタジアムはまだである。ということで、ハーフマラソンは、13マイルプラス何百メートルだったようである。まあ、どうでもよいのであるが。スタジアムに入る前に”Mizuno”の大きいゲートが向かえてくれる。これはかなりよい宣伝になっているのではないだろうか。Mizunoって、普通の人たち知らないだろうし。私だって、ランニングシューズとかまで製造しているなんて、今まで知らなかった。
そうして、とうとうやっとこスタジアムの中に入った。
おお!スタジアムってかっこいい!スタジアムでのゴールって、非常に気分がいいのである。
大失速している私であったが、最後の100mぐらいは、ラストスパートしてみた。
それにしても!終わったのである!後半に失速したことを抜かしては、ほぼ計算通り。きつかったが、とても楽しかったのである。
ゴールして、へろへろしていると。私のスマホがぶるぶるした。ふと見ると、”Well Done ! あなたのタイムは、2時間7分だったわよ”ってテキストが来ていた。さすが、最近のマラソン大会である。自分のタイムをこんな形で知ることができるのもおもしろいのである。
タイムは前の練習時よりもよかったし、来年の目標はやはり2時間以内か。
スタジアムを出ると、まず保温のためだろう、ビニールのマントみたいなのをもらうことができる。これがなかなかあったかいのである。
それから、完走のメダル、スポーツドリンクや水、そして完走お祝いグッズをもらえるのである。これがなかなかうれしいのである。
マラソン後
まず翌日の朝のラジオが楽しみだったのである。私が、毎朝聞いているローカルのラジオ局のDJも、このマラソンに挑戦していたので、その結果を知りたかったのである。どうやら彼女も完走したらしい。
おまけに、そのラジオ局では、ハーフマラソンの話題を非常に出したがるので、いくら遅いとはいっても完走している私には、聞いていて非常に心地よい。
翌日には、メールが来ており、自分のタイム、5km刻みのタイムなども教えてくる。それから、写真のリンクも送ってくれており、自分の名前を入力すると自分が写っている写真を見ることができるのだ。私の写真は9枚あり、ほとんどが死にそうな顔で走っている。それなので、50ポンド以上払ってダウンロードすることを悩まずにすんだのである。
最近のテクノロジーを使うといろんなことができるのらしい。日本のマラソンもこんな感じなのだろうか。
会社でも、完走したことを言いふらす。あーあ、ほんと楽しかった。けれども足はやっぱりまだ痛い。
*********
ゴールのスタジアム
こんな中でゴールできるってのもなかなかよい気分である。ちなみに、真ん中にはMizunoの巨大なランニングシューズのオブジェが。これ、かなりいい宣伝になっている気がする。
だってここにいる人たち、ほぼ全員がターゲットになるもん。
最後にもらった完走記念グッズたち。
というのも、たぶんであるが、具体的に自分の限界レベルが上がっているのをあまり感じる機会が、最近あまりなかったので、客観的に自分の限界が上がっているということを見たかったからかもしれない。(というか自分の限界を上げる作業ということを怠っていた?)
ということで、昨年末ぐらいにエントリーし、まだまだ何ヶ月もあると思っていたが、もう当日になっていた。
一応、私のレベルなりにトレーニングはしてきたので、まあ大丈夫だろうとは思っていた。だがしかし、やっぱり21KM=13マイルって結構大変。久しぶりに、何かに対してがんばってみた。
人間たまには、こういうことすることも必要なのである。
せっかくなので、タイムは遅いが、運動音痴の私が今回実践してきたトレーニングと、当日の様子をなんとなく記録に残したいので書いてみる。
4ヶ月間のトレーニング
平日は、朝にジムに行くことぐらいしかできないし、ジムの営業時間も6時半からで、長距離通勤の私にはのんびりしている余裕はない。それなので、朝はマシーンで、3.5kmを私にとっては早めのスピード(1時間11.5kmのペース)で走ることに集中した。
一応、日本に一時帰国していた1週間を除き、会社に行く前には必ずジムに行っていた。たまに前日飲みすぎで、2kmぐらいしか走れなかった日もあったが、まあそれくらいなら許されるかな?
週末には、ジムでいつもの早め(注:私にとってといことです。)のスピードで、3.5km走り、それからジムの外で長距離を走ることにしていた。
晴れた日などは、外を走るほうが断然気持ちがいい。おまけに、私の行っているジムの周りは、新しく開発途中のエリアなので、非常に静かで、車の通りも少ないのである。
ということで、ジムの周りが私の練習場になっていた。おまけに、走った後はジムに戻ってシャワーも浴びることができるので、またまたとても都合がよい。
特にここ数週間は、ジムの周りの水仙たちがとてもきれいに咲いており、走るのも楽しかったのである。
そして、ハーフマラソンの距離(21km)は、2回試しに走ってみた。2月半ばには、2時間半、先週は2時間15分とタイムがあがっていたので、本番の目標は2時間と決めていた。
ハーフマラソン前日
今までの傾向から、10km以上の長距離を走ると足の筋肉が消耗するからか?10km以上を走った日の翌日のタイムはがっくーーんと落ちることに気がついていた。それなので、マラソン前日には、軽いトレーニングにしようと前々から決めていた。
前日は、いつもの早めペースの3.5kmを走り、それからプールでとろとろと20分泳いで、前日の調整ということにした。
そして、いろんなWEBサイトで書いてあった通り、前日は炭水化物を摂ってみた。私は、基本的に炭水化物大好きなので、いつもとそれほど変わらないメニューとなる。しかしながら、土曜日の夜にパスタを出されたあいつは、少々物足りなさそうで、かわいそうだったのである。
しかし、仕方ないのだ。あいつのことまで考える余裕は、皆無である。そして、明日のウエアーや持ち物を準備して、11時には、爆睡した。いつも、どこでも、どんなことがあろうとも、かなりの確率で爆睡できる私って、ほんと幸せだと思う。
ハーフマラソン当日
さて、当日は目覚まし時計の30分前に、勝手に目が覚めた。やはり緊張している証拠だろうか。そして、バナナとシリアル、昨日HBで焼いたパンをかじる。
全てが予定通りである。
あとは、私を送っていくあいつが、ちゃんと時間通り起きてくることを祈るのみである。
さすがに、あいつも昔はレースなどをしていたので、レース前のことはよくわかっており、うるさいが、いろいろ忠告される。
まあ、あいつのおかげでちゃんとストレッチする癖もついたし、今日の私の緊張感も理解はしてくれているので、よしとしよう。
それにしても、会場まで車ですぐなのである。自分の町でこういうイベントがあるのは、非常に便利である。おまけに、今日は自分の知っている場所ばかりを走るのである。これもある意味とっても楽しそうなのである。
今日の天気は曇り。気温は、10度もいかないぐらい。走るには、最高のコンディションなような気がする。
とうとう会場に到着
といっても、私たちは地元なので、会場への裏道を知っているのである。それなので、適当な場所に車を置いて、変な柵があるところから徒歩で、会場に向かっていく。
私は、正当に、オフィシャルな駐車場の予約をしようとしたのに、あいつが”そんなことしなくていい”と強硬に反対をしたために、こんな変な場所からのこのこ行くこととなる。まあ、これはあいつらしくていいのではあるが。
朝のきれいな空気の中、似た様な格好の人たちが集まってくる。
レース会場というか、いろんなテントやトイレがある場所に到着して、これまたびっくり。ものすごい人たちである。おまけに人口密集度も高い。ここでテロがあったら、すごいことになるなあとも思いながら、この町はそれほどメジャーな町ではなく知名度も高くないので、テロも狙わないだろうなあと思ってみる。
ここで受付があるのかなあと思ったが、受付はなく、荷物を預けたい人はここで預け、最後のトイレを済ますことができる。コーヒーやバーガーやビールを売るお店とくかバンとかも準備を始めている。着替えなどもできるらしいが、私は地元なので、家から走る格好で来た。
今日参加する人たちは、なんと2万人近いという。どこを見ても人だらけである。久しぶりにこんな人ごみに来たので、少々気分が悪くなる。それなので、近くでウォームアップをすることにした。少しだけだが、やっぱり走ると気持ちいいのである。
そして、あいつに水飲めとか、今最後の栄養補給をするんだとかいろいろ言われたので、持ってきた水を飲んだり、バナナを食べたり、チョコレートを食べたりしてみた。今回はスタミナ切れをすることがなかったのは、レース30分ぐらい前に栄養補給をしたからかもしれない。まあ、あいつに感謝である。
山でもそうであるが、エネルギーがなくなると、本来ならばできることも、できなくなるのである。
おまけに、運動するときは、甘いものを食べても罪悪感がないのである。
早く走りたい・・・
さて、ランナーは、スタート地点に行けというアナウンスが始まっているので、スタート地点に向かってみた。ところが、ものすごい人で、なかなか進まない。こんなことでは、時間内にスタート地点に着かないのではないかという不安にかられる。
ハーフマラソンからくるメールやパンフレットでは、スタートは10時きっかりである。みたいに書かれていたのである。しかしながら、まさかこんな大量の人がスタート地点に到着しない段階で始めることはないであろう。
とろとろ進んでいくと私の色グリーンの人たちのスタートラインに到着した。ランナーのゼッケンは、赤や青、黄色、グリーンと色わけされている。エントリーするときに、私は予定ゴール時間は2時間と自己申告したので、どうやらグリーンのゼッケンで、この位置のスタートらしい。
あいつは、こんな後ろからスタートすることが非常に信じられないらしく、自分だったらうそでも早い時間を申請して、前のスタートにすると賜る。
”いや、私は別に他の人と競争するために出てるんじゃない。”
と強硬に反発する。あいつは、自分のレース経験から、人に勝つこと至上主義みたいになってしまっているのだ。私は、自分との戦いをするだけである。他の人は一緒に走る仲間みたいなものである。競争相手では、絶対にない。
さて、私のスタート地点で、あいつとバイバイである。今回はあいつが来てくれたので、荷物を持ってもらい、おまけに寒くならないように羽織っていたフリースもスタート地点であいつに預けることができた。これは、あいつに感謝しなくてはならない。
先ほどから気になっていたのであるが、周りにごみ袋を体に巻きつけている人たちが結構多いのである。これは、寒くならないようにする知恵であるようである。観覧者がいない場合には、こうするしか方法がない。
しかしながら、スタート時間が近づいてくると、今度はフリースやパーカーまでもフェンスにひっかける人たちが増えてくる。
”おお、捨ててしまうのか。”
後で、取りにくるのかどうか分らないが、かなりの数のフリースやジャケットが、フェンスにひっかけられている。見た目ぼろぼろのが多いので、おそらくなくなってもいいと思っているのだろう。
しかし、これも理解できてしまうのである。今日ぐらいの気温に半そででいると、本当に凍えてしまうから。やはりごみ袋オプション+ごみ箱設置が、まだましな選択であろうか。
ストレッチなどをしながら、スタートを待ち、いつのまにか10時になっている。しかしながら、全くスタートする気配がない。それとも早い人たちから順番に出発し、私みたいに遅い人たち組みの出発は、もっと後になるのだろうか。
ストレッチをしたりしているが、いい加減に飽きてきた。早く出発したいのである。そうしたら、とろとろと列が動き出した。そしたら、いきなり、みんなランニングモードになってきた。
まだスマホのアプリも準備してないし、このいきなりスタートにあたふたしたが、なんとかスマホ準備完了し、私もまともに走り出した。
目標2時間=あっさり見えなくなる。
ラッキーなことに、私のすぐ近くに2時間のペースメーカーの人がいたのである。彼にくっついていけば、目標達成なのである。
ということで彼にしばらくくっついていくことにした。
案外ついていけるものである。目標タイムのペースメーカーと同じ集団で走っているのだ。道路にでて、大学ぐらいまでは、なんと2時間のペースメーカー集団に。おまけに、私のアプリもかなりいい感じのペースで走っていることを教えてくれている。
しかしながら、今までこんな早いペースで走ったことがない。しかし、まあ本番マジックってことで、いいかなってことで、このままいけるとこまで行くことにした。
初めのWater Pointは、そのまま通りすぎる。まだのど渇いてないし、ペットボトル1本なんて、飲みきれない。
たまに、きつい登り坂があり、非常に苦しい。山なら登り坂なんて、いつものことだが、走る状態で登り坂って、こんなにきついんだ。周りの人たちもみんな苦しそうである。
そうして、大学の方まできた。この大学を一回りして、今度は駅の方まで行くのである。
今までかろうじて、2時間のペースメーカーの人を見ながら走っていたが、とうとう大学あたりで時間のペースメーカーの人が見えなくなる。
ああ、これで目標達成は無理である。しかしながら、私のアプリでは私が今まで走ったことのないペースの記録がされている。
2時間は無理でも、2時間ちょっとってことを目標にがんばることにした。さすがあきらめの早い私である。
マラソンっていいかも!
大学では、オーケストラ?ブラスバンド?が集まり、応援してくれる。そして、ランナーもみんな手を叩きながら、ノリがいい。ほんと、音楽ってすごく励ましてくれるし、ランナーのノリのよさもいい。日本のマラソンもこんな感じなのかしら。このマラソン中に、ロックバンドが2組ぐらい、ブラスバンドみたいなのが、2,3組いたような気がする。そのたびに、隣で走っている知らない人たちと、一緒に喜びながら、拍手したりするのである。ぼろぼろに疲れているのに、ほっこりする瞬間が、結構あるのである。
沿道にもたくさんの人たちがいて、スイートを勧めてくれたり、ゼッケンに名前が書いてあるので、名前を呼んでくれたり、周りの人たちにとっても励まされるのである。私の名前は、簡単だからか、何人もの人に名前を呼んでもらった。それから沿道の人たちが、手を出してくれてるので、タッチしたり。へえ、マラソンって、なんだかいいって発見も多いのである。
今までこのマラソンの日は、なるべくこのエリアに近づかないように、家でおとなしくしていた。しかしながら、ここら辺の人たちにとっては、マラソンの日はお祭りみたいな感じである。住宅街もかなり走るので、たくさんの人たちがお家の前にでてきて、お茶とか飲みながら、応援してくれたり、とても和やかなのである。そして、小さい子が、タッパーみたいのに、スイーツをたくさん入れて、勧めてくれたりもする。これを毎年見て育った子供とかは、自分もそのうち走ってみようとか思うんだと思う。
それから、沿道の人がみんな言っていたのは、
”Keep Going”
であった。日本では、がんばれ!だろうなと思う。
意外な発見
山での傾斜に慣れているからであろうか?私は、登りの坂道も下りも坂道も他の人に比べると異様に早かったのである。もちろん登りは、つらくて速度はおちるのであるが、なぜか周りの人をぐんぐん抜いているのである。下りもそうである。せっかくの下りなので、少しでもスピードを稼がなくてはと、可能な限り重力を利用して駆け下りていると、周りの人たちをたくさん抜かしていたのである。
これは、山での経験のせいなのだろうか。私は、傾斜があるところは他の人と比べると得意らしいのである。
半分ぐらいが一番苦しい
このマラソンでは、Km表示ではなく、マイルで全てが表示されていた。21kmということはわかっているが、今までのトレーニングもKMベースでやってきたので、マイルで言われるといまいちピンとこない。21kmってたしか、13マイルぐらいだったかなあ?とかなり曖昧な記憶で、マイルでの案内板を見ていた。それとアプリのKmもたまにチェックしていた。
それにしても自分の町を走るってのも、かなりおもしろい。今まで車で通っていた道を走ったり、駅の方までも走るのである。
ちょうど駅周辺が半分ぐらいの地点である。これぐらいになると、もうただただ無心で前の人について走っているだけである。
6マイルぐらいで、まだ半分以上もあると精神的打撃を受けたりもする。
しかしながら、今私がしなくてはならないことは、とにかく走るのみ。ハーフマラソンに出ると言いふらしてきたので、会社の上司や同僚の顔も浮かんでくる。
この手は、キリマンジャロに行った時も使ったが、ちょっと無理かもと思うことに挑戦する時には、周りの人に言いふらすってことは、苦しいときの背中の後押しになる。自分を追い込むためにも、ちょっと大変な挑戦をするときには、周りの人たちに言いふらすのはとても有効である。
そんなこんなで思い出したくもない会社の上司の顔なども思い出しつつ、6,7マイル付近を乗り越える。
駅をでてからは、事前に地図の確認をほとんどしていなかったので、どこに行くのかさっぱりわからない。しかしながら、まだ半分の地点なので、さすがにスタジアムにすぐ戻るってことはないだろうと、更に走ることを覚悟してみんなの後に、くっついていく。
進んでいくと、自分のフラットに少々近いとこまでもきた。(私は郊外に住んでいるので、それでも車で20分ぐらいはかかるエリア。でも比較的フラットに近いとこ。)やっぱり普段よくくる場所になると、なんとなくうれしくなる。
途中で、水道管が破裂したのかと一瞬思ったが、水がプシューっとでている場所もあった。そこを通ると気持ちいいのだ。日本にもこんなエリアがあるのだろうか。
そうそう、水をくれる場所もかなりあったのであるが、私は結局2回だけお水をいただいた。走る直前に、水を飲んだからかわからないが、ほとんど喉の渇きを覚えることなく、快適な状態であった。
それにしても、非常に心苦しかったのが、ペットボトルや、コップなどが道に大量に捨てられることである。私はかろうじて、普通のごみ箱を発見したので、ごみ箱に捨てることができたのであるが、ごみ箱の設置がないので、みんな道路に投げ捨てである。
まあ、そのために、ごみと回収してくる人が大量に配置されているみたいなのではあるが、なんともあの光景は、日本人としては、なんだかと思ってしまう。日本のマラソン大会ではどうなのであろうか?
私がいただいた水は、ペットボトルに入っているタイプのものではなく、ビニールに入っている少量パックのものであった。どうやってあけるのだろうかと四苦八苦していると、隣の女の子も分らずに私にどうやってあけるか聞いてくる。私もわからないといい、二人で四苦八苦していると、その女の子が”これはもう開いてるよ!”と教えてくれた。この小さい水パックは、量もちょうどよいし、持ちながら走ると、冷たくて気持ちよいので、とても気に入ったのである。
最後の1000mもきつかった
さてさて、もう朦朧状態で、走っていくが、周り人たちのペースも私のペースも落ちていく。アプリもいつもの私のペースに戻っていることを私に告げてくれている。
たまに、道路のはしっこに倒れて苦しそうにしている人たちを見かけたりもする。
もし、何の準備もせずに、この距離に望んだら、私レベルであれば、そうなってしまう確率が非常に高い。大したことないが、一応トレーニングしていても、半分過ぎたぐらいから、足が痛くなってきている。やはり、まだ足の筋力が足りないらしい。
途中で、私がよく利用する道路でもあり、ゴールのスタジアムにつながっている大通りに出た。ここからの道は、本当に毎日通っている道路なので、車ではどれくらいかとてもよく分っている。
しかしながら、これは走るとそこそこの距離であるはずである。いつもの道路の片側が閉鎖され、私たちは閉鎖されている道路をひたすら走る。ここら辺になると、みんなゴールが近いことがわかっているから、ラストスパートをする人たちも増えてくる。私も最後の力を振り絞ろうと思うが、体が動かない。
ここら辺ぐらいであろうか。後ろからペースメーカーの人が来た。2時間半のペースメーカーか・・・・・と一瞬気を失いかけたが、そのペースメーカーの人が持っているフラッグを見るとなんと”2時間05分”と書いてある。
まさか、5分おきにペースメーカーがいるなんて、思いもしなかったのである。そして、2時間のペースメーカーからあんだけ遅れても、まだ2時間5分圏内にいたなんて、ちょっとうれしくなる。しかしながら、2時間5分のペースメーカーの人も私の視界からだんだん遠のいていく・・・。
そして、運営している人たちであろう。”あともう少しよ!あなたたちよくやったわ!”と応援してくれる。
あと少しと言う言葉を信じて、とにかく走るというか、私はかなり失速しながらも前に進むことに集中した。
しかしながら、こんなぼろぼろになっている私たちの横をメダルを掲げて、参加賞みたいな袋を持ちながら、徒歩で歩いて逆流している人がちらほらいる。
その人たちのゼッケンは、赤とかなので、彼らはどうやらもうゴールして、帰宅しようとしている人たちのようなのだ。私たちが、こんなとこで、苦しんでいるのに、もうゴールして、帰宅途中とは!
あの人たちは、走るのが速いから、早く帰ることができるのだ。私は、走るのが遅いので仕方がない。
そして、最後1000mという看板があった。1000mっていったって、既に失速を始めている私には、そこそこの距離である。”あと1k”と周りの人たちが励ましてくれるのだけが、救いである。
そうすると13マイルという看板も見えた。しかし、スタジアムはまだである。ということで、ハーフマラソンは、13マイルプラス何百メートルだったようである。まあ、どうでもよいのであるが。スタジアムに入る前に”Mizuno”の大きいゲートが向かえてくれる。これはかなりよい宣伝になっているのではないだろうか。Mizunoって、普通の人たち知らないだろうし。私だって、ランニングシューズとかまで製造しているなんて、今まで知らなかった。
そうして、とうとうやっとこスタジアムの中に入った。
おお!スタジアムってかっこいい!スタジアムでのゴールって、非常に気分がいいのである。
大失速している私であったが、最後の100mぐらいは、ラストスパートしてみた。
それにしても!終わったのである!後半に失速したことを抜かしては、ほぼ計算通り。きつかったが、とても楽しかったのである。
ゴールして、へろへろしていると。私のスマホがぶるぶるした。ふと見ると、”Well Done ! あなたのタイムは、2時間7分だったわよ”ってテキストが来ていた。さすが、最近のマラソン大会である。自分のタイムをこんな形で知ることができるのもおもしろいのである。
タイムは前の練習時よりもよかったし、来年の目標はやはり2時間以内か。
スタジアムを出ると、まず保温のためだろう、ビニールのマントみたいなのをもらうことができる。これがなかなかあったかいのである。
それから、完走のメダル、スポーツドリンクや水、そして完走お祝いグッズをもらえるのである。これがなかなかうれしいのである。
マラソン後
まず翌日の朝のラジオが楽しみだったのである。私が、毎朝聞いているローカルのラジオ局のDJも、このマラソンに挑戦していたので、その結果を知りたかったのである。どうやら彼女も完走したらしい。
おまけに、そのラジオ局では、ハーフマラソンの話題を非常に出したがるので、いくら遅いとはいっても完走している私には、聞いていて非常に心地よい。
翌日には、メールが来ており、自分のタイム、5km刻みのタイムなども教えてくる。それから、写真のリンクも送ってくれており、自分の名前を入力すると自分が写っている写真を見ることができるのだ。私の写真は9枚あり、ほとんどが死にそうな顔で走っている。それなので、50ポンド以上払ってダウンロードすることを悩まずにすんだのである。
最近のテクノロジーを使うといろんなことができるのらしい。日本のマラソンもこんな感じなのだろうか。
会社でも、完走したことを言いふらす。あーあ、ほんと楽しかった。けれども足はやっぱりまだ痛い。
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ゴールのスタジアム
こんな中でゴールできるってのもなかなかよい気分である。ちなみに、真ん中にはMizunoの巨大なランニングシューズのオブジェが。これ、かなりいい宣伝になっている気がする。
だってここにいる人たち、ほぼ全員がターゲットになるもん。
最後にもらった完走記念グッズたち。