カトマンドゥの空港で、約9時間遅れの飛行機を待っている時に、見つけて購入したセブンイヤーズ イン チベットのDVD。言わずと知れたブラッドピット主演の映画である。

私には、国の空港の免税店で、まさか偽物が売っているなんて疑うことすら思いつかなかった。
しかし、そのDVDを見たあいつが私に放った一言。

”こんなカバー見れば、すぐカラーコピーってわかるよ。”
ガーン


さて、なぜセブンイヤーズ イン チベットのDVDを購入したかというと、ネパールトレッキングをしている時に、はじめて私が歩いていたエベレスト街道エリアはチベット文化圏に属するということを知ったからである。

ネパール好きの人からは笑われるかもしれないが、これほど無知の状態でネパールに行ってしまったのである。

まずトレッキングルートのあちこちには、チョルタンというチベット仏教の仏塔が建っており、マニ車と呼ばれるくるくる回すものもあちこちにある。タルチョと呼ばれるカラフルな旗があちこちにはためいている。大きいタルチョの横を通る時には、左側を通れと言われる。

そして、泊ったほとんどのロッジには、ダライラマの写真が恭しく掲げられている。

タンボチェという場所には、大きなゴンパ(お寺)があり、見に行くと、そこはチベット仏教のお寺であり、たくさんのラマ僧の方々がいらっしゃった。

Keikoさんが2泊したパンボチェのロッジの息子は、偉いお坊さんの生まれ変わりであったという。今の時代、生まれ変わりって、、、って思う。

特に、私はドーレという場所で、ジェツン ペマという人が書いたマイストーリーという英語の本をなぜか手にとった。そして、暇つぶしに、数ページ読んでみた。ジェツン ペマという人は、ダライラマの実妹であり、チベット難民のためTibetan Children villageの運営をしている人だという。恥ずかしながら、こんな偉大な方がいらっしゃるのも全く知らなかった。
ちなみにこの人は、セブンイヤーズ イン チベットにも、ダライラマの母親役として登場している。

この本にいたく感動し、その影響を強く受けたのが、このセブンイヤーズ インチベットの監督ということなのだ。

この映画に出たということで、ブラッドピットが中国に入国できないということは、何となく知っていたので、中国を批判している映画なんだろうなあとは思っていた。見たい映画リストには、当然入っていたが、まさかネパールでこの映画と遭遇するとは夢にも思わなかった。

ということで、空港でこのDVDを見つけ、暇さかげんも手伝って、購入してしまったのだ。偽物に対して払った金額:600ルピー。(約600円)

時は、1938年、場所はドイツに侵略されたオーストリア。オーストリアの登山家ハインリッヒは、ドイツの登山チームとしてヒマラヤに向かう。しかし、登頂に失敗し、途中でイギリス軍につかまり捕虜となる。

1942年には、脱走し、登山チームで一緒であったピーターと共に、長期にわたる逃避行の後、ラサに到着することとなる。

そこで、2人は、ラサに滞在し、ハインリッヒは、若き日のダライラマと親しくなり、映画館を建てたり、西洋のことを彼に教えたりする。

その間に、中国では、中華民国に変わり中華人民共和国が設立され、チベットと中国の国境が中国により犯されることとなる。

ここで、私のDVDは終了してしまったのだ!あともう少しだったのだが、偽物だと気づかずに購入してしまった私も悪い。残念である。最後は、彼がオーストリアに戻るということらしいが、もう私は無理にこの映画を最後まで見るのはやめようと思う。

さて、ここで映画での年代と歴史的背景などを、少々年代ごとに追ってみる。

1938年 ハインリッヒヒマラヤに向けて出発。 オーストリアは、ナチスドイツの統制下。
1939年 ハインリッヒ捕虜となり、収容される。
     ダライラマ4歳になり、ラサに向かう。
(2歳の時にダライラマ13世の生まれ変わりと認められていた。)
1940年 ハインリッヒ 妻に離婚を言い渡される
     ダライラマ14世 即位
1942年 ハインリッヒ 収容所から脱走する。
1945年 ドイツ降伏、日本降伏
1949年 中華人民共和国 建国 
(映画では、中華民国の人たちがチベットから去って行っていた。)
1950年 中国 人民解放軍 チベット制圧
(1951年まで ダライラマはチベット君主)
1959年 ダライラマインドへ亡命 インドやネパールにチベット難民が流出する。
1989年 ダライラマ ノーベル平和賞

少々歴史的背景を知っていた方が、より理解できる映画である。

これは映画であり、必ずしもこれが事実を確実に表現したものでないということ。誰かのフィルターを通し、描かれた作品なのであるので、100%これが事実じることは危険である。

映画に出てきたラマ僧たちの服装や、お寺の様子などは、なんとなく私がトレッキング中に出会ってきたものと非常によく似ている。そして、ダライラマにお辞儀をする様子等は、私たちのシェルパがゴンパ(お寺)していたことと全く同じであった。

ダライラマ14世やチベットに関する情報は以下のサイトに詳しく出ていた。ネパールのシェルパ族たちは、チベット文化圏であり、彼らとチベット仏教は切り離せないものであった。ネパールを理解するためにも、チベットがどのような状態に置かれているかを知る価値はあると思ってみた。

http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/hh_and_tibet.html



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