さて、約9時間(正確には8時間45分)遅れで、イスタンブール行きのトルコ航空機は出発した。ひとまず無事出国である。

悪口ではないが、トルコ航空の機内サービスは、毎回異なる。おそらく、マニュアルなどが機能していないのであろう。

私の愛するシンガポール航空は、どの路線に乗っても大体安定した良いサービスを受けることができる。(シンガポール航空は、エコノミーの経験しかないが・・・)おしぼり―ヘッドフォンー機内食メニューの配布ードリンク―機内食ーのどが渇わいたなあと思うとドリンクを配っている人が近くにいたりする。

しかし、トルコ航空は、機内食メニューが配られる時もあるし、配られない時もある。おしぼりなんてくれない。ヘッドフォンも言わなくてはくれない。おまけに一人一台スクリーンがついているのに、それが機能していたのは、帰りのイスタンブールーロンドン路線のみ。決まったドリンクサービス以外は、飲み物くれ!と言わない限り、くれることはない。

この一定ではないサービス。これぞ、会社がきちんと管理していない証明のようなものではないのだろうか。

しつこいかもしれないが、私はトルコ航空を批判しているのではなくて、まずこのような普通では味わえない経験をさせてくれたことにとても感謝している。そして、トルコ料理も好きになったし、トルコに入国することもできたし、トルコに新たな関心を持つこともできた。ただ、今回の経験で感じたことなどを記録に残したいので、書いているだけである。もう二度と乗るか!という感じではなく、こんな貴重な体験をさせてくれてありがとうという感謝の気持ちでいっぱいなのである。

そうそう、エコノミーの客がうるさいって、私が書いたのをみて思う人もいるだろうなあ。

さて、飛行機が飛び立つと、新聞を配る人がやってきた。そういえばネパールの新聞などは、この滞在期間に目にすることがなかった。おまけにこの3週間、何の情報も入手していなかったので、世界で、日本で、イギリスで何が起こっているのかも全く知らない。それなので、新聞でも読むかと、ヒマラヤンなんとかというネパールの英字新聞をもらった。

どうやら隣のネパール人らしき男の子もそれが読みたかったらしいが、私が最後の一部をもらったらしく、彼はネパール語の新聞を強制的に渡されていた・・・・・・。

それなので、読み終わったらその子に渡してあげようと、ばーーーっと読んでみた。大きなニュースは、ほとんどなかったが、ネパールとイギリスが新たな関係を進めようとしている記事と、観光客がネパールの自然にどのような影響を与える危険性があるのかが書いてある記事が目に留まる。

そして、隣の子にヒマラヤンなんとかって新聞を

”読む?”

と渡してみた。

それから、なんだか話をするようになり、実は彼もロンドン行きであることが発覚した。それにしても、ネパールのこともイギリスのことも全く普通に話せるってことにびっくりである。普通どちらかに偏っているために、話をする時に気をつけなくてはならない。しかし、彼とであれば、ネパール人なので、トレッキングのことも知っているし、そしてロンドンに住んでいるので、イギリスの冬が寒くて、暗いとか普通に知っている。

非常に、不思議な感覚で、話ができる人であった。

ちなみに彼がネパールに戻る時も5時間遅れていたと言っていた。やはり、この路線はずっとおくれているのだ。(たぶん)

そして、読書ー昼寝ー読書って感じで、飛行機は、出発してから約8時間で、イスタンブール時間の午後10時ぐらいに、到着した。これからが、またトルコ航空との勝負である!果たして、彼らは私にホテルの手配を本当にしてくれるのか。

飛行機から下りてからは、戦闘体勢である!

さてさて、まずトルコ航空のカウンターに行って、どこでホテルの手配をしてくれるのか聞く。今回同じフライトの人たちとは、ほとんどがヨーロッパの人たちだと思われ、かなりの人が今晩のホテルを必要としているはずである。

それなのに、大々的な案内はなく、ホテル本当に必要なら、言ってみて。聞いてくれたら、仕方ないから教えるかって程度である。それなので、私のように朝早いフライトの人は、面倒になり空港で夜を明かした人もきっといるだろう。(実際に、私の隣だったネパール人は、空港でロンドン行きのフライトを待っていたという。)

ホテルを手配してくれるトルコ航空の窓口は、トルコ入国した後の、スタバの隣にあるという。

まずトルコに入国しなくてはならない。トルコ航空のおにーちゃんに、どの国のパスポートだって聞かれたので、

”日本”

と答えると、ビザなしで入国できると教えてもらった。

へえ。そうなんだ。トルコとかって、ビザとか必要な勝手なイメージを持っていたが、日本人はビザなしなのだ!新たな発見である。

私の後ろにいた北欧の夫妻は、

”まずビザの手続きをしろ”

とトルコ航空の人に言われていた。

そして、あんたらのせいなのに、わしらがビザの手配するんか!みたいで少々キレ気味になっている。しかし、ビザのカウンターみたいなとこで、すぐ手配できていたみたいであるので、トルコのビザはその場ですぐなんとかしてくれるみたいである。(ビザでも長蛇の列ができるネパールとは大違いではある。)

しかし、ホテルの確約もとれずに、こんな夜遅くにトルコに入国していいのか、ホテルは手配してくれるけどホテルへの送迎の手配してくれないんだったら、空港でおとなしく夜を明かした方がよいのではないかと少々躊躇する。

”これも経験だあ”

とトルコに入国して、トルコ航空の人曰く、スタバ近くのカウンターに向かう。

そのカウンターはすぐにわかった。ものすごい長蛇の列だったからである。

その列が、トルコ航空の体制というか現状をなんだか物語っていたような気がする。明らかにカトマンドゥからの客以外の人たちもいっぱいいる。

いろんな路線が遅れ、今日イスタンブールでホテルを必要な人たちがこんなにいるのだ。まずこの現実に、衝撃を受ける。こんなにたくさんの人たちのホテルをトルコ航空は、瞬時に手配できるのだろうか。非常に興味深い。

さきほどのフライトであまり寝なかったので、少々疲れてはいたが、ホテル難民の1人として、この長い列の最後尾に並んでみた。

それにしても、このものすごい遅れに対する真摯な謝罪とかが、ほとんどない。ただ、みんなが自分の役割の仕事だけをこなしているという感じである。

ホテル手配の人たちも災難である。別に自分が飛行機を遅らせたわけでもないのに、この大量の気分を害した人たちの相手、手配をしなくてはならないのだ。
まあ、彼らもこれが慣れているらしく、お手のものといった感じではある。この難民たちが少々、ぶち切れようがほとんど動じない。

列で並んでいると、どのようにみんながホテルに向かっていくのかが、見える。
どうやらトルコ航空は、そのカウンターで、ホテルが必要な乗客の搭乗券を預かるようである。一定数(大体50人くらいか)が集まると、彼らの搭乗券を持ったトルコ航空の人が搭乗し、名前を呼び彼らを誘導して、どこかに連れていくしくみである。

その各顧客の名前を呼び、それに答えたりという光景を見ているだけで、自分が悪いわけでもないのに、なぜこんな目にあわされるのだろうとふと思う。

トルコ航空のお偉いさんは、ただ単に会社の出血としてホテルをあてがうだけでなく、この難民状態の乗客の様子をしかと見なくてはならない。カトマンドゥ線に関しては、少なくとももう3週間ぐらいは、この状態が続いているはずである。

私などは、まだよい。何といっても、別にビジネストリップでもないし、何日に必ず帰らなくてはならないということもない。しかも、こんな体験できておもしろがっている部類である。

しかし、これがビジネストリップであったり、必ず何日の何時に到着しなくてはならない人もいるだろうに。そのような人たちは、残念ながらこのような航空会社を二度と選択することはないだろう。よっぽどの理由がない限り。

とうとう、私の番になった。だた搭乗券を窓口の人に渡すだけである。どうやらホテルへの送迎も手配してくれるようだ。

そして、両替もしていないので、コーヒーも買わずに、スタバの椅子にちゃっかり座り、名前が呼ばれるのをひたすら待つ。あの長蛇の列に並び始めてから、名前が呼ばれるまで、1時間半ぐらいかかったか。途中何度か、空港で夜を明かした方がよかったかと思ってしまう。

私と一緒に名前を呼ばれた人たち一行(50人ぐらいか)は、トルコ航空の係の人に空港外まで連れていかれ、バスに乗れと言われる。みんながバスに乗り込むと、バスは空港を出発した。

夜なので、暗くてほとんど何も見えない。これが昼間だったら、イスタンブールの街を垣間見ることができたのだろうか。バスは、ものすごいスピードで高速道路と思われる道をぐんぐん走っていく。いやいや、これってかなりのスピードだけど、大丈夫かしらんとちょっと思う。

15分20分ぐらいで、あるホテルへと到着した。まあ、なかなかのホテルである。一応5つの星がくっついている。

私たちご一行が、ぞろぞろとホテルの中に入る。ここからは、ホテルの人たちが、私たちの相手をすることとなる。

まずホテルの人が私たちの名前を一人一人呼び、呼ばれた人はパスポートをホテルの人に渡さなくてはならない。これにまた数十分要することとなる。パスポートを渡すのもなんだか嫌だったし、さすがの私も少々疲れてきた。やはり、空港での夜明かしの方がよかったか!

カトマンドゥ―から一緒のあの北欧のご夫婦も、やっぱり私の後ろで、疲れきっている。まさか彼らとここまで、一緒に行動することになるとは、あのカトマンドゥの空港では夢にも思わない。

それから、カトマンドゥでは私の前に並んでいた、ドイツ人8人グループもだ。彼女らも同じホテルであった。引率しているらしき人は、心底疲れ切った感じである。かわいそうに。

おそらく列に並んでいる時にでも意気投合した3,4人の若者たちは、空港ではビール飲んだり、ここでもかなりハイテンションで楽しそうである。

その後、ホテルの人から名前を呼ばれ、ルームキーを渡され、モーニングコールの時間、朝ごはんの時間、空港へのバスの時間を言い渡される。私は、4時モーニングコール、4時半朝食、5時に出発ということだ。

へえ、なんだかちゃんとしてるじゃん。これで、もう私の心配事はない。このスケジュールであれば、朝8時のロンドン行きのフライトに問題なく間に合う。モーニングコールもしてくれて、朝ごはんもだしてくれるなんて。それにフライトにあわせて、出発の時間も調整してくれるんだ。

これは、当たり前なのかもしれないが、何といっても私は今までこんな遅延の経験もないし、トランジットする国で一泊するなんて、初めての経験なのである。

夜の1時ぐらいだろうか。やっとホテルの部屋に辿りついた。おまけに、レストランでサンドイッチも配ってくれた。私は部屋に持ち帰ったが、他の人はレストランでゆっくり食べていたのだろうか。

そして、部屋に入り、少々いい気分になる。結構いい部屋だったのだ♡
バスタブもある。

よーく考えると、山から帰ってきてから、バスタブにはまだ一回も入っていない。お湯もきちんとでる。(5つ星だから当たり前か。)熱いお湯をじゃーーーーっと入れて、湯船につかった。

山からおりてきて、シャワーではなく、はじめて浸かるお湯がイスタンブールになるとは・・・。バスタブのン中では、半分くらい寝ていたが、これでかなり気分をよくする。

それにしても、飛行機遅延で、かなりの数の乗客にこんなホテルを手配、それから空港での食事手配をしているなんて。ものすごい余計な出費である。当然トルコ航空との別の取り決め価格があるはずではあるが、私が泊めていただいたホテルには一泊300ユーロと書いてあった。

そして、カトマンドゥ路線では、少なくとも3週間はこの状態が続いているのである。

このものすごく予定な仕事と出費を減らそうと考える人はいないのだろうか。おまけに、これで顧客満足度は、下がっているはずなのに。(私は別として)あの隣だったネパール人は、トルコ航空には2度と乗らないと豪語していた。

ふと気付くともう2時を過ぎている。4時モーニングコールってことは、もう2時間も寝れないではないか。しかし、2時間でもベットで寝れることを感謝する。

4時には本当にモーニングコールがあった。さすがに、寝坊してロンドン行きに乗れないとしゃれにならないので、自分の時計の目ざましで起きてはいたが、このホテルもなかなかやるではないか。そして、朝ごはんというかコーヒーをいただき、5時にはバスで空港に送ってもらった。やはりまだ暗いので、何も見えない。

おまけに、来ていない人をきちんとチェックしたりしている。トルコ航空から、必ず決まったバスに乗せるようなきつい指示がでているのだろうか。

イスタンブール、ロンドン間は、おそらく一日に何便かあるので、私は朝の便となったが、一日に1便とか3日に1便ぐらいしかない路線の人は、かわいそうである。イスタンブールでかなりの時間を過ごさなくてはならない人が、毎日何人もいるのだろうか。

5時半には、空港に到着、なんなく出国手続きというか、パスポートをはいって見せるだけ。非常に簡単である。空港内で、朝8時10分発のロンドン便を待つことになる。

そして、朝のロンドン便は、遅れることもなく、無事飛び立った。このロンドン便は、機体も新しくかなりよかった。やっぱり飛行機大好きだ。