なんだか、砂を食べた感じだった。イギリスに帰る直前に、同じようなことを体験したことを思い出した。そして鏡を見ると案の定、なんだか歯が黒くなっている。

すごくショックである。また歯医者にいかなくてはならないのか。イギリスに戻る夜のフライト当日に、治してもらったのに、またこんなことになってしまうなんて。ガーーーーーンと打ちのめされた感じである。

そして、もっと明るいところで、よーーーーーーく見てみると、何だかきれいに細工された感じになっている。黒いと思った部分は、なんだか金属のようであり、その周りには、白く何かが詰め込まれている感じである。見れば見るほど、きちんと細工というか修理されている雰囲気が感じとれる。そのため、これはおそらくこっちで歯医者にいかなくてもいいだろうという、予測ができた。

しかしながら、私は、歯医者でもなんでもない。ただの素人である。そのため自分でこんな判断をしてしまっては、危険である。もしかしたら、すぐ歯医者に行かなくてならない状態なのかもしれないし。

そして、日本の歯医者に電話しようかどうか、かなり迷った。というのも、イギリスに戻る前にクリーニングしましょうというのを無視し、挙句の果てに歯が欠けたと、当日に見てくれと嘆願したという、恥ずかしい経緯もあったからだ。

しかし、そんなことを言っている場合ではない。

ということで少々勇気をだして、電話をしてみた。いつもの元気な受付の子がでてくれた。受付の子に聞いていいものかよくわからなかったが、歯がどんな状態になったか、伝えてどんなものかと聞いてみた。

そしたら、なんとその子はカルテを見てくれており、その歯がどういう状態になっているかを把握していたのだ。そして、それはこの前修理して、その上にかぶせた飾りだけがどうやら取れてしまったようである。そのため、実際の歯は外にでているわけではないので、放っておいても大丈夫ということである。

そうそう、私もそう思ったのだ。別に虫歯になっているのではなく、美しく修理がされているものが、ただ見えているだけなのである。

ということで、一安心。自分が歯を見たその判断も、一応間違っていなかったという結論になる。

電話してほんとによかった。かつやっぱり日本人ってすごいなあ。人が求めることを先、先の行動をしてくれる。

イギリスに戻ってきてまでも、日本人に感動する日となった。