Cabane des Dix 2364m- pas de Cheveres 2855m- Arolla 2006m


この小屋では深い眠りにつけないまま朝5時となる。

今日は早めにアローラに到着し、Verbieに向かいたかったので、朝ごはんを5時にすることにした。5時に下に行くと人であふれていた。それにびびった私たちは、荷造りをしたりして5時半に下に行くと、もう今は5時ではない、ここでは朝ごはんは5時か7時しかないと言われる。

ガーーーン

しかし、すぐここで食べろとパンを渡される。それなので、ありがたくいただくことにした。といってもいつもと一緒。パンにジャムを大量につけて、コーヒーで流し込む。
数分で食べ終わった。

あのロシア人グループとも、再度挨拶をして、お互いの健闘と祈った。彼らは、氷河混じりの峠越え。私たちは、彼らに比べれば大したことないが、30mのはしごだ。

ここの小屋ではほとんどの人たちが5時に朝ごはんをすませた雰囲気である。そして、みんなすごい格好でアローラではない方面に向かっていった。アローラ方面に向かったのは、なんと私たち2人だけである。

小屋を左にでて、赤いマークを頼りに歩いていく。6時前なのでまだ夜明け前だが、少しうすら明るくなってきている。
いい感じである。あいつにもいい経験だ。なんといってもせっかく山に来ているのに、日の出を一度も拝んでいないのだ。あいつは。

赤いマークを頼って歩いていくと、氷河の川にぶつかった。またアイゼン必要かと思うが、ここは大丈夫だ。傾斜がないので、楽々登山靴で通過できる。この氷河にアイゼンはいらない。
しかしながら、昼間には、結構融けるのではないかと思われる。朝のうちのしまった氷河を渡ることができてよかった。

そして進むとまた氷河の川にぶち当たる。ここもアイゼンなしでクリアである。
だが2本目の氷河がたまに大きな亀裂とかがあって、少々注意した方がよい。

2本目の氷河を抜けるとはしごに向けての上りである。結構浮石とかもあって、登りづらい。はしごに辿りつくまでも結構大変だ。

そして肝心のはしごがなかなか見えてこない。
ブログで見たあのはしごの絵が書いてある岩もなかなかでてこない。

というのもどうやら途中で誤ったルートに入ってしまったらしかった。そのためまた分岐にもどりはしごをめざす。
(ここは、両方のルートに同じ白と赤のマーキングがされたいた。それなので、はしごに行きたい人は途中で右折しなくてはいけないのだ。)

そしてとうとうあのWEBサイトで見た、はしごの絵が書いた岩に辿りつく。そして迂回路も用意されている。
あいつに聞いた。
”どうする?はしご行く?”

”行こう”

ということでやはりはしごに行くことにした。
もし山を歩いていて、何の精神的準備なしで、この梯子にぶち当たっていたら、私は迷わず迂回しただろうが、今回は、このはしごのためにダンベルで腕まで鍛えてきたのだ。そしてなんだかこれを乗り越えることがなんだか次のステップにつながるような気がしていたのだ。

これは自分との戦いだった。

やっと姿を現したはしごたち。

2つのはしごがあり、途中で乗り換えをしなくてはいけないのだ。この乗り換えが結構きつそうである。

私から行くとあいつに宣言して、はしごにとりついた。今回の山の友達:ゴムつきピンク軍手も一緒である。

このはしごはとても素手では無理だと思う。だがあいつは、あんなに注意したのに、まんまと軍手を忘れたのだ。けどあいつはいらないという。本当か。

ここは、まじめに落ちると数十メートル落ちてしまう崖である。下を見るとだめだと思ったので、ほとんど下を見ていないが、落ちたら確実にただでは済まない場所である。

けどいろんなWEBサイトでは、おばちゃんとかでも登っていたのでまあ大丈夫だろうとは思っていた。

一段一段ゆっくり登って行く。あいつがいろいろ声をかけてくる。
そして、疲れたので途中で休んでいると、あいつがごちゃごちゃ言ってくる。

それなので、思わず

”疲れてるから、休んでるのー。うるさいーー。”

と言ったら、黙った。

たぶん実際に登っている私より見ているあいつの方が怖かったと思う。はしごの途中で動かなくなっているのだから。(実際には、疲れたので休んでいただけであるが。)

登っていると岩が飛び出していた、うまく足がかけられない段とかもあり、ちょっと怖くなり足が震えるが、やっとこ次のはしごに乗り換えする場所まできた。
ここには、足場になる岩がきちんとあるので、あせらなければ問題はない。
はしごの乗り換えが成功するともうあと少しだ。

そして、とうとう!到着した。そして朝日が私を迎えてくれた。本当に素敵な朝日だった。

私が朝日に感動している間に、あいつは私に何も言わずに、たったか登りはじめて、もう登ってきた。

なんというスピードだ。私の10倍くらいのスピードで登ってきた。

あいつによるとどうやらはしごがかなり冷たかったので、たったか登ってきたという。
そうか、この温度でははしごは氷みたいな冷たさのはずだ。軍手をしていたからわからなかった。

けど、お互い無事に登ってこれた。よかった。
私はなんだか腰が抜けた感じであるが、なんだか何かを乗り越えられた気がして、うれしかった。

そしてかなりエネルギーを使ったので、おやつタイムとする。昨日のピクニックの残りのレーズンを食べた。今はこんな糖分が必要だ。

朝日に照らされ、いい景色の中のおやつタイム。なんだか最高の時間だった。
これからはずっと下りである。

それにしても誰も人と会わない。たかがアローラに行くレベルの人は朝6時には出発しないのであろう。
けど誰もいないところでゆっくり自分のペースではしごに挑戦できてよかった。他の人が上とか下にいたら、もっと緊張してしまっていただろう。

ここからはお花畑の緩い下りをずんずん行く。少し行くとマーモットがうようよしていた。いろんなとこからちょこちょこマーモットがでてのだ。

人間を怖いものと思ってないらしい。岩の上でうでーーーっとなっていたりして、かわいい。

そしてたくさんのお花がさいている。あとチングルマに似ているのとか、ワタスゲに似ているのとか。高山植物は、どこの国でもなんだか似ているのか。

しばし歩くと今日初めて、人と出会った。軽いザックをしょっとおじさんである。アローラから登ってきたという。まだ朝早い。いったい何時から登り始めてもうこの地点に到着しているのか。
なんだか人と話したかったのか。そのおじさんとしばし歓談。彼はジュネーブから来ているらしいということ。そしてこのおじさんもなんだか、山スキーとかもやる人でレベルが違う人みたいな感じだ。

その後は、チューリッヒから来たというスイス人カップルと出会う。彼らは今日はプラフルーリ小屋まで行くという。私たちが2日かけて歩いた道を1日で行くという。(もちろんルートは違うだろうが。)これから山小屋歩きを楽しむんだと楽しそうだ。

町に近づくにつれて、また別の氷河がどんどん近づいてくる。いやはやこれもすごい氷河だ。そして私が特に気になったのが、槍に似た山。なんだかちょこんとした槍がとても気に入った。歩くたびにぐんぐん近づいてくるのだ。

その後はほとんど人と出会うこともなくアローラのホテルまで辿りついた。そうそう、このホテルは、一瞬泊まろうかなあと思ったのであるが、アローラ下山の日は、他の日程よりは余裕があると思い、結局Verbieまで戻ることにしたのだ。
なんだかよさそうなホテルだ。ここにまたいつかくるのもいいな。

アローラの町というか村は本当に、こじんまりしていた。Verbieとは比べモノにならないくらい小さい。けどかわいいレストランやカフェがあり、花であふれている。いい村だ。

私がバス停近くの郵便局に、バスの時間を念のため確かめに行っている間に、あいつが日本人の方とお話をしていた。どうやらドイツにお住いの方で、ここにホリディで来ているらしい。なんと素敵な。
そして更に話をしているとVerbieにも滞在していらっしゃったのこと。そしてVerbieではミュージックフェスティバルがあることを教えてもらった。そして、Verbieは、金持ちイギリス人が多い町ということだ。ほう、そんなことは全然知らなかった。そして物価などが高いため、普通のスイス人ではいけない町になってしまっているということだ。

その方と話をしているとどこかで見たおじさんが来た。

ん? このおじさんは?

あの山中で、今日初めてあった人だった。


なぜあの時間にあそこにいて、今ここにいるのか?????

どこまで行ったのかは不明であるが、まさか町でこのおじさんと再会するとは。
よくよく話を聞くと、おじさんはトレーニングでこの町に滞在しているらしい。これから違う山1000m程度登って下りてきて、それからまた違う1000mを登ると言っている。

恐ろしい体力である。
彼はどうやらネパール登山のために体力づくりをしており、実際にガイドもするらしい。

やはり、みんなトレーニングが必要なのだ。

私も、がんばらねばとよい刺激になる。
(だがしかしイギリスに帰ってきてから、怠けに怠け、1週間は疲れているからと言い訳し、ジムにいかなかった ショック!

日本人の方をお話をしていたら、いつの間にかバスが来ていた。無事に12時15分発のバスに乗ることができた。わーい。

これからが乗り換えの嵐である。
バスを更に乗継、シオンの街まででて、そこから電車で、マルティニまで。そこからは、セントバーナードエクスプレスに乗って、ル・シャンブルまで。そこからバスでVerbieのはずだったのだが、次のバスはなんと4時という!そこまで待てなかったので、ケーブルカーを使ってVerbieまで上がることにした。

長い道のりだが、SBBのWEBサイトで事前にチケットを購入していれば、いちいちチケットを買わなくていいので楽々である。SBBのWEBサイトはすごい。だがしかし、事前にこれを買っていたので、ル・シャンブルからVerbieまでのバス代は無駄になってしまった。はは。

無事Verbieまで戻ってきた。うれしすぎる。
そしてホテルで車のキーを返してもらい、チェックインをする。至福のお風呂タイムである。早速バスタブにお湯をはって、数日間の汚れを落とすのだ。

あーあ、最高♡

これがあるから山はやめられない。


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Dix小屋の朝



イギリス発 山日記&風景写真



夜明け前の月と氷河


イギリス発 山日記&風景写真


氷河の川
(アイゼンなしでも大丈夫。だけどもちろん注意必要)

イギリス発 山日記&風景写真


はしご後の朝の光

イギリス発 山日記&風景写真


はしごの後のご褒美

イギリス発 山日記&風景写真


すごい氷河(と思ったが、昔を知っている人は、みんな口をそろえて小さくなったという。)

イギリス発 山日記&風景写真


山とお花

イギリス発 山日記&風景写真


アローラの町

イギリス発 山日記&風景写真