Cab. De Prafleuri 2624m - Col des Rous 2804m - Cab. Des Dix2928m

さて今日も一人で山小屋テラスで日焼け止めを塗り、化粧をする。この小屋は山で周りを囲まれているために、朝日をいい感じで見ることはできない。
ここの小屋はロバを飼っているらしく、テラスの前にロバがいた。

この小屋の朝食は朝5時からも可能であり、ほとんどの人が私たちの朝食時間7時前には、朝食を澄ませて、出発しようとしていた。

今日は、それほど長丁場でないので、ムキになって早く出発する必要はない。早く出発した人たちは、おそらくここからアローラの町まで行こうとしている人たちではないだろうか。
私には、この小屋からアローラまで1日で行く体力はない。

この小屋は新しいのではあるが、トイレ、シャワーが男女一緒であり、なんとも・・・である。新しくつくった小屋であるなら、別々にすればいいのに。

だがしかし、トイレはきれいで全く臭わないし。スイスの山小屋のトイレ事情は、賞讃すべきである。

前日のモンフォール小屋もそうであったが、一応シャワーは存在する。コインのようなものを数フランで購入し、そのコインをシャワー室の機械にいれて、シャワーを数分間浴びるシステムである。

あいつは2日連続でコインを購入したが、結局シャワーを浴びなかった。私は山に入ったら、こういう面倒なことはしたくないので、シャワーは浴びない主義だ。下山後のシャワーの喜びを最大限に味わいたいため、限界までガマンだ。

なぜ山が好きかって、もちろん山歩きも大好きだが、下山後のご褒美も山歩きの重要な要素である。数日ぶりのシャワーとか、下山後に普通のホテルでくつろぐこととか、大きなベットで眠ることとか、おいしいご飯を食べることとか。普通のことに対して、日常に体験するよりも、多くの幸せを感じることができる。

さて、私たちは、7時の回の朝食をいただき、出発だ。7時の回はほとんど人もいなく、ゆっくりといつものミューズリーとパン&ジャムをいただいた。どこの山小屋も本当に同じだ。

そしてここでは、ピクニックを忘れられていた。そのため小屋のおばちゃんは”今作るから!”と速効で私たち2人分のピクニックを作ってくれた。

さて、今日はディス小屋に向けて出発だ。あの親子もなんと一緒という。やはりこのルートは、モデルコースというかよく歩かれているコースらしい。

プラフルーリ小屋の左の斜面を登り始める。まあまあの斜面である。そしてコルに到着すると絶景が待っていた。

”おお!これは、すごい。”

朝のきれいな空気の中で、白い頂が輝いて、負けずに湖も美しい。おお、いい感じだ。
この朝の時間にここに立つことができたことがとてもうれしい。

みんなこの景色に魅了されている。かつ山の上には、なにか動物の赤ちゃんがいる。そして反対側には、その両親とも思われる角をもった動物達がその赤ちゃんたちをじっと見つめている。
家族なのだが、いきなり人間たちが現れたので戸惑っているのではないだろうか。
結局両親と思われるその動物たちが私たちの横をすり抜けて、赤ちゃんたちのそばに行き、無事合流した。
よかった。よかった。

私たちが邪魔ものだったのだ。

そして湖の方に向かって、ずんずん下りていった。この辺りは、紫のりんどうらしき花がたくさん咲いている。鮮やかな色でとてもきれいである。

湖近くの平らな道に辿りつくとしばらくは、その道を湖の橋まで歩く。アップダウンもなく、本当にお散歩である。だがしかし、たくさんの人に抜かれてしまう。

途中で黒い牛が小さい滝の所で水を飲んだりしている。そしてまた余計なことに、あいつが牛にちょっかいをだしている。あんた、ここでやめとかないと、ほんとに牛はおこるよ。。。

そして湖の橋からは、きつい登りになると聞いていたので、その登りの前で、ピクニックにした。
毎回ほとんど変わらず朝のパンにハムとチーズが挟まっている。今日のチーズはかなりおいしかったが、この味気ないサンドイッチに2日で飽きてきた・・・・。日本のおにぎり弁当などが懐かしすぎる。
ピクニックのメニューは、イギリスもスイスも大体変わらない。少々味気のないサンドイッチに、りんごかオレンジ、チョコレートバー、そして何かの飲み物がついてくる。おっと、今日はナッツとレーズンのお菓子もついていた。

食べていると通り過ぎる人に

”ボナペティ”

と言われる。あいつは最近、やっとこの意味がわかるようになったのだ。いったいヨーロッパ(というかイギリスだから仕方ないか)に何年住んでいるんだ。

栄養補給をしたら今度は、登りである。なんだか切り立った山しか見当たらないがいったいどこを登るのだろうか。検討もつかない。

あった。道が上に続いている。

おお、ここを登るのか。。。

またあいつはたったか登って行き、私はのろのろと登って行く。あいつは休憩をしている間に、私は休憩なしでトロトロペースで登って行く。その繰り返しである。
うさぎとかめであるが、最終的にかめはうさぎに勝てないのだ。

しばらくきつい登りが続き、それからまた石だらけの道の微妙な登りが続いていく。途中で、昨日のピクニックの残りのリンゴをかじった。

”おお、おいしい!” 

こんなにりんごがおいしいと思ったことはうまれて初めてだ。リンゴ自体もおいしかったのだろうが、このシチュエーションで、体がりんごを求めていたのだろう。

この道もしっかり小屋までの道はマーキングがされているので、迷うことはない。
ちなみに、モンフォール小屋からアローラまでの道は、マーキングがきちんとずっとされている。さすがスイスである。ただ天気が悪い日はマーキングを探すのが大変な時もあるかもしれないが、今回は天気にも恵まれ、道に迷うことはなかった。天気にも感謝である。

途中で、なんだか2世代ぐらいの家族を追い抜いた。女の人たちはザックも持たずに、ショートパンツで歩いている。

そしてなんだかみんなで大声で話し、少々品がない。私たちに挨拶もしない。

たまにいるのだ。こんな人たちが山にも。けどあの格好でここまで来るなんて、すごい根性しているなという言う感じである。
きっと彼らもこれからディス小屋に泊まるのだろう。

もういい加減到着しないかなあと急な斜面をジグザグに登りきると、とうとう小屋が見えた。ものすごい氷河の目の前にちょこんと盛り上がった丘に小屋が立っている。まるでおもちゃのようだ。

すごいロケーションの小屋である。

そして目の前の氷河にも圧倒される。こんなに近くでこれだけの氷河を見たのは、初めてかもしれない。
しばしこの眺めのいい場所で、景色を楽しみ、小屋へと向かう。

小屋には2時か3時くらいにだったか、到着だ。時間がありすぎる。そして、あの親子達を探すが、見当たらない。彼らの歩くスピードは、かなり速かったのでもしかしたら、アローラの町まで下りていってしまったのかもしれない。

まだ早い時間なのに、小屋は登山客であふれている。そして、今日の人たちは、私レベルとはちょっと違った部類の登山客が多い感じである。ようするに、本格的な人たちが多いのだ。彼らの持っている道具とかで、これからもしかしてあの氷河とかに挑戦する人たちかと勝手に予想をする。

小屋に到着して、チェックインをする。対応するのは、元気な肝っ玉かあちゃん風のおばちゃんだ。私はきっとこのおばちゃんと電話で話して、予約をしたのだと思う。
この小屋を予約するときまでは、いろいろなWEBサイトからの情報で、アイゼンが必要であったり、ロープが必要かもしれないという情報でかなりびびっていあのであるが、このおばちゃんの

”アイゼンなんていらないわよーー。あっはっはー。”

”梯子もあるけど、大丈夫よ~あっはっはーーー。嫌だったら、違う道を行けばいいわよーあっはっは!とにかく、来なさい。来たら、道を詳しく教えてあげるわ”

という心強いアドバイスで、この小屋行きをも決めたのである。

ということで、おばちゃんにアローラまでの道を聞くことにした。

そしたらなんと地図を見るどころか外に連れていかれ、指さして教えてくれた。
うーん。確かに、指さしてくれた方が分かりやすかった。

梯子自体は、小屋からは見えなかったが、あそこにあのはしごがあるという。
少々緊張感が高まるのだ。

小屋に着いたものの、することがない。それなので、昼寝をすることにした。今日は3回の2段ベットの上の段だ。たぶんこの上の段の3人分スペースを2人で使うことになるのだろう。
そして6時まで、また正体もなく大爆睡をした。この大爆睡がとても心地よいのだ。

起床してからは、おまちかねビール。またカーディナルというやつだ。これがまたおいしいのだ。
そして、行きのフェリーであまったナッツをおつまみにして、楽しんだ。

6時半に言われたテーブルに行くと、もうたくさんの人たちが来ていた。私たちは、どうやら英語グループのテーブルに振り分けられたっぽい。
私たちの大きいテーブルには、3つのグループがいた。まず私たち。そしてロシア人グループ。それから3人のグループ。他の3人グループは結局話す機会がなかったので、未だどんな人たちだったか封名であるが、英語を話していた。

食事中は、ほとんどロシア人の人たちと話をした。どうやら彼らは、アメリカ等に住むロシア人らしいのだ。そしてロシアというか出身はキエフということ。キエフなんて。今まで全く縁がなかったので、どう反応したらいいかわからないくらい。けれども思い描くロシア人美人そのままの彼女であった。
よくよく聞くとロシア人グループは、みんな違う場所に住んでおり、ニューヨークに二人、ボストンに一人、オーストラリアに一人、あとどこかに一人別々に住んでいるらしいが、山仲間で今回みんなで初めてヨーロッパの山に挑戦しにきたらしい。

まず私たちが日本人と告げると、Murakamiを知っているという。ええ、どの村上さんか。よくよく話をきくとどうやらニューヨークでは、村上春樹が大ブームらしいのだ。本屋に入ったらまず村上春樹の本があるというのだ。

本当か?

とにかく彼らは、彼の本を気に入っているらしい。けど、村上春樹の本なんて、、ノルウエィの森とか15年くらい前のちょうど流行りに読んだような気もするが、はっきり言って、どんなストーリーだったかすら覚えていない。ダンスダンスダンスとかも読んだような気がするが、全く何も覚えてない。

確か初めて読んだときもそれほど印象が残ってないので、記憶がないのだ。

けれども彼らがそこまでいいと思っているので、きっと翻訳がよかったのだろうと勝手に思う。帰ってから少し読見直してみるか。。。

彼らはアメリカの山にやはりよくいくらしいのであるが、アメリカでは山小屋はなく、全てを持って行くのが基本らしい。そのため今回も彼らはテントも含めてかなりの荷物を持ってきているという。そしてスイスの山小屋のシステムに驚いていた。

そして私は、日本も山小屋があるよと宣伝しておいた。

彼らは今日はオートルートをZERMATTから歩き始めたという。そして、明日はアローラではなく、右に見える峠を越えて、どこかの街にでて、それから今度はモンブランに挑戦するという。レベルが違いすぎるのだ。

ディス小屋の食事は最高であった。味は今回の小屋の中で一番よい。
まず白ワイン!このサービスはうれしい。そして、野菜スープ。優しい味が体にしみる。サラダ、メインはハンバーグみたいなのと、キビを炊いたもの。これがなんとも言えずおいしいのだ。デザートは、缶詰のフルーツがアルコールに漬かったもの。

本当においしい食事だった。

この小屋が人気のわけはなんだかわかる気がする。肝っ玉かーちゃんをはじめとして、いい感じの小屋の人たちとおいしい食事。そしてこの氷河前の絶好のロケーション。

今日は、ほぼ定員の150人ぐらいが泊まったのではないかと思われる。

夕食後は、早々に歯磨きをし、夕焼けを堪能して、また爆睡だ。

と思いきや、なぜか寝れない。浅い眠りで、なんだか寝付けない。さっき昼寝をしたからか。それとも明日のはしごにビビっているからか。

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今回の旅で、一番感動した景色。


イギリス発 山日記&風景写真



湖のほとりの緩やかな道最中。


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いい。

グッド!


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お花畑と山 最高~ドキドキ


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あり?槍ヶ岳?いやそんなはずはない。

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ものすごい場所にあるディス小屋

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スイスの国旗と氷河。スイスの国旗ってなんだか好き~。

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小屋の前の氷河。

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けしの花。いっぱい咲いてた。

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