イギリス発 山日記-4th day
(Hornlihutte 3260m - Schwarzsee 3583m - Furi 1867m- Zermatt 1620 m )


相変わらず外には、誰にもいない。どうしてヨーロッパの人は、朝日をみようとしないのだろう?

一人で、朝の雰囲気を堪能していると、1人のおっちゃんがカメラを持ってでてきた。

やはり写真を撮る人は、ヨーロッパ人でも朝日を見るのだ。

小屋の女の子もでてきて、写真を撮っている。

いい感じだ。

やはり、いい。山小屋だとこういうことが楽しめる。日帰りでは、決して味わうことができない。

寒いので、中に入ったり、外に出たりしていると、あのイギリス人が下りて行こうとしていた。

下で朝ごはん食べるとか言ってたけど?下とは、ZERMATTのことかな?彼にとっては、ここを降りることぐらい朝飯前ということなのね。きっと。

私たちは、しっかり朝ご飯をいただいた。(といってもいつも通り、コーヒーと黒いパンとジャムとかだけ。)朝は8時だった。それにしても遅い。おまけに朝ご飯を食べたのは、なんと4人だけ。

どうやらマッターホルンに登る人たちは、5時とかに勝手に食べて出発するらしい。

けど、なんだかこの山小屋は、今までに経験したことがないタイプの小屋だった。
もちろん山小屋であるが、マッターホルンという戦場?の前線基地という感がした。
私たちのようななんちゃっては、あんまり来ない方がいいのかなあなんとなく思う。
けど来てしまったものは仕方ないし、今日はそれほど宿泊客も多くなく、私たち以外にもなんちゃって系の人もいたので、まあいいだろう。

リバプールの彼談によると1日前は、なんと40-50人はこの小屋に泊まっていたという。みんなこの最高の天気予報で、集まってきたらしかった。

宿泊を今日にしておいて、本当によかった。40-50人もの本当の山男たちの中で、ど素人見学者がいるのは、辛い。

今日の宿泊者は15人ぐらいだったか。

朝食は、ベルリンから来たというご夫婦と一緒だった。あのカメラを持って、朝、外にでてきたおじさんだ。

さすがカメラ好き?私がもっていたカメラがキャノンだと覚えていた。おじさんのカメラはニコンだと自分で言っていた。

彼らは、明日はイタリア側に行くツアーに参加すると言っていた。

英語はあまり得意ではないらしいが、一生懸命話をしてくれた。

準備をして、9時すぎぐらいに出発した。
ちなみにここは、トイレは水洗なのだが、手洗い場所がない。それなので、手も顔も洗えないし、歯も磨けない。
スイスだからと少々甘くみていた。まあ乾き気味のウエットテッシュでなんとかしたが、あのキリマンジャロでいただいた”手ピカジェル”をなぜ持ってこなかったのだろうと大後悔した。
今回は持ち物に関しては、反省すべきことが多々ある。

それから今回は3000mそこそこだと結構みくびっていたのだが、もう2500mぐらいから歩くのはきつくなるし、寝ると頭が痛くなるし、朝は顔が腫れて、更にブスになっているし、やはり山は決してなめてはいけない。

昨日へろへろになって、登ってきた道をするすると下りて行く。今日は写真を撮る余裕もある。
また黄色のカメラバックを片手に、ちんどん屋営業開始である。

朝一のロープーウエィで上がってきたであろう人たちのグループと出会う。
その中に日本人も混ざっていた。
ここら辺で日本人と会うのはうれしい。
小屋に泊まったと言ったらびっくりされた。やはり、、あそこはマッターホルンに行く人が泊まるべき小屋なのだろうか。

昨日あんなに時間がかかったのに、なぜかロープーウエィ駅まですぐ下りてきてしまった。

さてこれからどうするかである。

一番初めの予定では、これからTrockener Steg に行き、 Gandegg hutteという山小屋に泊まる予定であった。

しかし本日のホテルはもうZERMATTの4つ星ホテルに変更してある。

だがまだ今日これからどこをどう歩くかは決めていない。

天気がよければGandegg hutteでランチをしてもよいかと思ったが、なんだか天気は下り坂っぽい。
おまけにそこまでの道はなんだか、おもしろくなさそうだ。
あいつ曰く、工事現場をずっと歩くみたいだと。
確かにそうだ。なんだかおもしろそうな道ではない。

それなので、歩いてZERMATTまで降りることにした。

林の中のまあまあなんだかいい感じのハイキングコースだ。
あいつはここを歩いたことがあると断言していたが、いいや、初めてだ。
あいつにとっては山はどこも一緒に見えるのだ。本当に、世界で一番山に連れてくる価値のない男である。

前に歩いていたグループが立ち止まっている。
どうやら、マーモットらしい。
そのグループの男の子がビデオらしきもので撮っている。
私が行ってマーモットが逃げると大顰蹙なので、そのグループの後でおとなしくしていた。

なんだかいたちみたいなのが、ひょろひょろいたような感じだった。なんだかマーモットって太っているものだと思っていた。

そのうちぱらぱらと雨が落ちてきた。

正直いって、ここ数日の強烈な太陽でかなりやられていたので、雨も結構うれしかったりする。ここ数日間の晴天で、乾ききった大地、緑も喜んでいる感じもする。

そうこうしているうちにお腹もすいてきたし、ちょうど発見した小さいレストランに入ることにした。

ここは、本当に小さいレストランで、山道を歩いてこないとこれないのではないだろうか。

私たちの他に2グループが既に入っており、あいつによるとその隣にも部屋があり、その部屋にもお客さんがいたという。

引退後のご夫婦がきりもりしている感じだ。

私は、朝の黒いパンとジャムはすっかり消化していたので、ソーセージとロスティをいただく。
あいつは食欲ないのか、オムレツだけだった。

なんだかスイスの思いっきり家庭料理という雰囲気だ。

私のソーセージ&ロスティは、ボリュームもあり、とてもおいしくいただけた。

だがしかし?かなり暗くなっているのに、なぜか電気をつけないので、とても暗かった。なぜあんなに暗かったのに電気をつけていなかったのだろう。

そして食べているとなんだか、外でザザーっという音と、ゴロゴロゴロという音もしてきた。

あらあら、とうとう本格的に降り始めたらしかった。
レストランの軒下で、雨合羽を来て、ザックカバーをつける。
山中でこの行為をするのは、面倒なので、ちょうどよかった。

雨の中を雨装備で、進んでいく。これも結構楽しい。

けど町に近づくにつれて、筋肉痛などなどで、下るのにも飽きてくる。

そして、とうとう町に着いた。
さあ、これから至福の数日ぶりのお風呂&暴飲暴食タイムである~。
私が山に行く理由は、一重に下山後のこれにあると言ってもいいかもしれない。