インドネシア 南スマトラ パレンバンのリマールです。サイズからすると女性用のストール(肩掛け)です。結婚式で使われたものです。

インドネシアにイカットは多いですが、綿布が多くシルクのイカットは少ないですね。

その中でシルクのイカットで有名なのがパレンバンのリマールです。1枚は欲しいと思っていました。

このリマールはリマール・アンキナンと呼ばれるイスラム系のリマールにシルクや金糸での刺繍やスパンコールが縫い付けてある中国系の人が発注したものです。

刺繍が鮮やかで賑わいのある布です。スパンコールが縫い付けてあるので結婚式では光が反射して更に豪華になるんだと思います。

リマールは20世紀に入ってから廃れてしまったという事です。色やデザインからすると19世紀のものと思います。

木の箱に入ったまま日本で出てきました。箱書を見ると興味深いですね。

暁第6164部隊の将校団が渡部隊長に送っています。太平洋戦争中に日本軍はインドネシアに駐留していましたね。渡部隊長の除隊なのか転属なのかの贈り物でしょうか?

そこにリマールが贈られるとは面白いですね。

この暁6164部隊を調べてびっくりです。戦後に旧宗主国のオランダが再植民地化を目論んで武力介入を進めましたが、インドネシア初代大統領となるスカルノが非公式に要請しインドネシア兵と一緒に戦ったのが暁6164部隊でした。民間人を含めて総勢2000名ほどだったようです。日本軍の残した武器弾薬を使ってインドネシア軍に軍事訓練や組織化を行い参戦しました。

インドネシア人と一緒だったので、インドネシア人からリマールの古布を入手して渡部隊長に送ったんでしょうね。

渡部隊長がどういう方なのか見つけられずにいます。

 








東南アジアだと布は自給自足で母親が愛情だけで素晴らしいものを残しています。

リマールは職人が織ったのでしょうね。

発注していた王族や富裕層が衰退してリマールも廃れたんでしょうか?


ジョン カベン