長崎紫陽花まつり・眼鏡橋から興福寺へ | 長崎回縁隊のブログ

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ご縁が回って、全国の方々と知り合えればと思います。
そして、少しでも一隊化できる場所があれば最高ぜよ。

長崎紫陽花まつりが始まりましが、長崎もようやく梅雨入りとなりました。

 

中島川沿いの眼鏡橋近くに色とりどりの豪華な西洋紫陽花が並べられています。

 

やはり紫陽花と国重要文化財の眼鏡橋を一緒に撮るのが定番です。この花の名前は「恋恋」ですから橋を渡る女子高校生を入れてパチリ。「♪命短し恋せよ乙女 赤き唇 あせぬ間に♪」とゴンドラの唄を歌いながら(もちろん心の中で)。

 

これは「桜花乱舞」だそうです

 

白い花は定番の「バニラ」です。梅雨入り前に行ったので、青空は綺麗でしたが花は熱中症気味で元気がありませんでした。今頃は雨の中、生き生きしている事でしょう。

 

これは「最高の晩餐」だそうで、派手ですね。西洋紫陽花の究極の進化系か?。

 

親子が飛び石を渡っていますが、向こうに見える眼鏡橋は江戸時代の始めに興福寺の2代目住職の指導のもと架けられました。お寺の信者が中島川を渡るのに苦労している姿を見ていたからだそうです。

 

それでは、その2代目住職が在職していた興福寺に行って見ましょう。この寺は国内最初の唐寺であり、4代目の隠元禅師が有名で、インゲン豆、胡麻豆腐、煎茶などを伝えたそうです。

 

国重要文化財の大雄宝殿の前には紫陽花が並べられています。五色の吹き流しが掲げられていますが、江戸時代、唐船が長崎港に入港した時に掲げられ、唐人たちはこの吹き流しを目安に眼鏡橋を渡ってここに来たものと思われます。

 

興福寺の紫陽花の多くがガクアジサイとヤマアジサイです。

 

西洋紫陽花ほど派手さはありませんが、ガクアジサイは唐寺に良く似合っているようです。

 

これはベニガク(紅額)と言われるもので、最初は白色で次第に紅色に変わって行き、「紅色の装飾花が緑際立つ葉と鮮やかな対をなし、清々しいと」言われていたそうです。

 

長崎出島の商館医・シーボルトが海外に紹介した植物誌にも「ベニガクはヤマアジサイの一種で自然界で見い出された変種を選抜した栽培品種である」と記載されています。

                (シーボルト日本植物誌・大場秀章監修より引用)

 

興福寺などの唐寺で見られるベンガラの朱色の壁をバックにベニガクの写真を撮って見ると、何となく相性が良く、江戸時代の素朴な味わいが感じられました。

眼鏡橋近くで見られる豪華な西洋紫陽花は、日本古来のヤマアジサイがヨーロッパで品種改良されて出来たとの事です。一方、興福寺のベニガクは日本古来のヤマアジサイの変異種を選抜して日本で作られた栽培品種とのことです。また眼鏡橋は興福寺の住職の指導により架けられましたが、橋も寺も江戸時代に完成し、今では共に国重要文化財となっています。今回、同じ日に見た2種類の紫陽花の関係性、眼鏡橋と興福寺の関わりが良く分かり、歴史を感じられた1日となりました。