いいおかお★★★☆☆ | パイナップル・マザーの日記

パイナップル・マザーの日記

天真爛漫で怖がりな娘(2歳)の成長記録です。

今日の絵本

day12


いいおかお

松谷みよ子

瀬川康男

童心社

おすすめ度 ★★★☆☆


 



最後、ふうちゃんと動物たち。

「おいしいはどーこ?」

で、終わります。


同じ作者の「あかちゃんのうた」に 

おかあさんがあかちゃんとおでこやおはなやほっぺを合わせて遊ぶ遊びうたがあり、

「冷たいはどーこ?」

とあります。


おはなです。

もしくは、

ほっぺです。

はたまた手でも足でも冷たけりゃどこでもいいと思います。


「どーこ?」

「あかちゃんのからだのパーツよ。」

というやりとりです。 


で、

おいしいは「おかお」ですか。


他の本からの示唆がなくとも、

冒頭から終始「いいおかお」が繰り返されるので、

「おいしいはどーこ?」

の答えもおのずと顔であることがわかります。




猫や犬はたしかに、人間と似たような表情、佇まいをします。

飼い主に似ます。

「いいおかお」の一言で、

ペットのいる豊かで滑稽で愛溢れた温かな家庭の描写をこの絵本はしてしまいます。

犬猫のみならずゾウがいることで、世界、家庭的空間がグローバルにエキセントリック&ファンタジックに大きく広く膨らみます。

そんな世界観が、

子供たちの「おかお」というフレームに収束するのです。


笑顔、すまし顔、得意顔、気取り顔、ポジティブなお顔、


「いいおかお」と言われる表情がなせるワザは家庭的にも世界的にも愉快で痛快である。

そんなことをこの絵本は伝えてくれます。


「おいしいはどーこ?」の解釈も、

ビスケットだとか、「どこ?」だからおかあさんだとか、子供たちのおてて、ゾウが気に入った子にはゾウさんが、家のなかだか、はたまたゾウがいるからにはインドやタイだとか(?)、この物語に触発されて思い出した口のなかだとか、無限にあります。


これらの解釈を捨てて唯一無二の正答が「おかおだ」と言い切るようにまではこの絵本では強制されていません。

文脈によって匂わされてるにすぎません。


ですから、

読み手の仕事となるだろうと思います。

「おかおだ」と導くか、自由な解釈を許すかは。


松谷みよ子さんの使うキレイで愛しく柔らかい日本語は他の絵本作家さんに増して優れていると思います。
ゾウとおかおを例に出しましたが、構成力も素晴らしいと思います。

今調べたところ、松谷みよ子さんは離婚されてシングルマザーだったんですね。お子さんも娘さんふたりで、娘さんふたりが絵本のモデルとなったのが、モモちゃんとアカネちゃん。
なら、こうちゃん、ふうちゃん、まこちゃんは誰…?

松谷みよ子さんはお母様から読書を勧められ、
文学を大切にされてきたようです。

作品は赤ちゃん用の絵本以外にも戦争がテーマのものなど色々あるようです。読んでみたいと思います。