何年か前に家人が親族にプレゼントしそこなった本があった。
一月に一冊、様々な作者の本が送られるしくみの本である。
そのなかで娘が新生児のころ、やけに食いつきがよかった絵本がある。
ほりかわりまこさん作の「おっぱいどーこ?」という絵本だ。
当時の私はろくに出ない母乳が詰まって乳腺炎となり出産の傷とあいまって身体中が痛いは、夜間のミルク作りに疲弊し眠いは、「おっぱい」と聞くだけでいやだった。
また、娘が双子だったらいいのに、痛い・苦しい思いが一度で娘に兄弟がいたなら、などと思っていた。
そのため、たくさんの子犬が母犬に集まるこの絵本はいろんな意味で面白くなかったのだが、一方の娘は食い入るように見ており、何度読んでも集中していた。
👶赤ちゃんは新生児のころは識別できる色が少なく、白黒がよく見える
らしい。
絵本の犬は灰色だが、それが理由であろう。
読み聞かせのときの月齢によって程度の差がでながら、「こどものとも」の絵本はどれも、娘の食いつきがいい。調べてみると、なるほどな理由(赤子の特性)がある。
👶丸いものがいい、四角いものがいい
👶赤と青がよく見える
👶人間の顔、表情を(それが絵でも)おもしろがる
👶空間感覚を得て、いないものを探す
など、発達に応じた興味の対象があるようだ。
作者によるエピソードトークの冊子が絵本に挟まっているのだが、どの作者も、子や孫とのかかわりで思い付いたという経験則こそあれど、生物学的な特性や理論を気にした様子はない。すなわち絵本作家というものは、子供の感性あるいは子供を喜ばせる感性を備えているのかもしれない。
失礼ながらおとなが読んでも面白くない。おすすめ本として有名な絵本はおとなが読んでも面白いが、案外、そんなとき子供はおとなが面白がる空気を読んで面白がっているのかもしれない。子供は子供の能力と感性による世界があり、おとなの意見とかかわらず面白いものは面白いのかもしれない。
ただ、新生児期からしばらくは、仰向けで読むので、余計なもの(エピソードトーク冊子)を挟まないで欲しい。娘の顔に落ちてきたらと肝を冷やした。
なお、嫌な思いをしてまで読むものではない。白黒がいいのだ。

