「リヴァイアサン」 スコット・ウェスターフィールド | ロードバイクを待ちながら

「リヴァイアサン」 スコット・ウェスターフィールド

最近、刊行が再開された早川SFシリーズの第一回配本。

これは、いわゆるスチームパンクの変形です。正当スチームパンクは19世紀末のヴィクトリア朝時代に技術が現実とはちがった形に発展している世界の話ですが、この話はちょっと時代が下って1910年代の第一次大戦の頃が背景です。

発展している技術は「スチーム」ではなくて、石油で動く機械をあやつるドイツ軍「クランカー」と、遺伝子改変の人造生物をあやつるイギリス軍「ダーウィニスト」のそれぞれです。つまり「ディーゼルパンク」対「バイオパンク」!

バイオパンク側の主力兵器は鯨を改造した自分で水素を体一杯に貯めこんで浮かぶ巨大生物飛行船「リヴァイアサン」。対するディーゼル・パンク側は、なぜか、機械の足であるく「ストーム・トルーパー」とか足が8本あり陸上をあるく「フリゲート艦」!

主人公は2人いて、バイオ側は少年の振りをして「リヴァイアサン」の見習い士官に採用された男勝りの少女!ディーゼル側は両親をサラエボで暗殺されてしまうオーストリアの王子!なぜか、この王子様は、身内の裏切りにあい、数人の側近と自らストーム・トルーパーの操縦士となって逃走する羽目に!

もう、ガンダムとスターウォーズと宮崎アニメのプロットを第一次大戦版スチームパンクにぶちこんだような大変なことになっております。

実はこの小説は子供というか Young Adult向き(日本でいうラノベですね)に書かれたもののようです。翻訳のこの本にもちゃんとオリジナルの挿絵がところどころ入ってます。

お話はあまりにありがちなプロットとはいえ、結構引きこまれます。なんといってもバイオ対ディーゼルというふたつの異様な技術(特ににダーウィニスト側)がすばらしい。

気楽に楽しめる一冊でした。お値段は気楽でない1600円で、しかもこれは3部作に一冊目。あと2冊ももう出てるので注文しなくては!

これ絶対宮崎アニメで映画にするといいと思います。